巫女の黒い独り言
神さまにお仕えするという建前で働いている巫女だって人間だもの。言いたいことの一つや二つや三つや四つや十個ぐらいあるかもしれない。ってゆうか、あるんです。
ここに掲載するのは、正規の独り言にはとてもじゃないけど掲載できない真っ黒な独り言、どころか声を大にしたい心の叫びであったりする。
うちの神社では結婚式をやっているが、式を挙げる社殿に座れる人数は両家合わせて30人以内と少ない。他の神社と比べても少ない方だと思う。
だってちっちゃい神社なんだからしょうがないじゃん!ってことで、狭い中にも家庭的な雰囲気の結婚式を目指してやってるんだけど、はいれねってつってんのに、50人も60人も連れてくる人達もいる。座れない人達は、席がないので出入り口の所に立ち見になる。
控え室だって広くないし、正直、大勢は連れてこないで欲しいんだけど。
立ち見の人はあんまり見えないし、挙式30分立ちっぱなしになるし、で新郎新婦にはくどいくらい説明するんだけど、連れてくる人は連れてくるねぇ。
で、それを親族が知らないって事も多い。で、当日もめる。
特に新郎新婦の母。
「せっかく来てもらったのに、立ち見って失礼じゃないですか!! どうすればいいんですか!!!」
うちの神社では結婚式をやっているが、式を挙げる社殿には冷暖房の設備はない。なので夏はとんでもなく暑いし、冬は冷蔵庫にいるように寒い。結婚式を挙げる新郎新婦にはしつこく説明して、「親族の方にもくれぐれもお伝えください」ってお願いしてるんですけどね。新郎新婦はちゃんと伝えてくれているのかもしれないけど、冷暖房完備のお部屋でぬくぬく育った人間には、いまいち想像しづらいのか?
以前、ど冬の結婚式で、先に親族入場させて、そのあとさぁいよいよ新郎新婦の入場って時に、先に社殿に上がった親族がぞろぞろ降りてきて、なんとトイレに行く。もう新郎新婦は外でスタンバイして待ってるっつーの!!
式始まるのはわかりきってるだろーーー!!新郎新婦待たせてなにやってんだよ〜〜〜〜!!
もちろん小さいお子様なんかじゃない、50,60のいい年したおばさんである。
結局、トイレからもどってくるのを待って新郎新婦の入場したけど、その時のオバチャンたちの言いようがすごい。
自分の膀胱の面倒くらい、自分で見ろ!!!!
夏のある日、神主さん二人が控え室で、なにやら自分たちにスプレーを吹きかけている。最初は汗をかいたので制汗スプレーを使っているのかと思っていたが、服の上から全身に吹きかけているので、それじゃ意味ないだろうと思って
「なにやってんの!?」
と聞いたら、使っていたのは制汗スプレーではなく虫除けスプレーでした。これから草むしりをするのだそうだ。
「あー、びっくりした。制汗スプレーかと思ったよ。」
そしたら神主さんの一人がいきなり
と大興奮。
「なんすかそれ!!そんなスプレーあるんすか!!?」
どうやら違う漢字を当てはめた模様。
「あー、びっくりした。なんてこというのかと思いましたよ。」
おまえがなんてこと考えるんだ!!!
神主のくせに邪念多すぎである。