津波想定・対策が被害拡大も
K10037797011_1106270518_1106270519
NHKニューストップへ
※ すべての機能を利用するには、JavaScriptを有効にしてください。

津波想定・対策が被害拡大も

6月27日 5時8分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

地震と津波の対策を検討する国の専門調査会は、26日にまとめた中間報告で、3月の大津波では国の想定や防災対策がむしろ被害を拡大させた可能性もあるとして、これまでの対策などを抜本的に見直す必要があると指摘しました。

専門家などで作る国の専門調査会は、26日の会合で、今回の大津波のような最大級の津波に対しては、住民の避難を軸にした総合的な対策が必要だという中間報告をまとめました。報告では、これまで国が行ってきた災害の想定の手法なども検証し、およそ1140年前に起きた貞観地震などの巨大地震を、発生の可能性が低いとみなして想定の対象にしていなかったことは「十分反省する必要がある」と総括しました。また今回の大津波では、想定に基づいて浸水地域を示したハザードマップが反対に「安心材料」になってしまったり、地震直後に気象庁が発表した津波の高さの予想が実際より大幅に低かったりして、国の想定や対策がむしろ被害を拡大させた可能性もあり、対策などを抜本的に見直す必要があると指摘しました。さらに、原子力発電所がある地域では、被災した場合の影響が甚大であることから、地震や津波の想定にはより詳細な調査分析を行い、津波対策について特に万全を期すことが必要だと強調しています。専門調査会は、大規模な津波の際の避難対策を中心に改善策を検討し、ことし秋ごろに最終報告をまとめることにしています。