ウルトラマンレオ第27話
日本名作民話シリーズ!
強いぞ!桃太郎! 桃太郎より


−鬼怪獣オニオン登場−

惑星アップルを追われ、果物を求めて地球にきた怪獣オニオン。
店を潰されたおじいさんとおばあさんの涙を見た桃太郎の決意。そう、鬼退治!
ゲンと桃太郎の作戦は!?さぁ、みんなで観ようウルトラマンレオ!

宇宙には何千億という星があり、その中の一つ、これは惑星アップル。
事件はこの果物いっぱいの星からはじまったのです。これぞ怪獣オニオン。おっかない顔に似合わず大好物は果物という変な奴。
オニオンはリンゴを食べ荒らす。
どろぼう!オニオンに果物畑を荒らされてばかりいる惑星アップルの人々は畑に番人をおいているのですが……おかしいなぁ、番人は何をしているんだろう……。
木に登ろうとしたオニオンに、木の上からニワトリが下りて来て襲いかかる。逃げ回るオニオン。
はっはっはっはっは、愉快だねぇ。オニオンの苦手は何とニワトリなんだよ。

お話変わってここはおなじみの惑星我が地球。
リンゴを食べている少年。
えっ、ここにもオニオンが?いや、違った。この子は確か、桃太郎という名前。
子供達は桃太郎少年をいじめる。
子供「桃太郎、お前桃から生まれたんだろ!?だからパパもママもいないんだろ!?」
桃太郎「違うわい!死んだお父さんが桃太郎という名前をつけてくれたんだい!」
子供「嘘つけ!お前は桃から生まれたんだよ、だから父さんも母さんもいないんだよ」
桃太郎「違うわい!」
子供「違わない!桃から生まれた泣き虫桃太郎ー!」

桃太郎は逃げる。追う子供達。
そこにはダンとゲン、百子とトオル、カオルがいた。
子供「あっ、MACの隊長だ!」
子供「ちぇっ、隠れやがって」
子供「桃太郎さん、桃太郎さん、鬼退治にはいかないの?」
そんな子供達を見かねてダンは言う。
ダン「仲良く遊ばなきゃダメじゃないか!」
子供「だってももちゃん、弱虫すぎて面白くないんだもん」
ゲン「じゃあ、君達は弱い者いじめをしているのかい?」
その言葉に気まずくなったのか、子供達は逃げていく。
桃太郎「僕にお父さんもお母さんもいないからみんないい気になっていじめるんだ」
ゲン「そんな事ぐらいで泣きべそかいちゃダメだ!」
桃太郎「うん!……シンちゃんもキリちゃんもナッちゃんも僕にやっつけられて逃げて行きました、と日記には書いておこう」
その言葉に笑う一同。桃太郎は言う。
桃太郎「喧嘩は嫌いなんだ。でも皆を苦しめる本当の鬼みたいな奴が出てきたらきっとやっつけてやるんだ!」
ダン「うん、えらいぞ!」
百子「ももちゃん、私もももちゃんっていうのよ」
トオル「一緒に遊ぼう」
カオル「本当に鬼ごっこしましょうよ」
桃太郎「サンキュー。でも、おじいちゃんとおばあちゃんが待ってるから。さよなら」
その時、ダンのマックシーバーに反応が。「モロボシだ」
MAC基地の白川隊員。
白川「怪獣です、VX103地点から東に向かっています!」
ダン「よし、マッキー2号を回してくれ」

惑星アップルからニワトリに追われて逃げてきた怪獣オニオンは、果物の豊富な秋の地球を襲ってきたのです。
リンゴの枝をむしりとって食べるオニオン。
惑星アップルのリンゴと違ってしっかり普通サイズのリンゴである。

地上では大騒ぎになっていた。
桃太郎「おばあちゃん!おじいちゃん!」
おじいさん「桃太郎!」
おばあさん「どこにいってたんだい?」
桃太郎「僕のように早く逃げないと怪獣がくるよ!」
みんな避難するが、おじいさん達の店はオニオンに荒らされてしまう。
おばあさん「どうすればいいのかねぇ……お店は潰されちゃうし……」
その時、ダンとゲン、白土隊員の乗ったマッキー2号と梶田隊員のマッキー3号が現れる。
ダン「青鬼みたいな奴だなぁ」
ゲン「桃太郎に会ったと思ったら今度は鬼ですか」
ダン「しかし、この鬼は我々が退治しなくちゃならん。マッキー3号!右側面から攻撃用意!」
梶田「了解!」
ダン「撃て!」
攻撃を仕掛けるMACだが、オニオンは蒼い煙を吐いた。苦しみだす隊員達。
鬼の目にも涙、この鬼みたいな怪獣オニオンはタマネギのにおいのする霧を吐いて人間に涙を流させるんだから、ふざけてるねぇ。
さらに調子づいて手にした金棒で家を潰して爆発されていくオニオン。
ゲン「隊長!新兵器を使いましょう!このままだと……被害が広がる一方です!」
ダンはタマネギの霧にやられているらしい。
ゲン「隊長!」
ダン「……よし、やってみよう」
ゲン「よぉーし!」
MACが開発したばかりの新兵器・麻酔弾が今使われようとしています。でも、効くのかねぇ。
マッキー2号の下部から麻酔弾が出てきてオニオンのへそにささる。
そして注射式に中の麻酔が注入されていく。
君、注射好き?この怪獣オニオンも注射は大嫌いなんだ。だからものすごく怒ってしまったんだよ。
オニオンは暴れまわろうとするものの、フラフラして倒れてしまった。
ゲン「やったやったぁー!あははははっ!効くなぁ〜!」
ダン「……効果が早すぎる」
ゲン「思っていたより、強力な武器だったんですよ」
ダン「ゲン……気をつけろ」
オニオンは突然起き上がると両手でマッキー2号と3号を叩き潰した。
「うわああああっ!」


パラシュートで無事脱出したMAC隊員達。
オニオンはMAC隊員達を見つけ、踏み潰そうとする。が、いきなり倒れこむ。
ダン「そうか……やっと効いてきたか……」
梶田「よーし、腐ったタマネギみたいにぶっ潰してやる!」
MAC隊員達はMACガンで攻撃をしかける。
白土「やったぁっ!うん!」
だが、逆上したオニオンは再び霧を吐き出した。
隊員達は丘の上に避難する。
どうした事か、半分しか効果が現れなかったんだねぇ。
ダン「麻酔弾の効果は24時間だ。その間に何とかしないと……被害が続出する」
隊員達の後ろを避難民達が通っていく。その中に桃太郎の姿も。
桃太郎「ちくしょう……!」
桃太郎は憎憎しげにオニオンを見ると走り去ってゆくのだった。
桃太郎には、おじいさんおばあさんの涙がタマネギのにおいのせいじゃないってわかっていました。何しろお店は潰され、果物は全部オニオンに食べられちまったんです。本当は勇敢な桃太郎はおじいさんとおばあさんの涙を見て決心しました。そう、鬼退治です!
おばあさん「桃太郎!」
おじいさん「どこにいくんだぁ!」
子供達も桃太郎の後に続く。
子供「ももちゃん、ごめんよ!僕達も手伝うよ!」
オニオンの元に向かう子供達。
ゲン「危ないぞー!」
ダン「こらーっ!戻ってこーい!」
だが、子供達は煙にやられてしまう。
MAC隊員達は子供達を安全な場所に運ぶ。
ゲン「大丈夫か!?」
桃太郎「おおとりさん、僕約束したよ!皆を困らす鬼が出たら退治するんだって!」
ゲン「MACに任せるんだ!」

だが、鬼退治をするという桃太郎の決心は揺らぐ事はなかった。
桃太郎「僕は桃太郎なんだ……僕は桃太郎なんだ……!」
そこで、桃太郎はお供の者を連れて行くことを思いつく。
だが、犬は大きすぎて連れていく事は出来ずに、猿にも拒否されてしまった。

夕方、ゲンは線路沿いをニワトリを抱えて歩く桃太郎を発見した。
ゲン「桃太郎君!……何だい?そのニワトリ」
桃太郎「キジの代わり」
ゲン「えっ?」
桃太郎「犬も猿も協力してくれないし、キジはいないけど、僕は桃太郎だからね」
ゲン「無茶だよ!」
桃太郎「無茶でも行くんだ!」
ゲン「待てったら!」
桃太郎「おじいちゃんとおばあちゃんが泣いてた。僕、鬼をやっつけるんだ!」
ゲン「……分かった。僕が協力するよ!よーし、二人で作戦を立てよう」

朝。ダン、白土、梶田隊員は黄色いテントを張って泊まりがけで見張っていたらしい。
ダン「もうじき24時間経ってしまう……」
オニオンはニワトリの声にびっくりするが風見鳥だと分かって安心して寝る。
そこにゲンが来る。
白土「おおとりー!どこに行ってたんだ!」
笑顔で空を指さすゲン。
空からはMACの特殊ヘリコプターが大きな桃を運んで来ていた。
ダン「ゲン……まさか……大丈夫か?」
力強く頷くゲン。
桃をオニオンに渡すと特殊ヘリコプターは去っていった。
桃を食べようとするオニオンだが、中からニワトリの鳴き声がしてあわてて投げ捨てる。
地上に落ちた桃が割れて中から武将の格好をした桃太郎とお供のニワトリが出てきた。
桃太郎「えいっ!」
桃太郎は爆発する特殊な弓矢で攻撃を仕掛け、オニオンの左目を潰した。
だが、その時……
白土「あっ、しまった!麻酔が切れた!」
ゲン「桃太郎君!」
駆け出すゲンに梶田隊員は「おおとりーっ!」とヘルメットを投げて渡した。
ダンは白土、梶田隊員に言う。
ダン「援護するんだ!」
白土、梶田「はい!」
ゲンの後に続く二人。
南無弓矢八幡大菩薩、桃太郎は最後に一本残った矢を弓につがえ、ひょうとばかりに……
矢はオニオンのパンツに命中した!ずり落ちるパンツ!
狙いは正確、さぁ困ったのは怪獣オニオン。いやぁ、本当に困るよねぇ。こういう時、君も経験ある?
ゲンや白土、梶田隊員のMACガンによる攻撃。オニオンは桃太郎を狙い始める。
ゲンはレオに変身するのだった。「レオォォォーーーッ!!!」

レオ対オニオンの格闘戦。コミカルなBGMがかかって一風変わった戦闘になっている。
左腕のレオリングから光線、レオスパークを出してオニオンの角を切り取るレオ。
そしてその直後、シューティングビームのような構えでチェインジングビームを発射、オニオンをリンゴの木に変えてしまった。
さらに両腕を発光させ、ビームランプからもう一度光線を出すと、リンゴの木は成長して見事な実をならせた。

桃太郎がMAC隊員を引き連れて宝物にあたる鬼の角を持っての凱旋だ。
鬼の角はおじいさんやおばあさんの神経痛の薬になるんだよ。こんなにたくさんあれば、たくさんのおじいさんやおばあさんが喜ぶぞ。さぁ、犬が後を押す、えんやこら。

本編解説

準備中

・視聴した感想
ある意味伝説にまで上り詰めた今回のお話。
民話ベース、登場人物の陽性化、そして絶妙なナレーションで
そのボルテージはウルトラマンタロウのそれを上回っています。
レオ史上最も明るい、そして最も浮いた話として良くも悪くも語り継がれています。
桃太郎に愉快な鬼、そしてレオもこの話限りの技を使ったり、
まさしく何でもありの話となっています。
俺としては楽しく観れたんですが、初期の雰囲気とは全く違うので拒否される事が多いのも分かるかなぁ、と。
新兵器よりガスで大騒動だったり、フレンドリーな空気だったりでほのぼのなのが目立った今回のMACでした。