「シンジ、ケーキ買って来たわよ!」
「ありがとう、アスカ」
シンジとレイが料理をしている加持家のダイニングキッチンに、ケーキの箱を持ったアスカが上機嫌で帰って来た。
今日はシンジの誕生日。
今年はシンジとアスカとレイの3人でささやかにお祝いする事にした。
「お兄さん、後は私でも出来るから任せて」
「そうそう、シンジは祝って貰う側なんだから」
レイとアスカに言われて、シンジはテーブルについて待つ事にした。
「アスカ、何だかとっても嬉しそうだね」
「ふふ、わかる?」
シンジにはアスカが浮かれて舞い上がっているように見えたのだった。
「新しいケーキの食べ方を思い付いたの」
「へえ、それは面白そうだね」
「早速試してみましょうよ」
アスカは待ちきれなくなったのかケーキの箱を開けた。
アスカが買って来たのはイチゴの乗ったショートケーキだった。
すると、アスカはイチゴの細い方を口にくわえると頭の方をシンジに向かって突き出した!
「アスカ、もしかして僕がイチゴの半分を食べるって事?」
シンジが質問すると、アスカはイチゴをくわえたままうなずいた。
「は、恥ずかしいな」
顔を真っ赤にしながらシンジはアスカのくわえたイチゴを食べた。
シンジの唇とアスカの唇がほんの少し触れ合う。
そして、次はアスカはケーキのスポンジ部分をフォークで射して口にくわえた。
シンジはつばを飲み込んでからアスカの口にくわえられたケーキの欠片を食べた。
シンジがアスカから口を離してしまうと、アスカは顔を赤くしてシンジにたどたどしい口調でつぶやく。
「ダメよシンジ、口についたクリームまで舐めとってくれないと」
「そ、そこまでするなんて、恥ずかしすぎるよ」
そう言いながらも、シンジはアスカの言われる通りに実行してしまった。
「……お姉さん、お兄さんと何をしているの?」
キッチンから顔を出したレイが不思議な表情でアスカに尋ねた。
「これはね、ケーキの新しい食べ方を実験しているの」
「そうなの?」
「”ケーキッス”と言う新しいキスの方法なのよ!」
「私にもっと”ケーキッス”を見せて」
好奇心に目を輝かせたレイがそう言うと、アスカはケーキが無くなるまでシンジと”ケーキッス”を繰り返した。
「お姉さん、私の分のケーキが無いわ……」
「ちょ、ちょっとやりすぎちゃったみたいね、アハハ……」
レイが涙目でそう言うと、アスカは気まずそうにごまかし笑いを浮かべてから、急いで新たなケーキを買いに行ったのだった。
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