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【芸能・社会】刑事コロンボ死す ピーター・フォーク氏 83歳2011年6月26日 紙面から 人気テレビ番組「刑事コロンボ」の主役として、米テレビ界最高の栄誉エミー賞を4回受賞した米国の俳優ピーター・フォーク氏が23日、ロサンゼルス近郊ビバリーヒルズの自宅で死去した。家族の代理人が24日、明らかにした。83歳。詳しい死因は伝えられていないが、米メディアによると、数年前からアルツハイマー病で闘病していた。 1927年、ニューヨーク生まれ。3歳で腫瘍のため右の眼球を失い義眼だった。大卒後、一度は公務員になったが演劇の道に入り、50年代にブロードウェーの舞台で注目され、58年に映画デビュー。「殺人会社」(60年)、「ポケット一杯の幸福」(61年)でアカデミー助演男優賞に連続ノミネートされた。 60年代後半以降は、2003年まで断続的に続いた「刑事コロンボ」の主役として、よれよれのコートに安物の葉巻がトレードマークのロサンゼルス市警殺人課の刑事役を好演。とぼけた表情の裏で、社会的地位の高い犯人たちを鋭い推理でじわじわと追い詰める展開が人気を集め、生涯の当たり役になった。 AP通信によると、「刑事コロンボ」は米国外の26カ国で放映され、日本やフランス、イランでも高視聴率を獲得。日本語版は俳優の故小池朝雄さんらが吹き替えを担当し「うちのかみさんがね」「あ、それともう一つだけ」などのせりふがおなじみになった。 他に「おかしな、おかしな、おかしな世界」(63年)、「泥棒がいっぱい」(66年)「ベルリン・天使の詩」(87年)などの出演映画がある。 (共同) ◆お笑い評論家で江戸川大准教授の西条昇さんの話 コロンボでよれよれの服を着た中年男という新しい刑事像を生みだした。せりふ回しで引き込む手法の影響を受け、日本でも会話で心理を描写するドラマが制作されるようになった。舞台の勉強をし、若いときはシリアスな役が多かったが、年齢を重ねてとぼけた味がにじみでてきた。中年になってコミカルな役に転身する俳優は今でこそ日本でも多いが、その元祖のような人だった。 ◆「刑事コロンボ」 米ロサンゼルス市警殺人課の刑事・コロンボを主人公に展開するミステリードラマ。1968年に米国で単発ものとして放送され、好評を博したことからシリーズ化された。日本では1972年からNHKで放送され、国民的人気の海外ドラマとなった。 毎回のストーリーは、事件の犯人が最初から視聴者に分かる展開だが、刑事・コロンボの執念深く犯人を追い詰める手法が見どころ。犯人の手口や動機を見事に暴く鋭い捜査とさえない風貌とのギャップが人気を呼んだ。 PR情報
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