とにかく裏

□バイブ
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「ばぁか、間違ってるってば」

『えっ、えぇー…?』







あぐらをかいて、私を後ろから抱きしめるチャンミンの膝の上に座る私。

目の前にはテーブル、そしてその上には数学の問題集。






教えてあげる、と先立ったのは、チャンミンの方だった。


数時間前にチャンミンがうちに来るまでは、2週間近く会っていなくて。




ようやくチャンミンに暇ができたらしく、「会いたい」と私に連絡をくれたのはいいけれど。

私は丁度テスト期間中で、恋愛にうつつをぬかせるほどの頭脳も無くて。



チャンミンにそのことを電話で伝えたら、「はあ、」と溜息をついた後、「30分で着く」と言葉を残し、一方的に電話を切られた。








そして、今。

チャンミンとテーブルに挟まれて、勉強を余儀なくされている。




「ん、まあ余弦定理はそこそこ出来るみたいだね」

『…へへっ、』





私に覆いかぶさるようにして身体を寄せて、私の肩に顎を乗せるチャンミン。

握った赤ペンでスラスラと丸をつけるその手を、ただじっと見つめていた。






というか、見つめているしかなかった。



後ろから首元にかかる息遣いがもどかしくて、たまに唇が私の耳を掠めて。

今までチャンミンにこういう行為をされたこともなければ、生まれてから一度もそういう行為をしたことも無くて。



じわりとくるチャンミンからの刺激に、ただ堪えるしかなかった。







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悪夢街のエルム




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