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宮古の山本市長 仮説住宅暮らし

2011年06月26日

 津波で自宅を流された岩手県宮古市の山本正徳市長(55)は6月初旬から、同市田老の仮設住宅に入居している。3Kのプレハブ住宅に妻と次女の3人暮らし。「自分で寝てみて、布団の薄さがよく分かった」と話す。

 山本市長は、田老地区唯一の歯科医院の経営者だったが、津波で全壊。震災後、妻と次女を盛岡市の親類宅に避難させ、自らは市役所近くに1DKのアパートを借りていた。帰宅が遅くアパートに泊まることが多いが、妻子は仮設住宅だ。

 仮設の近くの別のプレハブで歯科医院を再開し、震災前同様、次女が治療に当たっている。仮設の1室を荷物置き場にしているので居住空間は2部屋だけ。「家財があり、布団を敷くともういっぱい。本当に狭い」。支給されているのは布団と毛布だけ。マットがなくて背中が痛む。冬はこれでしのげるのか、いまから心配だという。

 それでも仮設住宅での暮らしを続けていく。「市民と同じ臨場感をちゃんと持ちたいから」。津波で全財産を流され、スーツもあの日着ていた1着しかなかった。さすがに最近、もう1着買ったばかりだ。(伊藤智章)

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