「阪神2-4巨人」(26日、甲子園)
あっさり完封負け…なんてこと、今の虎は許さない。0‐4で迎えた九回、4連打で2点を奪って猛追した。最後の最後に甲子園が大歓声で揺れた。結局は反撃も及ばず、連勝は3でストップ。4位へ逆戻りした。それでも伝統の一戦は2勝1敗の勝ち越しだ。借金完済へ向け、勢いは本物。今回はこれぐらいにしといたろか。
◇ ◇
猛虎の意地が詰まった4連打の猛攻だった。4点ビハインドの九回じゃ、最後っ屁だって?いやいや、待ってください。結局、逆転できてないじゃないかって?いけずなこと言いますね。つないで、つないだ最終回の2点が、明日への希望もつないでみせた。
九回。巨人のマウンドには3番手・アルバラデホ。この日30歳の誕生日を迎えた先頭の鳥谷が、右前打で口火を切った。続く新井が左前にしぶとくはじき返し、無死一、二塁。上げ潮ムードの中、ブラゼルが中前打で、まずは1点だ。
なおも無死一、三塁で林が続いた。外角スライダーを右前に引っ張り、2点目を奪取。4連打に聖地が燃えた。
さあ、あと2点差。逆転勝利への機運は最高潮に高まった。だが、投手が4番手・山口に代わり、無死一、二塁で代打・岡崎が送りバント失敗…。流れは巨人に傾き、後続の代打・浅井と新井良も倒れた。野手全員を投入した総力戦。反撃は及ばず連勝は3で止まった。しかし、勝利への執念と粘りを見せたことには価値がある。
相手先発の新星・沢村を相手に苦戦を続けていた。八回までに得点圏に走者を進めたのは二回だけ。チャンスらしいチャンスも作れず、八回には2番手・久保を前にしても3者凡退。極貧打線に逆戻り?と思ってしまうほど、いや〜な雰囲気が漂っていた。
だが、打線がつないで、虎党たちの夢もつないだ。鳥谷が「先頭だったので、なんとか塁に出たかった」と意地を見せ、ブラゼルも「最後はチーム一丸になって攻められた。こういう形で戦っていきたい」と手応えを感じている。「自分にできることは、つなぐことだけだった」と林が振り返ったように、打線が“点”ではなく“線”として機能している。
たった1日でBクラスに出戻り。それでもチームに悲壮感はない。新井は言う。
「(九回の攻撃は)0点で終わるよりも、あさってからの試合(28、29日・広島戦)につながると思う。悔しいけどね。(チーム状態は)だいぶ前から(いい方に変わってきた)。次の試合を全力でとりにいく」
4番が代弁したチームの思い。敗れても、猛虎のギラギラした目の輝きは失われていない。
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