ウルトラマンレオ第30話
日本名作民話シリーズ!
怪獣の恩返し 鶴の恩返しより


−マグマ星人 怪獣ローラン登場−

凶暴なマグマ星人に襲われた宇宙で一番美しい怪獣ローラン。
ひょんな事から自転車屋の親子に助けられた。
そしてローランはその恩返しに可愛い女の子に変身して自転車屋の店員になって大ハッスル!
さぁみんなで見ようウルトラマンレオ!

煙の吹き出ている不気味な荒れた惑星。
マグマ星人が怪獣に抱きつこうとしている。が、拒絶されている。
君達のよく知ってるマグマ星人は今宇宙で一番美しいと言われている怪獣ローランをお嫁さんにしようと追いかけてきたのだ。でも不幸な事にローランはマグマ星人が大嫌いだった。
どうしても言う事をきいてくれないローランにマグマ星人はとうとう腹を立てた。

マグマ星人は指から針を飛ばす。
ローランは翼で払い落とし飛び去ろうとしたが、足に一つ刺さってしまう。
ローランはマグマ星人に捕まってしまうのか?
その時、颯爽とマッキー3号がやってくる。
ちょうど、近くをパトロールしていたおおとりゲンもローランの悲鳴を聞きつけて、現場へ駆けつけて来た。
低空飛行でマグマ星人の近くを飛び、注意を引きつけ、手を組んでの青い光線を避け、光弾ミサイルを連射し、追い払う事に成功した。
ゲン「ざまぁみろ!」
マグマ星人を追い払ったゲンは、傷ついたローランの姿を追い求めたが、どこへ姿を隠したかローランを発見する事は出来なかった。

所変わって山の中。
父と子の大熊親子が自転車で山道を走っている。
水を飲みに行った子供、ケンジがローランを発見、逃げる二人。
追い詰められた親子は死んだ振りなんかをしてみた。
が、ローランは足を針を抜いてくれと頼み込む。
ケンジ「ほら、あの針を抜いて欲しいんだよ」
父「だってお前、相手は怪獣だよ?」
ケンジ「見なよ、頼んでるんだぜ。弱きを助け強気をくじくのが男の道だっていつも父ちゃん言ってたじゃないかぁ!」
父「よし、やってやるぞ。俺も男だ…」
二人は怪獣の足に飛び乗り、針を抜こうと頑張る。
マックカーでパトロールをしていたゲンも駆けつけて手伝い何とか抜く事に成功したが、父親は首を怪我してしまう。
ローランはお礼を言うがそれに対して父親は一言。
父「なぁに、いいって事よ。困った時はお互い様さ」

スポーツセンター。
ゲンとケンジ、トオルとカオル、百子と猛。
カオル「すごいわ、ケンジちゃんて勇気があるのね」
百子「勇気ばかりじゃなくてよ。優しい愛の心も持っているのね」
猛「あっ、そうだ。昔話にもそんなのがあったよね。人間が鶴を助ける話だ」
トオル「僕も知ってるよ、鶴の恩返しって言うんだ」
ケンジ「鶴の恩返しかぁ」

早朝。
臨時休業をしている大熊自転車店のシャッターを叩く者がいる。
父が出てみると、そこには女の子、星村がいた。
星村「ごめんください」
父「はい……あの、私の家になにか?」
星村「あの、表の張り紙を見て来たんですけど、もう決まってしまいました?」
父「いやぁ、あんたねぇ、とてもじゃないけどこの人手不足じゃあ」
星村「よかった」
父「心当たりでもあるんですか?」
星村「私を使ってください」
父「だってねぇ、あんた女でしょ?うちはやめておいた方がいいよ?やめときな?給料も安いんだから」
星村「かまいません。私、お金なんてほしくありません。ここで働かせてもらえればそれでいいんです。さぁ、社長は怪我人なんですから奥で休んでて下さい。早く早く」
父「あ、あんたも強引な人だねぇ……」

マックカーで送ってもらったケンジ。店が開いている事に気づく。
ゲンと星村は見詰め合って互いの正体に気づく。
星村「あなたは、レオ?」
ゲン「君はローラン?」
二人は人目に付かない影に移動する。
ゲン「どうしてこんなところで?正体が知れたら変な事になる」
星村「わかっています。でも私を助けたために、ご主人は鞭打ち症になりお店も閉めなくてはならなくなったんです。このまま黙って帰るわけにはいかないんです」
ゲン「しかし……」
星村「あなたには、あの親子がどんなに暖かい心の持ち主か分からないんですか?」
ゲン「そんな事はない、あの親子は素晴らしい親子だ。よく知ってる」
星村「だったら、私の気持ちを理解してくれますね?……このまま帰るのには忍びないんです」
ゲン「………」

親子が寝静まった夜、星村は自らの羽をつかって風車を作る。障子に映った影は……
みんな、もう分かったね。この娘さんは怪獣ローランだったんだよ。

トオル達は自転車で競争をする。ケンジの風車をもらったカオルが突然速くなった。
ケンジ「すげぇだろ?今度俺んちの宣伝で作ったんだ。みんなにもやろう!」

店は風車の効果で大繁盛していた。
ローランのくれた、まるでおとぎの国の風車だねぇ。みんなも貰えるといいのにねぇ。でも羨ましがってもいられないんだよ。
風車を付けた子の元に雷鳴と共に等身大のマグマ星人がやってきて風車を次々と壊していった。
そこでマックロディーに乗って、ゲン、梶田、白土、松木隊員が来る。
隊員らはマックガンを手に立ち向かう。
ダン隊長も加わって格闘戦になるが、梶田隊員、白土隊員は倒されてしまう。 ゲンが組み手をするが逃げられてしまう。そしてマグマ星人が消えた方向から風車が飛んでくる。
ゲン「隊長……」
ダン「その風車をよく見るんだ。ローランの羽根で出来ている。襲われた子供達はみんなこの風車を持っていた。マグマ星人は、ローランの反応のある物を次々と襲ったというわけだ」
ゲン「ローランが…」
ダン「風車は俺が全部回収した」
ゲン「……隊長」
ダン「ローランの居場所は知っているはずだな?お前の責任でローランを宇宙へ送り返すんだ、いいな?」
ゲン「はい!」

川辺に二人きりのゲンと星村。
星村「えっ?私の風車を持った子供達が襲われたんですって?」
ゲン「うん……風車は全部MACが回収した。この次襲われるのは、君だ」
星村「私……ごめんなさい、子供達を喜ばせてあげられると思ってそうしたのに……」
ゲン「気持ちは良く分かる。悪いのは皆、あのマグマ星人なんだ」
星村「皆に迷惑ばかりかけてしまって……私、帰ります」
ゲン「…ローラン、お願いがあるんだ。僕に風車を作ってくれないか?」
星村「あなたに?」
ゲン「マグマ星人をおびき出して倒すんだ。奴は僕の父と母の仇でもあるんだ」
星村「私が役に立つ事なら何でもします。でもここでは風車は作れないの…」
ゲン「……」

家に帰って来た大熊親子。
父「父ちゃんなぁ、明日ギブスが取れる事になったよ」
ケンジ「良かったね、父ちゃん」
父「おおとりさんや星村さんを誘って宴会でもやるか」
ケンジ「俺、腹いっぱいアイスクリームが食べたいな!」
父「ばか、腹いっぱい酒飲むんだよ」
……などと能天気な事を話して家まで来たら店のシャッターが閉まっている。
そして本日休業の文字が。
父「これは一体どうしちまったんだ?」
家の中に入ると障子に映った怪獣の影が風車を作っていた。
意を決して障子を開けるとそこには……星村がいた。
星村「いつぞやはお世話になりました。あの時助けていただいたご恩は一生忘れません」
父「何だぁ……星村さん……」
星村「この風車をおおとりさんに渡してあげて下さい……さようなら、お元気で……」
ケンジ「星村さぁん…」
こうして星村は大熊家を去っていった。

夜、ローランは帰ろうとするがマグマ星人にみつかってしまう。 求婚を迫る星人に避けるローラン。
マグマ星人はとうとうサーベルを出す。
マグマ星人は何度頼んでもお嫁さんになってくれないローランをついに殺してしまおうとしたのだ。
ローランのピンチにマックロディーに乗って駆けつけたゲンは変身する。
「レオォォォーーーっ!!!」(太陽が映し出され、変身シーンはない)
太陽が昇ると同時に、あるいは太陽をレオが昇らせたのか日が昇っている。
レオはローランを助け起こす。主題歌をBGMにレオは格闘で戦う。
修行を積み、強くなった今のレオにマグマ星人は敵では無かった。
圧倒的な強さで叩き伏せてウルトラマントのブレスレットから風車を出しマグマ星人に投げつける。
風車はマグマ星人の胸に刺さった。倒れて、爆発せずに消えてゆくマグマ星人。

親子。
父「しかし、あの怪獣は本当に心の優しい怪獣だったよなぁ」
ケンジ「怪獣なんかじゃないよ。星村さんだったんだよ」
父「お前の言うとおりだよ。このごろは人間だって優しい心を忘れちまってるんだから、本当に頭が下がるねぇ」
ケンジ「星村さぁーん!」

その後、MACが回収した風車が返されたのか、風車で遊ぶ子供たちの姿があった。

本編解説

準備中

・視聴した感想
ハヤタ隊員とフジ隊員がゲストで……。
なんて展開はダメだったのかしら?なお話。
お話自体はほのぼのしてて好きですが、
そのような理由と獣姦ストーカー野郎になりさがっている
マグマ星人には幻滅してしまいます。
やむを得ない事情はあったと思います。それは分かります。
だけど!しかし!でも!
納得出来ねぇ!!!
今回のエフェクトもかっこいいだけに……
ああああああああっ!!!俺の、俺のマグマ星人がぁぁぁっ!!!
最後、マグマ星人が爆発せずに消えていったのは同時進行していた漫画版との関係だと思います。
そちらではマグマ星人が黒幕となっているのではっきりとやられた、という描写をすると問題があったのでしょう。