2011年6月24日17時18分
生体腎移植をめぐり臓器を売買しようとした事件で、臓器移植法違反などの疑いで逮捕された医師堀内利信容疑者(55)が昨年7月に実際に移植手術を受けた際の腎臓の提供者(ドナー)は暴力団関係者だったことが捜査関係者などへの取材でわかった。仲介したのは、今回逮捕された暴力団組員とは別の住吉会系組員で、堀内容疑者の妻則子容疑者(48)がこの組員に謝礼を1千万円払った、と周辺に話していたことも判明した。
警視庁組織犯罪対策4課のこれまでの調べでは、堀内容疑者は昨年1月、住吉会系暴力団員の滝野和久容疑者(50)らを通じ、元組員の坂上文彦容疑者(48)とうその養子縁組をした。1千万円の謝礼で、坂上容疑者をドナーに東京都板橋区の病院で移植手術を受けようとしたが、断念した。
堀内容疑者は昨年6月、別の組員を介し、20代の男性と養子縁組した。関係者らによると、この男性も暴力団関係者。堀内容疑者は昨年7月下旬に愛媛県の宇和島徳洲会病院で、男性の腎臓の移植手術を受けた。