ウルトラマンレオ第7話
美しい男の意地

−地獄花・剣輪草 怪獣ケンドロス登場−

地球に芽生えた宇宙の美しい花。不思議な植物の正体は何か!?
花を武器とする怪獣ケンドロスの陰謀に愛する心を守るために、
我らがヒーローウルトラマンレオが立ち上がった。さぁ、皆で観よう!

地球侵略を狙う怪獣ケンドロスがその日も遥か宇宙の彼方から様子を伺っていた。
そして何かを地球に向かって吐き出した。
地球の人々の常識では計り知れない事件が今、飛んでゆくのだ。


スポーツセンター前に落ちた何か。
それは太陽の光を受け、芽を出し、花を咲かせた。

カオルはその花を見つける。
そこにゲンが来る。
ゲン「カオルちゃん♪……!?」
ゲンは宇宙人としての超能力でこの花が地球の植物でない事を知った。
ゲン「捨てるんだカオルちゃん!その花を捨てるんだ!」
カオル「嫌!」
そこに百子も来る。
百子「どうしたのおおとりさん?」
カオル「おねえちゃーん」
ゲン「その花を捨てさせるんだ!」
百子「何故?」
ゲン「何故って……」
言いよどむゲン。百子はカオルの持つ花をよく見る。
百子「珍しい花ねぇ。綺麗だわ」
カオル「私、お父さんとお母さんの写真の前に挿してあげようと思ったの」
百子「そう、もういいのよ。行きなさい」
去ってゆくカオル。
ゲン「カオルちゃん!」
百子「おおとりさん」
ゲン「あの花は……!」
百子「珍しい花だわ」
ゲン「……毒かも知れない」
百子「あんなに綺麗で匂いもいい花が?ふふふっ」
カオルのもとに走り出そうとするゲン。それを止める百子。
百子「おおとりさんって本当にロマンチックじゃないわね。その上、女の子の気持ちも全然分からないんだわ」
ゲン「しかしあれは!」
百子「女の子は誰でも花は好きよ。だから毒なんてないって直感で分かるわ。 道端の花にも目をとめるような優しさがなければいくら強くてもダメだと思うわ」
ゲン「……僕はただ……」
百子「私言いすぎたかしら?ごめんなさい」

MAC基地。
ダン「バカモン!何故無理矢理にでもその花を取り上げ処分しなかったんだ!」
ゲン「宇宙からのものであるという事は分かります。しかしそれが必ずしも害があるかどうかははっきりしません」
ダン「……ケンドロス星にある剣輪草に似ている」
ゲン「剣輪草?」
ダン「成長しきると金属のように固くなるんだ。毒は無いがその花を武器に使う怪獣がいると聞いた事がある。とにかく処理するんだ」
ゲン「カオルちゃんが……両親の写真に供えた花をですか!?」
ダン「地球のためだ」
ゲン「地球は守ります。しかし花の美しさや鳥のさえずりを楽しむような人間にもなりたいんです」
ダン「命令だ」
ゲン「もし万一怪獣が来ても……花を使う前にやっつけてしまえば……」
ダン「命令だ!!!」
ゲン「………」
熱い瞳を見交わす二人。
そこへ白川、桃井隊員が花束を持って来る。
白川「隊長、綺麗でしょ?」
ダン「………」
花束に一瞥するとダンは言い放つ。
ダン「ゲン、来るんだ」

ダン「毒があるのは我々の方かもしれん。地球の子供が単純に美しいと見る草花も、我々が見ればその正体が見えてしまう。 多少、嫌がられたり憎まれたりしても怪しいものをどんどん処理していくのが我々の使命だ」
ゲン「しかもそれで……女の子の優しい心を踏みにじるような事があってもですか……?」
ダン「そうだ。そのくらいの事では女の子の優しさは無くなったりはせん。何も起こらんかもしれない。 しかし何かが起きたら……取り返しのつかない事になる」

夕暮れの道。カオルが身を寄せている百子のアパートへと走るゲン。
写真の前の花が……不気味な光を発して回りだした。
そして部屋中を駆け巡り窓ガラスを割って外に出て帰ってきた百子とトオルとカオルを襲ったのだ。
何とかそれをやり過ごすが花は夕暮れの空を飛んでいった。花は遠くにいる怪獣が遠隔操作していたのだ。
それを見たゲンは叫ぶ。
ゲン「しまった!」
そして変身する。「レオォォォーーーッ!!!」

花を追って飛び立つレオ。

MAC基地。通信が入る。
ダン「こちらMAC本部」
男性隊員「こちらマッキー3号怪獣を発見」
ダン「場所は!?」
男性隊員「東京BX203地区です」
ダン「よし分かった!」

レオの苦労空しく、花は怪獣ケンドロスの手に渡ってしまう。
夕暮れの中、レオと怪獣との対決が始まった。
頭についた花を回して旋風を巻き起こし、指先から光弾を出し、花びらをブーメランのように飛ばす怪獣。
レオはとうとう当たってしまい、倒れてしまう。
怪獣は花びらを茎に戻すと丸まってレオを下敷きにしてしまう。
そこで来たのがマッキー3号に乗ったダン。
ダン「レオ……立て、立つんだ!」
ダンの援護射撃により、怪獣ケンドロスは撤退。
レオとマッキー3号も空に飛んでいった。

城南スポーツセンター。
百子とトオルとカオルがいる。
そこに満身創痍のゲンが帰ってくる。

MAC基地。
ケンドロス対レオの写真のデータを見るダン。
その攻略法は……!?

ゲンの部屋。百子とカオルがゲンの看病をしている。
百子「おおとりさん、あの花と戦ったんでしょう?」
カオル「ごめんなさい、私がいう事をきかなかったものだから……」
百子「おおとりさん、ごめんなさい…」
ゲン「百子さんもカオルちゃんもちっとも悪くないんだよ」
百子「だって…!」
ゲン「花が悪いんじゃない、花を操っている怪獣が悪いんだ」
ゲンは起き上がるとマックスーツ、そしてマックジャケットに袖を通す。
百子「おおとりさん!まだ寝てなきゃダメだわ」
カオル「お医者様が言ってたわ。一週間はおとなしくしてるようにって」
ゲン「大丈夫、大丈夫。こんなのかすり傷だよ」
百子「でも…」
ゲン「花を操る怪獣がいつまた出るかもしれないから。では、いってきます!」
百子「おおとりさん……」
カオル「お兄ちゃん……」
ゲン「カオルちゃん、今度の休みには花をつみにいこうか。珍しい花をいっぱい」
カオル「うん!」

走るゲン。
そこでマックカーに乗ったダンが迎えに来る。
ダン「乗れ!」

ある場所に向かって走るマックカー。
ダン「私の恐れたとおりになった。レオが倒れた後、怪獣は東北に向かった。仙台地方に被害が続出している」
ゲン「申し訳ありません」
ダン「総出動したMAC機も全部叩き落された」
ゲン「それは……」
ダン「謝らんでもいい!言い訳もいらん」
ゲン「仙台へ飛びます!」
ダン「怪獣は花と合体する前なら、MACでもやっつける事が出来た。しかし今は無理だ。 今仙台に飛んで勝てるのか?飛んでくる花弁をどうする?自信はあるのか?」
ゲン「………」

ついたのは前回ジープ特訓した砂地だった。
ダンはマックカーからブーメランを取り出した。
そして次々とゲンに向かって投げつける。
主題歌インストゥルメンタルと共に特訓がはじまったのだ!
いくつかはじき落とすがあまりの激しさに倒れてしまうゲン。
ゲン「隊長!」
ダン「男は外に出て戦わねばならん、何のためだ!その後ろで女の子が優しく花を摘んでいられるようにしてやるためじゃないのか!? 男まで女の子と一緒になって家の中でままごとばかりしていたら一体どうなる!立て!!」
再開される特訓。だがもはやゲンにブーメランを払う気力はない。
そこにダンの怒声が飛ぶ。
ダン「いくじなし!!!」
ゲン「!?」
気づくとゲンは飛んでくるブーメランを手で掴んでいた。何かを閃いたか。
だが、その時ダンのマックシーバーに通信が。
ダン「モロボシだ。……何!?よし分かった、すぐ戻る」
ゲン「隊長!」
ダン「ケンドロスだ。東京に向かっている。二時間後には東京は襲われる!」
ダンはゲンを残しマックカーで戻っていった。

川辺。ゲンは猛と百子を相手にブーメラン特訓を再開していた。投げつけられるブーメラン。
百子「おおとりさん!もうやめましょ!猛、もうやめて!」
ゲン「やめるな!もっと投げろ!」
特訓は激しい物となった。その末についにブーメラン攻略法を見出す事が出来たのだった。
その時、空からケンドロスが街に飛んでいった。
ゲン「よーし!」
ゲンは走り出した。

街に降り立ったケンドロスは破壊活動を始める。逃げる人々。
マッキー2号、3号が来る。2号には黒田、青島が、3号には赤石、桃井が乗っている。
黒田「攻撃!」
青島「はい!」
ロケット弾で攻撃を仕掛けるが、ブーメラン攻撃を受け、機体は火に包まれてしまう。
赤石「脱出!」
無事MAC隊員達はパラシュートで脱出する事が出来た。
なお破壊活動をやめない怪獣。
走って来たゲンは変身する。「レオォォォーーーッ!!!」

主題歌をBGMに登場するレオ。
ケンドロスの両腕を引きちぎりロケット弾を封じ、飛んできた花びらも手刀で打ち落とし、 自らブーメランとなる技・ボディーブーメランで茎を折って花を封じる!
激しさのあまりレオのカラータイマーは点滅していたが格闘の末、勝利する事が出来た。

MAC基地。それをモニターで見ていたダンの顔にも安堵の表情が浮かんだ。

後日、花畑で楽しむ百子とカオル、そしてゲンがいた。

本編解説

準備中

・視聴した感想
これから多く散りばめられる事となる花の話第1弾。
宇宙人としての眼力は地球のそれとは全く別のようです。
うーむ、宇宙人は皆共通の超能力でも持っているのでしょうか。
ブーメラン。何はともあれブーメラン。痛そう。
夕暮れの対決は綺麗でした。
MACは……やはりやられるためだけに出てきて……。