野原で元気よく遊ぶカオル、トオル、ゲン、百子、猛。
しかし、カオルの飛行機が遠くに落ちてしまった。
その飛行機を手に取ったのは和服の女性だった。
女性はカオルを見て思う。
女性(何て可愛い子なの……そっくりだわ。亡くなった娘にそっくり……)
カオル「すみません」
女性はカオルに飛行機を返すと微笑む。カオルも微笑み返す。
その時、カオルは真っ白な世界で母と再会した。
だが、MACの服を来たゲンに遮られてしまう。
気づくとそこは変わりがない野原だった。
トオル「おーい!カオルー!何やってんだよー早くー!」
女性「カオルっていう名前なの?」
ゲンも女性に気づくが、眼力で見ると彼女の顔は般若だった!女性は立ち去る。
カオル「待ってー!私も行くー!」
そんなカオルをゲンは止める。
ゲン「カオルちゃん!行っちゃダメだ!」
カオル「また邪魔をするのね?」
ゲン「違う!」
カオル「ゲン兄ちゃんのばかぁっ!離して!離してぇっ!」
騒ぎを聞きつけて百子と猛も来る。
ゲン「カオルちゃんを頼む!」
そう言い残し、ゲンは女性の後を追う。
カオル「ゲン兄ちゃんのばかぁーっ!」
そんなカオルの罵声を背中に聞きながら……。
女性は地下道の鏡の前の中に入っていってしまった。
カオルは家で母の声に誘われて鏡の中に入り込んでしまう。
部屋にはさっきまでカオルが見ていた母の写真が入ったロケットのみが残った。
その夜、カオルはついに帰ってこなかった。そして街では不思議な事が起こっていた。
ひびが入った鏡。ゲンはそばに落ちてたロケットに気づく。
ゲン「これは?」
百子「カオルちゃんのお母さんよ」
ゲン(似ている……!鏡の中に消えたあの星人そっくりだ……!)
大きな音を立てて鏡が割れた。
洗面所でトオルは鏡の中にカオルの姿を見る。
後ろを見たりするがそこにはカオルはいない。鏡の中にだけしか写っていないのだ。
トオル「カオルー、どこにいるんだ、カオルー!?」
カオルと、そして母に似た女性が鏡の中で楽しそうに踊っている。
再び鏡が割れるとカオルの姿は無く、全て元通りになっていた。
もちろん、鏡も割れてなどいない。
街に起こった不思議な出来事は次々MACにも知らされた。
MAC基地。ダンとゲン。ゲンはトオルと連絡を取っていた。
ゲン「トオル、元気を出すんだ!必ずMACが力になるからね」
佐藤、梶田、白土、松木も来る。
ダン「マザラス星人だ」
佐藤「マザラス星人ですって?」
ダン「記録によればマザラス星人は鏡の世界に住んでいて、しばしば人間の子供をさらうんだ」
ゲン「じゃあ、カオルちゃんは鏡の中にずっと……」
ダン「おそらく鏡の中から帰って来る事は出来ないだろう」
佐藤「カオルちゃんを助ける事は出来ないんですか?」
ダン「………」
ゲン「……そんな!」
ダン「お前の気持ちは分かる。だけど出来ない事は出来ないんだ」
ゲン「………そんなバカな!!!」
ゲンはその場を走り去る。
ゲン「カオルちゃーーーーーーーーーん!!!!!」
トオルは一人、スポーツセンターの広い体育館に居た。
鏡を力任せに叩き割るトオル。手からは真っ赤な血が流れる。
そんな様子を見てゲンは決心する。
その時、別の鏡にカオルと女性の姿が。
ゲン「カオルちゃん!」
鏡の中に飛び込もうとするゲンだが、それを杖で止める者がいた。ダンだ。
ダン「行ってはならん!」
ゲン「僕にはカオルちゃんを見捨てるような真似は出来ません!」
ダン「あそこにいるのはマザラス星人だ。行ってもカオルちゃんを返すような事はしまい。第一、帰ってくる事は出来ん!」
ゲン「やってみなければ分かりません!」
ダン「ゲン!」
ゲン「必ずカオルちゃんを連れて帰ってきます!」
ダン「やめろぉっ!」
ゲン「でやあああああああああああっ!!!」
鏡に突っ込むゲン。
ゲンが気づくとそこは砂丘だった。
ゲン「カオルちゃーーーん!!!」
やがて、そこにカオルと女性の姿を発見する。
ゲン「カオルちゃん!さぁ帰ろう!」
カオル「嫌よ。私帰らないわ」
ゲン「どうしてだい?」
カオル「ゲン兄ちゃんはどうして私の邪魔ばかりするの?私、お母さんとやっと会えたのよ」
女性「カオルは私の娘よ」
ゲン「マザラス星人め!カオルちゃんを返せ!」
カオル「私のお母さんに何て事言うの!?」
ゲン「カオルちゃん!来るんだっ!」
女性は頭の上に手鏡を掲げて言う。
女性「スペクター!この男を追い払っておくれ!」
砂嵐の中から怪獣スペクターが現れ、両腕から青いガスを噴射、そして腕で砂山を崩す。
ゲンはマックガンで戦うが砂に飲み込まれてしまう。
カオル「ゲン兄ちゃーん!?」
女性「お前にこの幸せを壊されてたまるものですか。カオルちゃん、さぁ行きましょう」
カオル「でも……ゲン兄ちゃんが……」
女性「カオルちゃん、あなた私とあの人、どちらが大事なの?」
カオル「それは……」
女性「さぁ、行きましょう」
二人は行ってしまう。
しばらくしてゲンは砂の中から上半身を出すとある事に気づく。
ゲン「そうだ……鏡を使ってこの世界に入れたのなら、出る時も鏡を使えばいいんだ」
川辺で戯れるカオルと女性。
ゲンはカオルの手を取って走る。
カオル「おかあさーん、助けてー!」
女性「カオルちゃん!」
ゲン「お母さんなんかじゃない!騙されてるんだ!」
川辺の水を鏡代わりにして戻ろうとするゲン。だが、カオルは見ようとしない。
ゲン「カオルちゃん、見るんだ!」
カオル「やっ!おかあさーん!」
ゲンはポケットからロケットを取り出して中の母の写真を見せる。
ゲン「カオルちゃん、よく見るんだ!これがお母さんだ!」
カオルは写真と女性を凝視する。女性は再び鏡を頭の上に掲げる。
すると写真はロケットごと燃えてしまった。
女性「お前を生きては帰しません。鏡の世界からは帰しません。スペクター!スペクター!」
再びスペクター登場。ゲンはカオルの手をとって逃げる。
女性「スペクター!」
女性は手鏡で指令を与えようとする。がその時、ゲンがマックガンでそれを阻止する。
女性「あっ!」
砂の上に落ちる鏡。
ゲンは素早く鏡を拾い上げる。
ゲン「さぁ!カオルちゃん、帰るんだ!」
カオル「私帰りたくない!嫌ーっ!」
女性「カオルを連れ帰りたいのならそうしてごらん。鏡の中をみるがいい!」
手鏡の中には……スペクターが大暴れする現実世界が映し出されていた。
火の手が上がるなか、逃げる百子と猛、そしてトオル。
そしてトオルが転んでしまい、その上に迫るはスペクターの巨大な足。
トオル「助けてーっ!」
カオル「お兄ちゃん!」
女性「カオルをお返し。……カオルちゃん、こっちへいらっしゃい」
カオル「嫌!」
女性「……カオル、何を言うんです!?」
カオル「おばさんは私のお母さんじゃないわ!本当のお母さんならお兄ちゃんも私も可愛いはずよ!」
女性「カオル……!」
断末魔と共に砂の上に突っ伏す女性。やがて、その顔は般若に変わりマザラス星人の本性を現した!
カオルはその姿を見て気絶してしまう。
星人「カオルは誰にも渡さない!カオルは死んだ娘にそっくりなんだ!」
変身するレオ。(掛け声も変身シーンもなくいつの間にか変身している。しかも主題歌も流れない)
レオはカオルを右手に掴む。
星人「レオ、私のせっかくの幸せを壊したお前が憎い!死ね!」
言うが否や星人は薙刀を振りかざして襲い掛かってきた。BGMは和風の独特のものだ。
怨みを伴った攻撃は一筋縄ではいかない。だが、右手の中からはこんな寝言が……
カオル「おにいちゃん……」
カオルのためにも負けては居られない。
レオはウルトラマントで鏡を作り出し、現実世界へ戻る。
それを追おうとする星人だがはじかれてしまい、倒れて消滅する。
現実世界ではスペクターとMACの戦いが繰り広げられていた。
空を飛び迎撃するマッキー2号、3号。だが、苦戦であった。
その時、飛び蹴りと共にレオが帰ってきた。
BGMは真紅の若獅子である。
マックガンで応戦していたダンも驚く。
ダン「レオ……!」
レオは手の中のカオルをダンに任せるとスペクターと格闘で戦う。
格闘だと流石にレオは強い!が、スペクターはレオを投げ飛ばして頭から破壊光線を発射したのだ!
間一髪避けるレオ。だが、ピンチだ!
その時、マッキー2号と3号の援護射撃がスペクターに浴びせられる。今だ、レオ!
レオは飛び上がると右手を赤く発光させ手刀、ハンドスライザーでスペクターを攻撃する。
するとスペクターは割れた鏡のようにバラバラになってしまった。
その後、トオルとカオルは百子と猛はお墓参りに来ていた。
それを遠くから眺めているゲンとダン。
ダン「鏡の中の宇宙人はカオルちゃんを見て、胸が締め付けられる想いだったんだろうな……」
ゲン「………」
無言で頷くゲン。
ダン「気持ちは分かるが……許してはいけない事だ」
墓前でつぶやくカオル。
カオル「……お母さん……」
ゲン「カオルちゃ……」
側に向かおうとするゲンだがダンに止められる。
カオルの顔には涙が一筋、伝うのだった……。