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ねぶた、大船渡に9月出陣 気仙大工に恩返し
 | 9月に大船渡で披露される青森ねぶた「風待ち湊 深浦の残照」 |
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東日本大震災の被災地岩手県大船渡市を元気づけようと、青森ねぶたが9月、街中を練り歩く。同市の気仙大工が青森市で復元した北前船から着想を得て、昨年制作された大型ねぶたが登場する。ねぶた制作者らが気仙大工への恩返しも兼ねて呼び掛け、日本有数の火祭りの被災地開催が実現することになった。
披露されるのは、昨年のねぶた祭りで優秀制作者賞に選ばれた千葉作龍さん(64)=青森市=の「風待ち湊 深浦の残照」。高さ5メートル、幅9メートル、奥行き7メートル、重さ4トンにもなる作品だ。 千葉さんは、青森市の財団が2005年に発注した北前船「みちのく丸」を復元した気仙大工の技術に感銘を受けて制作した。被災地支援と気仙大工への恩返しの目的で17日、大船渡市を訪れ、市の関係者にねぶた披露を申し入れた。 関係者によると、日程は9月3日午後6〜9時を予定しており、同市のJR盛駅前の県道約500メートルを練り歩く。ねぶたは解体されて大型トラック5〜6台で運ばれ、千葉さんらが現地で1週間かけて組み立てる。 笛や太鼓を奏でる「お囃子(はやし)」も青森から招き、本番さながらに大船渡市民と一緒に「はねる」などして盛り上げる。大船渡市盛地区で毎夏開催される七夕祭りに繰り出す山車も登場し、ねぶたとの共演も予定している。 千葉さんは「費用面など一切、大船渡市には迷惑を掛けない。多くの市民にねぶたを見てもらい、元気を出してもらいたい」と意気込んでいる。
2011年06月24日金曜日
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