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自己制御性

原子炉の中では、核分裂が起きています。核分裂を起こすには、中性子のスピードを減速させる減速材が必要です。また、核分裂によって発生した熱を取り出す冷却材も必要です。日本の原子炉(軽水炉)では減速材と冷却材に「水」を使用しています。軽水炉の場合、核分裂が盛んになって出力が上昇しても、燃料や水の物理現象によって核分裂が抑制されます。この働きを「自己制御性」といいます。

日本の原子炉は、あらかじめこの自己制御性をもつように設計されており、原子炉が暴走することは現実的に考えられません。自己制御性は、ドップラー効果とボイド効果という2つの物理現象から成り立っています。

5重の壁で放射性物質を閉じ込める

原子力発電所では、どのような場合においても放射性物質を閉じ込め、外へ出さないしくみになっています。それが「5重の壁」です。

5重の壁(沸騰水型BWRの場合)
  • 第1の壁 ペレット
  • 第2の壁 被覆管
  • 第3の壁 原子炉圧力容器
  • 第4の壁 原子炉格納容器
  • 第5の壁 原子炉建屋

原子力発電所で発生する放射性物質のほとんどは、ウラン235が核分裂した際に発生します。これらは密閉された燃料棒の中で起こるため、ほとんどの放射性物質はペレットの中に閉じ込められます。またはペレットから出た放射性物質とペレットを覆う被覆管によって放射性物質は燃料棒の外に出ません。

万が一の場合にも、放射性物質の外部への放出を防ぐため、その外はさらに原子炉圧力容器、原子炉格納容器、原子炉建屋で囲まれており、放射性物質を閉じ込め、外へ出さないようにしています。

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