みなさん、バイトっていろいろやったことあるでしょ?
僕もいろいろやったクチです。

僕がやったバイト、何日間に渡って、紹介していきましょうかねー。

大学1年の頃ですかね。
友達に誘われて、中洲にある古いアパートの一室に行ったんですよ。
まーバイトの面接ってことでね。

「失礼します」
入ってみると、そこは会社の事務所とは思えぬほど、
きったない部屋でございまして。

かすかに異臭もしてるんですよ。

部屋の中には
長い髪を後ろに束ねてるオヤジが1人おりまして。。
この秋葉系のオヤジこそが、どうやら、この会社の社長のようなんですね。

いきなり、
「こんにチワワ!」、と

今時のオヤジでも言わないオヤジギャグを飛ばしてきまして、

タバコをふかせながら、
「君たちは、ギンガマンとクレヨンしんちゃん、どっちがいい?」

どういう意味?と思ったんですけど、

話を聞くと、
どうやら
キャラクターショーのバイトみたいでっす。

とりあえず、
脊髄反射的に、、
「あっ、、じゃギンガマンで、、」

って言っちゃいまして。。

「あっ、そうー。●嶋君だっけ?
じゃ、君には、チビッコの中で2番目に人気がある、ギンガブルーを任せたいと思う」

「はぁ・・」

ギンガマンとは、戦隊モノでございまして、
ゴレンジャーなんかと、同列で考えていただければ、
結構でございます。

「人気あるんだから、張り切ってがんばってね。じゃ、今から冷泉公園で練習するから!」

それから、アポなしで
夕方6時〜夜10時まで練習です。

意味分からんしょ。

しかもね、
この4時間くらいやった練習、
時給0円、


「ボランティア!」ですって。

あり得んかったんですよ。

挙句の果てには

「あした、壱岐(離島)のダイエーで公演だから、朝6時に集合してね

マジ絶句しました。

それでも、
仕方ないから、1日だけ付き合ってあげることに
したんですね。

で、次の日、
朝めちゃ早く起きて、船に揺られて、
壱岐到着ですよ。

1日午前午後の2回公演なんですが、
壱岐なんて、ダイエー以外、他に行くところないから、
結構、子どもが集まってきてるんですね。

その日の最高気温 28度。

ギンガブルーの着ぐるみ、装着してみました。
最初の印象・・・

マジ、暑すぎ!!!

罰ゲームです。
フラフラします。

そんな意識朦朧とする中で、一生懸命、ギンガブルーを熱演する僕。

最後に
ゼイハブとかなんとか言う悪玉を
ギンガマン5人でひとつの技を出して、
倒すんですけど、

そのときのギンガブルーの
決め技ってやつがね、

超ダサいんですよー、これがまた!

ブルーって、
ゴリラをイメージしてるらしくて、

決めポーズもゴリラなんですよ

レッドとかは結構イケてるんですけどねー。

まあ、それでなんとか
無事公演終了。

公演後は
見にきてくれた子どものために、
握手、写真会がちゃんと用意されておりまして、

で、これがね!

終わったと同時に、
ガンガン、子どもが僕のところに集まってくるんですよ!


「ギンガブルー写真一緒に写ってくださーい

「あー、ギンガブルー!!握手して〜、握手して〜

ぶっちゃけ、
壱岐のダイエーじゃ、芸能人並!

悪くないですよ。こういう感触。。

ちょっと、正体バラしてやったら、面白いでしょうねー、ハハ。

と、夢中になっているときに、
唖然とする出来事が始まってたんですわー。

何が始まってたの?

それがね、

ショーに便乗して、
ギンガレッドがサインを1枚400円で子ども向けに販売してたんですよ!


詐欺行為ですね。
呆れてモノも言えんすよ。

サインも
「ギンガマン」と書いて、横に☆書いてただけですからね!


子ども騙し以外のナニモノでもないです。

僕はこの1回でギンガマン引退してやりました〜。

※1番おもしろかったこと

ショーが終って、控え室で、着ぐるみアタマだけ外して、「暑いわー」って言いながら談笑していたんですが、

気付くと、びっくりしました・・。

子どもが、
こっちを覗いているじゃありませんか・・

しかも、さっきまで「ギンガマン、ギンガマン」
言ってた子どもですよ・・。

空気が凍りつきましたね。。
あまりの無防備さに。。

どういう無防備さかと、説明するとですね、、

着ぐるみアタマだけ外すという
中途半端なコスチュームは、
僕の知ってるかぎり、

1番ブサイクなんですよ!

そして、
子どもは一目散に、そこから離れ、

「ママ、レッドにオジちゃんが入っとう〜」

と、口走っておりました。

それに対して、
その子のママは、

「あれは違うと!あれは違うとよ!」

夢を壊さないように、必死に弁解をしておりました。。

ひと言、申し上げます。。

子どもの言うとおり、
レッドの中には
おじちゃんが入ってました。




「白い靴」

ワタシは
ワタシの誕生日に

自分のための
白い靴を
買ってあげた

ずっと
欲しかったもの

でも
どう考えても
ワタシには
似合わない

だから、
一生
履かずに

取っておこうと
心に決めた

店先の
ウインドウに
飾るように

玄関先の
下駄箱に
並べて

白い靴を
この家の住人に
加えることができた

それでも、ね

毎日
眺めているうちに

やっぱり
自分の足元に
したくなるんだよね

そんな今では
家の中で
履いて歩いてみる

なんとなく
今までと違う
新鮮な気持ちになれる

いつかは
家を飛び出し

白いワタシに
なれたとしたら

また
別の靴を
履きたくなる日が
きっと
訪れるのだろう