私が住んでいる長崎市中心部には公立図書館が二つあり、仕事でもプライベートでも重宝している。と言ったはなから恐縮だが、両館とも少々サービス過剰に思える。テレビドラマや映画化されるような旬のマンガ、小学生に人気のマンガ雑誌まで置く必要があるのだろうか。
マンガを図書館に置くなというのではない。絶版となった名作や、街の書店では手に入れにくいものを置くのは賛成だ。マンガだけでなく、図書館が人気の雑誌やベストセラー本を置くのは、ニーズもあるし「呼び水効果」も期待できるからなのだろう。一定の効果は否定しないが、一方で、小さな書店への「民業圧迫」も気になる。
インターネット普及以降、世間に「情報は無料」という意識が強くなった気がする。だが「ただより高いものはない」とも言う。楽しみに適正な対価を払うことは、好きなものを守ることにつながると思う。(竹井)
=2011/06/27付 西日本新聞朝刊=