ウルトラマンレオ第10話
かなしみのさすらい怪獣

−さすらい怪獣ロン登場−

怪獣出現にMACの攻撃が始まった。
しかしゲンはその怪獣ロンを見て驚き、攻撃ボタンを押さなかった。
ゲンは何故攻撃ボタンを押さなかったのか?ロンの破壊は続く。
どうしたゲン!急げレオ!さぁ、皆で観よう!

地球に向かって火の玉のような隕石が向かっている。
MAC基地ではゲンとダン、青島、赤石が見ていた。
ゲン「すごい大流星ですね」
ダン「うん、地球に着く前に燃え尽きればいいが……」
レーダーをチェックしていた白川隊員。
白川「隊長!流星に生物反応があります!」
ゲン「怪獣でしょうか!?」
ダン「出動用意!」
赤石、青島、ゲン「はいっ!」

地上に落ちた流星。
マッキー2号と3号は調査に向かう。
マッキー2号にはゲンと青島隊員が乗っている。マッキー3号には赤石。
ゲン「あそこだ!」
青島「よーし、接近するぞ!」
接近するマッキー2号。だが怪獣がしっぽで炎を吹く。
青島「うわっ!……怪獣だ。よーし、正体が分かったからには容赦はしないぞ」
ゲン「なーに、今ぐらいの火ではびくともしませんよ。もっと接近して下さい。奴の心臓に一発ぶちこんでやりますから」
微笑みあうと青島隊員はヘルメットのマイクで通信をする。
青島「マッキー3号、あのしっぽに集中攻撃を仕掛けろ!」
赤石「了解!」
マッキー3号はしっぽに光弾で攻撃をしかける。
青島「おおとり、今に奴が顔を出す。狙いは外すな」
ゲン「はいっ!」
苦しみだした怪獣は顔を出して口から高熱の火炎を出す。
赤石隊員はそれを何とか交わす。
青島「奴が振り向いたらすかさず撃て!」
ゲン「はいっ!」
怪獣が振り向いた。
ゲン「………!!!」
ゲンは驚いて攻撃レバーを押す事が出来なかった。
ゲン「何をしているんだ!おおとり!手をどかせ!どかすんだおおとり!」
何とかミサイル光弾を撃つが機を逃したためか全く応えない。
絶好の的だった怪獣に対し、ゲンは何故撃たなかったのか。何故これほど驚いたのか。 真っ赤な炎の中でゲンの心はあの懐かしいL77星に飛んでいた。

砂漠のような地帯。レオが走ってくる。
レオ「ローン!ローン!」
泉で水を飲んでいる小怪獣に気づく。
レオ「何だお前、またここにいたのか。はっはっは!お前なかなか泳ぎがうまいじゃないか!」
小怪獣と戯れるレオ。
あの可愛いロンが生きていた。懐かしさと驚きで、ゲンは呆然としたのだ。
怪獣ロンは失った故郷(こきょう)の星、L77星の動物でレオとは大の仲良しのペットだったのだ。


ゲン「…………」
青島「おおとり!見ろ!」
マッキー2号が撃墜され、続いてマッキー3号も口からの炎で撃墜された。
隊員達は何とかパラシュートで脱出した。
怪獣ロンは土の中へと潜って行った。

MAC基地。帰還するゲン、青島、赤石、桃井、平山。
平山「隊長、ただ今戻りました」
ダン「ご苦労さん。怪獣は地下の火山脈に入り込んだ」
赤石「すると怪獣は次にどこに出てくるか分からないんですね」
青島隊員はゲンに掴みかかって言う。
青島「一発でやっつけるチャンスがあったのにこいつは撃たなかったんです!」
ダン「青島」
止めに入るダン。
青島「隊長!もう我々はこいつと一緒に戦うのは嫌です!」
ダン「……よし分かった。全員次の出動に備えてマッキーの整備にあたれ」
隊員達「はいっ!」
出て行く隊員達。ダンとゲン、二人きりになる。
ダン「……ゲン、L77星の生き残りはお前だけではなかったというわけだ」
ゲン「知ってたんですか……」
ダン「さっき分かったばかりだ」
ゲン「L77星にいる時はおとなしい生き物でした」
ダン「生き残って宇宙を放浪していたらしい」
ゲン「可愛い奴だった……。それがあんなに傷だらけになってしまって……。 よほど苦労したんでしょう……僕には撃てません!」
ダン「甘えだ」
ゲン「甘え……!?」
ダン「お前は撃つべきだった」
ゲン「故郷(ふるさと)を失った悲しみは、誰にも分かりっこありません!」
ダン「一歩間違っていれば、お前もああなっていたというのか?」
ゲン「……あいつにはゆっくりと休む自分の場所もない。帰っていく家もない。親兄弟もいないんです。そんな奴を…」
ダン「MAC隊員失格だな!」
そう言い放つとダンは立ち去った。
ゲンもヘルメットを置いて、去ってゆく。

公園。私服で愛用の白いギターで語り弾き風に星空のバラードを歌うゲン。
そしてカオルとその友達が縄跳びで遊んでいるのを微笑ましく見つめる。
そこに子供の一人の母親が来る。
母「ミコちゃーん、おやつよー」
ミコ「わー、ありがとうママー」
母「たくさんありますからね。皆さんにもわけてあげて」
ミコ「はーい。ねーママー、一緒に遊んでよー」
母「あら、ママはまだ忙しいのよ」
ミコが母に甘える様を見つめているカオル。
子供達「ミコちゃーん!早くー!」
母「ほら、皆さん待ってらっしゃるわ。仲良く遊ぶのよ」
母は行ってしまう。ミコはもらった飴を配る。
ミコ「はい、カオルちゃん」
カオルは飴を全部地面に払い落とすと踏みつける。
カオル「何よこんなもの!」
それに気づいたゲンは止めに入る。
ゲン「カオルちゃん!……どうしたんだい?」
泣いているミコに聞くがそのまま走って行ってしまう。
ゲン「カオルちゃん!そんな事しちゃいけないじゃないか!」
カオル「いいのよ!あんな甘えてばっかりいる子、大っ嫌い!」
ゲン「………」
カオルがなぜこんな事をしたのか、ゲンには痛いくらいよく分かっていた。 ゲンもまた、父や母を亡くしたばかりだったから。幼いカオルの悲しみを前にして、ゲンは言葉も無かった。
そこにミコを連れた百子が来る。
百子「カオルちゃん!ミコちゃんに謝りなさい!いけない事をしたとは思わないの?」
カオル「………」
カオルは百子から顔を背ける。
ゲン「……百子さん」
百子「おおとりさんは黙っていて下さい!さぁ、謝んなさい!」
カオルは何も言わずに走っていってしまう。
百子「カオルちゃん!」
カオルの強情な態度に百子はカオルの頬を叩いて叱りつける。
鉄拳制裁が効いたのか、カオルはミコに謝る。
カオル「ミコちゃんごめんね。カオル、羨ましかったの」
頷くミコ。二人は仲直りした。
百子「よーしっ!仲良く遊ぶのよ?はいっ、ごほうび」
百子からお菓子を受け取ると二人は仲良く他の子供達のもとへと戻っていった。
その様子を笑顔で見つめるゲンに百子は言う。
百子「おおとりさん、何故知らん顔で見てたの?何故カオルちゃんを叱らなかったの!?」
ゲン「しかし……」
百子「寂しいからといって悲しいからといって、何をしていい事なんてないわ。 甘えさせちゃいけないのよ!そんなのは同情にもならないわ!まして本当の愛情があったら、絶対知らん顔なんて出来ないはずよ!」

自室に戻ってきて頭の中で百子の言葉を反芻させるゲン。
さらに、ダンの言葉も。
ダン(奴はもうお前のペットじゃない)
ゲン(僕には撃てません)
ダン(撃つべきだ)
ゲン(撃てません!)
部屋のラジオがニュースを告げる。
「気象庁の発表によりますと東京付近の火山活動が急に活発になっていて、弱い地震が続発しています。 これは先日宇宙から飛んできて地球の内側に入り込んだ怪獣ロンが地上に出る機会を狙って動き回っているせいだと推測されます。東京周……」
ラジオを止めるゲン。その時、部屋を揺れが襲う。地震だ。

山中、震源地付近までMACは来ていた。
マッキー2号、マッキー3号、マックロディーが止まっている。
ダン隊長はマックロディーの中のレーダーを見ていたが、外に出た。
平山、青島、赤石、桃井が集まって来る。
平山「全員集合しました!」
ダン「うむ、怪獣はこの山の前方3キロの地底を移動している。 おそらく次の噴火の時、地上に出てくる。二度と逃げられないようにしなければならん。必ず倒すんだ! 注意しなければならない事は奴が地底のエネルギーを吸収して相当強力な攻撃力を身につけている事だ」
そこでマックカーに乗ったゲンが駆けつける。
ダン「宇宙をまたにかけた怪獣だ。気を引き締めてかかれ!」
隊員達「はいっ!」
隊員達はそれぞれの持ち場に移動しはじめる。
ゲン「隊長!僕も連れてって下さい!」
その言葉に青島隊員が引き返して来て言う。
青島「おおとり!お前と一緒に戦うのは御免をこうむると言ったはずだ!」
ゲン「青島隊員!」
青島「個人的な感情で言うんじゃない。任務を果たすためだ!怪獣を倒すためなんだ!」
そう言って持ち場へと去って行く青島隊員。
ゲン「……隊長!」
ダン「怪獣を攻撃出来るのか?」
ゲン「出来ます!」
ダン「よーし、他の隊員の信用を取り戻したら連れて行こう」
マッキー3号が地上から飛び立つ。
ダン「まっ、今回はここでレーダーの番でもしていてくれ」

火山が噴火する。
マックロディーの中のゲンはヘルメットの通信機を使い、連絡する。
ゲン「隊長!奴が出ます!」
火山の中から出てくる怪獣ロン。
マッキー2号と3号の猛攻が始まった。2号には青島隊員、3号にはダンが乗っている。
流石はMAC、一度見た口からの炎を交わして更に攻撃を仕掛ける。
しかし、しっぽからの光線でマッキー2号は炎上、続いて3号も同じくしっぽからの光線で落とされてしまう。
ダンはパラシュートで脱出するが火がパラシュートに燃え広がってしまう。
何とか危機を逃れるものの、MACは危機に陥っていた。
ゲン「くそぉーっ!」
マックロディーを駆り、真紅の若獅子をBGMにゲンはロンに向かって駆け出した。
車体前部のミサイルで応戦、接近して地雷の散布と猛戦した。
だが、ロンはマックロディーにのしかかってゲンを押しつぶす!
ダン「ゲン!」

次の瞬間、ロンの目の前に現れたのはウルトラマンレオだった。
同じ獅子座のL77星で育ち、大の仲良しであったものが、今は一方は悪人としてもう一人はその悪人と戦う使命を帯びて向かい合っていた。
レオは空を指して宇宙へ帰れとジェスチャーする。
ロンはそれに頷く。
だが次の瞬間、レオにしっぽで攻撃を仕掛けてきたのだ!
主題歌インストゥルメンタルをBGMにやむなくレオは格闘で応戦する。
ロンは目からも光線を出してくるがレオはそれを軽々と避けて投げ飛ばす。
それを受けてロンは戦意喪失。レオは近づいてロンの頭に手を置くと縮小光線を出し縮め、手の中に収める。
そして更にビームランプから光線を出し、小さなロンに……。
レオは怪獣ロンを昔のように小さくした。それは今はないL77星での平和な生活をまた与えてやりたいと願うレオの最後の友情であった。
小さくなったロンを手に、レオは飛んでいった。

紙風船で遊ぶカオル達。
そこにゲンと百子が来る。
ゲン「カオルちゃーん」
カオル「あっ、おにいちゃーん!」
ゲン「カオルちゃん、お友達を連れてきてやったよ、ほら」
ゲンの腕に抱えられているのは一匹の子犬だった。
カオルに子犬を抱かせるゲン。
カオル「わぁー、かわいいー」
ゲン「ロン、っていうんだ。可愛がってね」
カオル「えっ?私にくれるの!?」
ゲン「うん!」
カオルは喜んで子犬を友達に見せに行く。
ゲンは笑顔でそれを見送る。
百子「ねぇ、おおとりさん。もっと他にいい名前はないの?」
ゲン「ん?」
百子「ロンってあの怪獣でしょ?」
ゲン「うん。……でも本当は、いい奴なんだ」

星空のバラード(二番)をBGMに子犬と戯れるカオル、百子、そしてゲン。
ようやく平和が戻ったのだ。

本編解説

準備中

・視聴した感想
序盤の名作。
L77星の生き残り同士の戦いです。回想シーンも見られます。
MACの出番も多く、かっこいいです。
特にマックロディーの地雷はこの話でしか見られません。
星空のバラードを作中で歌うところは最高です。
ロン……何つーか酷い……信じてたのに!。・゚・(ノД`)・゚・。
前の話のギロ星獣もそうでしたが第1期ウルトラだと確実に殺してましたね、きっと。
ああいう融通が利く光線とかは第2期ウルトラ特有のものですから。
言わずと知れたラストシーン。
40話から先に見た俺としてはものすごぉく複雑でした。