科学【安藤慶太が斬る】本当に原発停めろ!でいいんですか?+(3/7ページ)(2011.6.26 12:00

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【安藤慶太が斬る】
本当に原発停めろ!でいいんですか?

2011.6.26 12:00 (3/7ページ)

されどエネルギーではないんですか?

 というわけで、わが国が原子力発電を抱えるに足る備えをしてきたのか、という問題提起には考えさせられた。考えてみれば、憲法9条にしたって、多くの日本人が唯々諾々と受けいれてしまっている。克服すべき東京裁判史観や占領政策の問題にしても、結局のところ戦後の日本人にそれを見つめ直す時間は山ほどあったのに、結局は何も自分たちで総括して変えることができずにいる。そう見ると、占領政策を手がけた米国の悪意だけが問題なのではなく、日本人の問題ではないか、という自覚だって必要なのだろう。

 だが現状稼働中の原発や定期検査中の原発を代替エネルギーへの考察もないままに否定するに及ぶと「ちょっと待ってくれよ。その後、どうするつもりなの?」という疑問が湧いてくる。国家の価値観や歴史の尊厳とは無関係な「たかがエネルギーの問題」とまで言われると違和感ありである。私にはとてもそう断言する気にはなれない。「されどエネルギーではないんですか?」と思う。

 エネルギーはわが国の根幹問題である。きちんとした代替エネルギーに見通しをつけながら時間をかけて現状の(核分裂に頼る)原発を減らしていくというのならば分かるのだが、依然、原発に匹敵する力量ある代替エネルギーが確立されているとは言えないだろう。現状では原子力発電を電源の軸に据えなければ、必要な電力は賄えない。そうである以上、一気呵成に原発停止に走るのは慎重であるべきだ。

代替エネルギー=自然エネルギーか

 今、政治の場で再生可能エネルギーという言葉が盛んに言われ始めている。代替エネルギーといった場合、無条件に「自然エネルギー」とされているのだが、例えば核融合技術などは代替エネルギーに含まれているのだろうか。現状、核融合が新たなエネルギー源となるには、多くの壁が立ちはだかっている。ITER(国際熱核融合実験炉)の国内誘致も実現しなかった。けれども、私たちは実用化を夢見てさまざまな試みを続けてきたではないか。このままフランスなどの軍門に下るのだろうか。

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