とにかく裏
□やきもち
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…確かに、遅刻した私も悪いよ?
でも、たった2分遅れただけなのに。それなのに、ヒチョルは違う女の子と一緒に遊んだり出来ちゃうの?
―――……デートの待ち合わせに場所に迷って、10分前に着く予定が2分遅刻してしまった。
待ち合わせに10分遅れると帰ってしまうヒチョルは、今までに数え切れないくらい帰る回数が多い。
時間にルーズな私とは、正反対。
でもたまに、本当に好きなのかなって思うこともある。
今みたいに、2分遅れて待ち合わせ場所に行ったら、違う女の子達と仲よさ気に話していたりとか、ね。
「ヒチョル、たまには昔みたいに遊ぼうよ〜。最近付き合い悪くない?」
「そうだよ、ソヒとかユリとか、みんな会いたがってるよ?」
「あー、わかったわかった」
微かに聞こえる会話からして、たまたま出会った友達なんだろうけれど。
でも、遊ぼうって誘われても、「彼女いるから」って断るものじゃないの?
…私の勝手な概念なのかな。
「……あ、**」
俯いて木陰に隠れているところを、キョロキョロと周りを見渡したらしいヒチョルに見つかった。
『ごめんね、遅れて…』
「遅い。」
『ごめんなさい…』
「冗談だよ。気にすんな」
くしゃくしゃと頭を撫でられて、ヒチョルが微笑む。
でも、私の気分は晴れない。
「あれ、その子…彼女?」
「そうだよ。**っつーの。」
「へえ。ヒチョル、タイプ変わった?」
彼女たちの言葉に、厭味たらしい意味はないんだと思う。
だけど、ヒチョルが以前付き合っていた人達と比べられるのは、すごく辛い。
私、意外と嫉妬深い…。
「おら、お待らさっさと帰れ」
「こっわ! じゃ、今度遊ぼうね」
「他の子にも連絡しなよー」
ケラケラと笑いながら去る彼女達に「余計なお世話だ」と呟きながら片手を挙げるヒチョルを見て、胸やけがおきる。
私って、なに?
彼女じゃないの?
ぐるぐるといろんな不満が頭を駆け巡って、暗かった表情が更に暗くなる。
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