臓器売買容疑の院長 複数、養子縁組試み 相手なく違法行為傾倒か
産経新聞 6月25日(土)7時55分配信
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臓器売買の構図(写真:産経新聞) |
◆閉ざされた合法の道
捜査関係者によると、堀内容疑者は平成15年に腎不全と診断された。17年からは人工透析を受け始め、半日がかりの透析が週3日におよぶこともあった。
脳死移植に救いを求め、19年2月には日本臓器移植ネットワークに登録したが、平均14年という待機期間を待ちきれず、20年には他人からの生体腎移植が認められていたフィリピンを訪問した。
しかし、フィリピン当局は同年、金銭目的による臓器提供の横行を重く見て、外国人への臓器提供を原則禁止に。移植はかなわず、帰国を余儀なくされた。残された道は国内での親族間の移植だった。
◆倫理尻目に…
養子縁組さえすれば、“他人”から移植を受けることも可能だ。
19年4月から2年間地元の江戸川区医師会で理事の要職を担った堀内容疑者。患者からは「優しい気さくな先生」との評価だったが、ここで、医師として越えてはならない一線を越えてしまったようだ。
「だれかいい人はいないか」。帰国後、しばらくして堀内容疑者は知人に頼み、数回にわたって養子縁組の相手を探してもらった。しかし、引き受けてくれる人はいなかった。
警視庁組織犯罪対策4課は、これをきっかけに堀内容疑者らが、暴力団組員の滝野容疑者に臓器売買の仲介を依頼するようになった可能性が強いとみている。
妻の則子容疑者(48)が通っていたスナックのママで、滝野容疑者と内縁関係にあった佐々木ひとみ容疑者(37)を通じ提供者探しを依頼した。
しかし、見返りの金額をめぐってトラブルになり滝野容疑者らとの交渉話も破談に。最終的には昨年6月に養子縁組した男性(21)から提供を受け、同年7月に宇和島徳洲会病院で移植が行われた。男性は、移植直後に失踪した。
この縁組についても、別の暴力団関係者が仲介しており、則子容疑者は「1千万円を渡した」と供述。違法な臓器売買だった疑いがあり、同課も調べている。堀内容疑者は現在、さばさばとした様子で取り調べに応じているという。
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最終更新:6月25日(土)7時55分
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