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臓器売買:徳洲会病院を家宅捜索へ 執刀医関与を捜査

宇和島徳洲会病院=愛媛県宇和島市で2006年11月3日、本社ヘリから大西達也撮影
宇和島徳洲会病院=愛媛県宇和島市で2006年11月3日、本社ヘリから大西達也撮影

 生体腎移植を巡る臓器売買事件で、警視庁組織犯罪対策4課は28日にも、逮捕された開業医の堀内利信容疑者(55)が移植手術を受けた宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)を臓器移植法違反容疑で家宅捜索する方針を固めた。同法違反容疑で同病院に家宅捜索が入るのは06年の臓器売買事件に次いで2度目となる。

 捜査関係者によると、堀内容疑者は仲介役の指定暴力団住吉会系組幹部に報酬1000万円を支払って紹介されたドナーの男性(21)と養子縁組し、昨年7月に同病院で移植手術を受けた。堀内容疑者の妻則子容疑者(48)は、ドナーからの腎臓摘出を担当した執刀医(38)に「養子縁組の経緯をすべて伝えていた」などと供述しているとされ、組対4課は、仲介役の組幹部やこの執刀医らの関与などについても裏付けを進めるとみられる。

 則子容疑者は調べに対して、移植直前にドナーの男性を伴って同病院で執刀医と面会したと供述し、「仲介役の暴力団員に金銭を支払ってドナーを用意してもらい、養子縁組したことを伝えた」などと述べているとされる。

 ◇事前に伝達「一切ない」

 一方、この執刀医は27日、毎日新聞などの取材に応じ、臓器売買の経緯を事前に伝えられていた疑惑について「そういうことは一切ない」と否定した。

 現在勤務する東京都内の病院で取材に応じた医師によると、堀内容疑者はドナーの男性について「近所で児童虐待を受けているのを前から知っていたため、自分が保護者になって養子縁組した」と説明。医師は「虚偽とは全く思わなかった。臓器売買などがあったら決して手術はしない。すぐに警察に届け出るだろう」と述べた。【川崎桂吾、前谷宏、喜浦遊】

毎日新聞 2011年6月28日 2時30分(最終更新 6月28日 2時35分)

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