夜のスポーツセンター。
カオルの兄のトオルがゲンに雲梯(うんてい)の指導を受けているところから今回の話は始まる。
カオル、百子、猛、大村、そしてトオルとカオルの父が見守る中、トオルは雲梯を披露するが、
父の声に気が散ってしまったのか途中で失敗して落ちてしまう。
ゲンが父に「静かにして下さい」と注意を促し、再挑戦。
トオルはそれで何とか成功させることが出来た。
それを見て父は自分のことのように喜ぶ。
その後、帰路につく親子の背中を見て。
百子「うらやましいほど仲のいい親子ね」
ゲン「お父さんも大変だ、亡くなったお母さんの代わりもやってるんだな」
親子が仲良く歌を歌いながら帰っている途中。
尋常じゃない猫の唸り声が闇の中から聞こえる。
カオル「お父さん、怖い」
梅田父「お父さんがいるから大丈夫だよ。さぁ、行こう」
再び歌を歌って歩き始める三人。だがその時、フェンスの上に怪しい人影が降り立った。
そしてその一瞬の後、その人影は突然父に襲い掛かったのだ!
梅田父「うわあああっ!!!」
次の瞬間、父の身体は押していた自転車ごと真っ二つになり、二人は自転車の下敷きになる。
人影は歩いてきてトオルの前にプレートを置いて飛び去っていく。
トオル「お父さん!」
トオルは自転車を跳ね除け、父の死体に駆け寄るのだった。
スポーツセンターの窓が叩かれる。大村がカーテンを開けるとトオルとカオルの梅田兄妹が。
玄関にまわる大村だが、何も言わない二人を前にゲンを呼ぶ。
ゲン「どうしたんだ?トオル君……。どうしたんだ?お父さんは……」
そこまで言ってゲンは気づく。
ゲン「……そうか!お父さんに何かあったんだね!?そうだろ!」
トオルは重い口を開く。
トオル「おおとりさん……父さんが……父さんが殺されたんだ!」
二人は堰を切ったように泣き出してしまった。
ゲン「トオル君!詳しく話すんだ!」
ゲンがさらに詳しいことを聞くとトオルはポケットの中からプレートを出し、地面に投げつけた。
トオル「こいつが……こいつが父さんを殺したんだ!……ちくしょう!」
トオルに踏みつけられているその青いプレートにはある者の顔が模られていた。その者とは……。
ゲン(……ウルトラマンレオ!?……何だこれは……。)
大村「とにかく警察に連絡しなくちゃ!中に入って、中に入って」
三人はスポーツセンターの中に入っていく。ゲンは一人そのプレートを握り締めるのだった。
犯人の落としたウルトラマンレオの意味するものは何か?
それはゲンによって予期せぬ恐ろしい事件の始まりであった。
三日後の夜、降りしきる雨の中、ゲンは鈴木隊員とトオル兄妹を訪ねたのだが……
大村は独身のため料理が出来ずに梅田兄妹とは折り合いが悪いのだという。
猛の方はは弟がいるから梅田兄妹は引き取れないと言う。
百子「おおとりさんが私のところがいいって言うんですけどね」
そんな感じで話し合っていると、鈴木隊員がふと思いついたように言った。
鈴木「そうか、ねぇどうだろう、僕の家に来ては」
ゲン「鈴木隊員の家へ?」
鈴木「うん、うちには女房も居るしそれにとても子供好きだから喜ぶと思うよ。
ああ、おおとり君も泊まりに来るといい」
ゲン「しかし、鈴木隊員にまで迷惑をかけては……」
鈴木「なっ、おおとりさんも来てくれるならいいだろ?」
トオル「うん」
こうしてトオルとカオル兄妹は鈴木隊員に引き取られることとなった。
鈴木隊員とトオルとカオルがマックカーで自宅に向かう帰り道……。
突然、前にあの人影が飛び出してくる。鈴木隊員はドアを開けて外の様子を見る。
鈴木「あっ!?なんだこりゃ!……あっ、うわぁっ!」
次の瞬間には鈴木隊員はドアもろとも真っ二つに。
人影は再び死体の前にプレートを置き飛び去っていく。
パトカーのサイレンが鳴り響く中、MACは鈴木隊員の殺害現場の検証を行う。
黒田「おおとり……」
ゲン「あの兄妹を見て下さい……あの兄妹や鈴木さんの奥さんのことを考えるといてもたってもいられませんよ!……この仇はきっと俺がとってやる!」
怒りに燃えるゲンの前にダン隊長が現れる。
ゲン「隊長!」
ダン「ちょっと来い」
ダンは鈴木隊員のそばに落ちていたプレートをゲンに渡して言う。
ダン「宇宙金属だ」
ゲン「宇宙金属?」
ダン「そうだ」
ゲン「じゃあ、この事件は宇宙人!」
ダン「レオの名を騙って地球を侵略しようとしている挑戦状だ」
ゲン「くそう……敵はまだこの近くに!」
走り出そうとするゲンを杖で制するダン。
ダン「慌てるな!今頃こんなところに居るもんか。……それより車を見たか、ドアが真っ二つだ。
容易ならざる技を持つ相手だ。正体がはっきりするまで追ってはならん」
ゲン「しかしそのためにまた人が!」
ダン「私に考えがある、いいと言うまで絶対に手を出すな」
そう言うと事件現場に戻っていくダン。ゲンは手の中のプレートを握り締めるのだった。
MAC基地。
黒田「じゃあ、明日の朝までよろしく頼む」
青島、赤石「了解!」
二人はドアを出て行く。
黒田「じゃあ、俺達はベッドで一眠りだ。なっ、おおとり」
ゲン「はい」
ゲンはヘルメットを置いたところでダン隊長の不在に気づく。
ゲン「隊長は?」
桃井「さっきまでそこで地図を調べてましたがちょっと出かけてくると言って……ついさっき」
ゲン「こんな時間に?」
桃井「ええ…」
白川「これでもう三日目なんです。毎晩、夜になると出かけていくんです。隊長、どうしたんでしょうかしら」
ゲン「毎晩?」
ゲンはデスクに広げられている地図を慌てて見る。五つ×で印がしてある。
ゲン「1番、2番、3番、4番…これは昨日の現場じゃないか!」
連続殺人事件に人々はおびえ人影の絶えた深夜の街に、敵の正体を探る杖の音が響いていた。
ダンの鋭い目は闇に潜む黒い影を待っていた……。
歩くダン隊長の後、ガードレールの向こう側から忍び寄る人影。
その人影は突然、ダン隊長の前に跳んで来ていきなり両手の刃物で斬りつけた!
間一髪それをかわすダン隊長だが標識が真っ二つに。
星人の刃に対しダン隊長はとっさに杖で応戦する。
ガードレールも、ダン隊長が投げた金属の棒のようなものも切り裂かれてしまった。
そこにゲンが駆けつける。
ゲン「隊長!」
しかしダン隊長は「ゲン、どけ!」と、ゲンの頭を杖で殴って気絶させた。
そして杖を星人の顔面めがけて投げつけた!杖は目に見事命中し、苦しむ星人は退散する。
スポーツセンターの自分の部屋で目覚めるゲン。
ゲンは起き上がり、空手の指導を受けているトオルを見つめるダンの元に向かう。
ゲン「隊長!ひどいじゃありませんか!」
ダン「何だ」
ゲン「隊長のピンチを助けようとした俺を殴るなんて!」
ダン「分からん奴だな、ああしなかったらお前は死んでいたんだ」
ゲン「そんな!」
ダン「私の言いつけを無視して何故そう死に急ぐ!?
……奴はツルク星人、自分の両腕を刃物に変えている。まともに戦ったら勝てる相手ではない」
ゲン「しかし隊長はどうやって!?」
ダン「何とか追い払うことは出来たが、この次は分からん」
ダン隊長はそう言うとトオルに視線を移す。
ダン「ゲン、あの子の目を見ろ……。
……あの子はかつてお前が自分の星を全滅された時の気持ちと同じだ。
あの子の事を思うなら慎重に行動をしろ!」
そこでMACから連絡が入る。ダンは腕のMACシーバーで通信をする。
ダン「モロボシだ」
白川「東京BX方面に宇宙人が現れました!」
ダン「よし、ただちに出動!」
ゲン「隊長!」
ダン「ツルク星人だ!」
東京の街を襲う怪獣形態に巨大化したツルク星人。
MACはマッキー1号、2号、3号、ファントム、マックロディで応戦。
ゲンはマッキー3号に搭乗。
ゲン「よし、俺がやる!」
攻撃をしかけるがほとんど効果はなく、ファントムが落とされてしまう。
ゲン「……くっそぉっ!」
マッキー1号のコクピット内。ダンと赤石、桃井と白川が乗っている。
ダン「全機引き上げだ!」
赤石「隊長!」
ダン「引き上げだ」
赤石「…はい、全機に告ぐ!退却せよ!」
MAC基地。
ゲン「隊長!一体市民は何と言ってるか知っていますか!?」
ダン「分かっている」
ゲン「腰抜けだの卑怯者だのと言われて悔しくないんですか!?幸い星人も引き上げたからいいようなものの……」
ダン「黒田、全機のスピードを倍にするようにエンジンをチェンジしてくれ」
黒田「はい!赤石行くぞ!」
赤石「はい!」
ダン「他の者は次の出動に備えて待機だ」
隊員は全員退席し、ダンとゲンの二人だけに。
ゲン「隊長!隊長にはトオル君兄妹や残された鈴木隊員の奥さんの悲しみが分からないんですか!」
ダン「悲しみか……」
ゲン「僕達、宇宙人にだって涙があります!」
ダン「ゲン、私はお前の涙など見たくはない。今や事態は甘くないんだ。
MAC全機のスピードを倍にしたところで星人に勝てるはずはない。大事な隊員のためだ」
ゲン「隊長……」
そうなのだ、ダン隊長は隊員の生存率を少しでも上げるためにエンジンチェンジの命令を下したのだ。
ダン「星人に勝つ方法はただ一つしかない……ウルトラマンレオだ」
ゲン「それじゃ、あの時でも!」
ダン「慌てるな!……今のお前の技では勝てない。夕べ、私が何故お前の頭を打ったか分かるか?
左右の手刀(てがたな)が二段攻撃でお前の首を狙っていたんだ!」
ゲン「二段攻撃?」
ダン「その技に勝つ手は一つだ……これからお前はそれを覚えるんだ」
林の中で瓦やレンガを拳で割る稽古着姿のゲン。
ダン「一つの技には一つの技で勝てる。だが、二段攻撃には三段攻撃しかない!」
言うが早くゲンに向かって杖を振り上げるダン隊長。ゲンは何とか避けていくが腹に一撃受けてしまう。
ダン「これが奴の三段攻撃だ」
気づくとゲンの黒帯が外れている。
ダン「避けていては奴には勝てん。二段攻撃をかわして、更に攻撃しなければならん。
絶対に避けてはいかん。相手の左右攻撃は自分の左右で防ぐんだ。残る一つの攻撃は……足だ!」
ゲン「はい!」
主題歌をバックにゲンはゴムを足に結び付けてキックの特訓。
ダン「いいか、自分の命は自分で守らねばならん。
しかしそのために多くの命を犠牲にすることは許されん。
ゲン、お前は必ず勝たねばならんのだ」
ゲン「はい!」
MAC基地。溶けたウルトラアイを見つめるダン隊長。
ダンは悔しかった。
マグマ星人との戦いに敗れさえしなければゲンにこれほどの苦しみを負わせる事もなかったのだ。
その時、階段から足音が聞こえてくる。ダン隊長は慌てて懐にウルトラアイを隠す。
黒田「隊長!エンジンのチェンジが完了しました」
ダン「ご苦労。君も出動に備えて待機したまえ」
黒田「はい」
ダン(彼らはまだ私を信じている……エンジンをチェンジすることで勝てると思っている……)
ゲンは木を敵の手刀に見立てその攻撃を受ける修行をしていた。
ゲンの特訓は続いた。敵の二段攻撃に勝つ技は何か。
ゲンの心は焦った。焦れば焦るほど無駄な努力は続いた。
そして、ゲンとダンの恐れる時がやってきた。
MAC基地。
レーダーに反応が。
白川「東京BX105地区に星人発見!」
モニターを凝視するダン隊長の前に勇ましく並ぶMAC隊員達。
黒田「隊長!準備完了です!」
ダン隊長は隊員達の顔を見て勝ち目のない戦いに隊員達を追いやることに躊躇したかに見えたが
やがて決心したかのようにこう言った。
ダン「出動!」
東京都市部。
ツルク星人、街を破壊する。ビルを蹴り倒し、両手の刃でビルを真っ二つに。
それを迎撃するMAC。マッキー2号、3号、そしてファントムが出動する。
しかし奮闘空しく刃を受けてファントムが火花を吹いた!
パイロットの隊員の断末魔と共に墜落するファントム!
それを見たゲンは技が完成していないのにとうとう変身してしまう。「レオ!」
トオルとカオル、百子と猛は星人と対峙するレオの姿を見上げていた。
主題歌をバックにレオは得意の格闘で立ち向かうがツルク星人の刃の前に成す術がない。やがて、胸のカラータイマーが赤く点滅を始める。
ウルトラマンレオの命は地球では2分40秒。
しかし今、レオの命はあと数秒となってしまった。
レオは……レオは一体どうなるのか!?
ツルク星人の刃を受けて海の中に倒れこんでしまうレオ。
そして……胸のカラータイマーの点滅が、止まった。
本編解説
・トオル初登場
スポーツセンターの人々と父が見守る中、ゲンに指導を受けるトオル。
この時はインストラクターとその教え子という関係であるが、
以後それが次第に身近に、そして親密にと変貌してゆく。
とはいえ、基本的に二人の関係は教える立場と教わる立場。
トオルは「成長」がメインテーマであるウルトラマンレオにおいての最重要人物である。
彼もまた、逆境の中ゲンと共に一年間戦い続けるのだ。
・奇怪な通り魔・ツルク星人
日も暮れきった時に闇に紛れ帰宅途中の梅田親子を襲う。
フェンスに飛び乗り強襲する、その登場シーンはあまりにも突然。
両手の刃が光ったかと思うと父の身体は真っ二つに跳ね飛ぶ!
次に映し出されたのは斬られた自転車の下で倒れているトオルとカオル。
星人はトオルの前に降り立つと青いプレートを投げて飛び去る。
そのプレートはウルトラマンレオの顔を模ってあった。
ツルク星人がレオに似たフォルムだという事も手伝ってか、
トオルとカオルは父を殺したのはウルトラマンレオだと思い込むのだ。
・逆境に見舞われ続けるレオ
本作ウルトラマンレオの特徴の一つに、度々訪れる大きな悲劇があげられる。
ゲンやその周りの人々に絶望的な受難が降り注ぐのだ。
L77星全滅、そして今回の梅田兄妹の父惨殺が代表的な例である。
障壁無くして成長は殆ど見込めない。
だがその障壁が凄まじいので序盤の話は特に異常なテンションを見せる。
もう少し後の年代に作られたら父が殺されトオルがプレートを踏みつける
あのシーンまでを導入部に使ってその後、オープニングテーマが流れたかもしれない、
などと思った。個人的に。
・鈴木隊員、殉職
MAC最初の殉職者である鈴木隊員。
スポーツセンターの人々で梅田兄妹の引き取り先が話し合われる。
子供好きの奥さんがいる鈴木隊員は二人を引き取る事に決めた。
だが、やはり帰宅途中にツルク星人の凶刃を前に殉職してしまうのだ。
マックカーのドアをも真っ二つにしてしまうツルク星人の刃も恐いが、
真っ二つに切断された鈴木隊員の身体があまりにも鮮烈すぎる。
梅田兄妹の父もそうだが、身体の切断面はしっかりと真っ赤でリアルだ。
ちなみに鈴木隊員は首も切断されているように見えるという声もあったが間違い。
暗くて分かりにくいかもしれないが首はしっかりついている。
鈴木隊員役の鹿島信哉氏はウルトラシリーズに脇役として度々出演していた。
エース序盤ではTACの通信隊員として登場した事もある。
変わった所ではタロウのテンペラー星人編でのゾフィーの声優である事が上げられる。
レオでもこれからずっと後の第45話に再登場するのだが……。
・MACと警察の調査活動
現場検証の場にはMACの他に警察も出てきている。
トオルとカオルに事情徴収をしている所を見ると、
殺人事件としての調査報告をまとめているのだろう。
犯人が星人だと判明してるのでMACに管轄が移っていると考えられる。
以後も時々怪事件に警察は調査をしに来ている。
MACと警察、そして防衛軍は共同戦線を張る事もあるのかもしれない。
・星人の目的とは?
ダンはツルク星人の目的は地球侵略だと言う。
だが星人の行動はそうとらえるには違和感がありすぎる。
何しろ、通り魔行動を繰り返しているのだ。
侵略計画を遂行する知的な侵略宇宙人とは根本的に行動原理が違う。
ダンが侵略と予想したのはセブンの時代の経験からだろう。
ウルトラ警備隊在籍時には地球を狙う宇宙人の目的は地球侵略だったのだから。
だが、本作で襲い来る星人達は何かが違う。
ツルク星人の場合、ゲンの関係者以外にも被害者が居ると思われる事から、
(MACにあった地図には少なくとも5つは事件現場を示す印が付けられてた)
ゲン=レオへのあてつけだと考えても疑問が残る。
そもそもゲンがレオであると知っているかすら怪しいのだから。
なので一番納得の行く答えは快楽殺人、だという事になる。
その奇怪な行動原理は地球人の我々には計り知れないのかもしれないが……。
明確な理由もなく犯行を繰り返す姿は近年の通り魔殺人鬼を彷彿とさせる。
・ダン隊長対ツルク星人
ダン隊長の後ろから忍び寄るツルク星人は怪しげである。
星人の刃とダンの杖、深夜の格闘戦はスピード感たっぷりの撮り方だ。
道路標識やガードレールが真っ二つになるシーンもあり、
特撮面でも目を見張る場面でもある。
それにしてもあの杖はどのような材質で出来ているのだろうか。
恐らくはMACの技術を駆使して作り上げた杖なのだろう。
以後、様々な攻撃が杖から繰り出される所を見る限りは。
・MAC対ツルク星人
巨大化したツルク星人が東京の街中で暴れまわる。
そこにMACが全力で迎撃に向かう!
MACのテーマをBGMに勇ましく飛んでくる戦闘機!
マッキー2号、3号、マックロディー、そしてF−4EJファントム改が攻撃に出る。
ファントムはこの話のみに登場する珍しい機体である。
碌に攻撃もせずに撃墜されてしまったのはご愛嬌。
そして星人に攻撃こそ仕掛けなかったが司令部としてマッキー1号が発進している。
一瞬しか写らなかったのが残念だが。
これ以後、マッキー1号が発進する事は無かっただけに悔やまれる。
他に特記するべきはゲンがマッキー3号に乗って迎撃している事。
ゲンが単独で戦闘機に乗って戦うのは実は比較的珍しい。
序盤では特訓のためにMACとは別行動を取る事が多く、
戦ったとしても二人でマッキー2号に搭乗したり、
地上でマックロディーや格闘戦などが圧倒的に多い。
単独機で戦ったのは他には第30話くらいかもしれない。
・マッキー全機のスピードを倍にする理由
ダン隊長はエンジンの換装を副隊長の黒田隊員に命じる。
副隊長は戦闘機の整備の指揮も行っているのか。
黒田隊員が元々メカニックに強いのも若干影響しているのかもしれないが。
だが、これは星人に勝つための換装ではない。
何と隊員達の生存率を上げるための措置だったのだ。
ダン隊長は隊長なりに鈴木隊員を殉職させてしまった事を気にかけているのだ。
だからせめてこれ以上隊員を死なせる事がないように措置をとる。
かなり有能なエンジンらしく換装後はマッキーは一機も落とされてない。
今まで換装を行わなかったのは恐らくコストの問題であろう。
それだけ高性能なエンジンを動かすには相当のエネルギーが必要に違いない。
だから恐らくツルク星人戦が終わった時、ノーマルエンジンに戻された事だろう。
・二つの刃の二段攻撃に勝つためには
ダン隊長は言う、二段攻撃に勝つのは三段攻撃しかないと。
二段攻撃は自分の左右の腕で受けて足を使って相手の上を行けと。
ゲンは相手の二段攻撃を防ぐ、そして脚力を鍛える修行を行う事に。
・MAC一斉出撃
とうとうツルク星人出現。
ダン隊長は苦悩しつつも宇宙パトロール隊のメンバーに出撃命令を下す。
MACの力ではツルク星人に勝つ事は出来ない。
それが分かってしまっている故の苦悩だ。
凶悪な星人が立て続けに現れる終末ムード満開な序盤では、
ダン隊長の苦悩が強調される事が多かった。
今回も出撃した二機目の支援戦闘機ファントムが落とされてしまう。
火花を吹くファントムのコクピットの中でパニックに陥る隊員。
背番号5番だから青島隊員なのだろうか。
だとしたら運良く奇跡的に生き残った事になる。
これはともあればミラクルマン並の運の良さだろう。
・レオ変身!
ファントムの墜落にゲンは変身する。ツルク星人と対峙するレオ。
戦闘に入る直前に凝ったカメラワークで緊張感を演出している。
間合いを取るようなこの動きは以後も度々使われる。
しかし三段攻撃が完成していないのに勝てるはずが無い。
たちまちピンチに追い込まれてしまう。
袈裟懸けに斬られて水中に没するウルトラマンレオ。
何と点滅するカラータイマーも止まってしまったのだ。
レオは……死んでしまったのだろうか!?