(cache) LIBIDOS　-催眠、洗脳、MC(Mind Control)-　ブログ小悪魔リンス　キャンパスリグレット　序章②

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» 2011 . 07

小悪魔リンス　キャンパスリグレット　序章②

真ん中のストレートヘアーの女は、一段と特別なオーラを発していた。まず、大きな二つの瞳は、長い睫毛のラインでカッティングされた、美しい宝石のようにきらきらと輝いていた。そして、それらを周りからつつむ白い肌は、なんとも言えない質感だった。それは白く光り輝いているのに、テカリが感じられない。光のハイライトがないのである。その上、絶妙のタッチで、薄紅色のグラデーションが描かれている。俺には彼女の肌が、みんなと同じたんぱく質で出来ているとは、到底思えなかった。そして、艶やかで美しい直毛の髪の毛。それは指で梳こうものなら、全く手ごたえがなく、こちらがつまずいてしまいそうだ。雨水が彼女の髪を濡らそうとしても、滴は染み込まず、そのまま表面を伝って、地面に流れ落ちてしまうのではないか。そう思わせるくらい、傷のない美しい髪の毛だった。

そのストレートヘアーの女は、格好をみると、ショッピングセンターの廉価品であることは、一目瞭然である服装をしていたし、髪型も別段に流行の最先端をいっているという訳ではなかった。おそらく彼女は、「女」というものに少し無頓着で、それほど自分を磨くという事に、労力を使ってこなかったのであろう。しかし、その生まれながらにして持つ圧倒的な美の才能が、自然と彼女を別格なものにしていた。多分「女」に恐ろしく敏感であろう横の二人の女性も、この圧倒的な才能に引き付けられたに違いない。３人はどうやら、この入学式の日に知り合ったようだ。ささやきの中に、少し敬語っぽい言い回しが混じっている事から、そう感じられた。

それから、少しずつ実際の授業が増えてきて、学生生活らしくなってきた。彼女たちは見かける度に、いつも一緒だった。どうやら完全に仲良しグループを結成したようだ。ある専門授業でこの３人と一緒になる事が分かった。この授業は十数人程度で、小教室で行われるため、出欠は名前を呼ぶ事によって行うようだ。

講師「和泉若葉！」
先生が名前を呼び始めた。どうやら、アルファベット順の名簿になっているようだ。
「あっ、は、はいっ！」
いきなり呼ばれたので、戸惑いながらストレートヘアーの女が答えた。そうか、彼女は「わかばちゃん」っていうのか。俺は思いがけず、彼女の名前を知る事ができて、少しうれしかった。
講師「大石紗名！」
「はい、はーい！」
続けてショートカットの女が軽々しく答えた。随分活発でお調子者の性格のようだ。
講師「大塚大輔！」
おっと、俺の名前だ。俺は「はい」と至って普通に返事をした。
講師「神林美左子！」
「はい、先生。」
巻き髪の女が落ち着いた口調で答えた。なんとこの授業では、名簿の最初の４人に、俺とあの三人組の名前が、記載されているようだ。

紗名「あーあー。もう少しで、この三人でトップ３だったのに。惜しいねぇ。」
若葉「ハハ。ホント。残念だね。」
美左子「まあ、どうでもいい話だけどね。」
紗名「そりゃそうだ。」
三人「ハハハハ。」
こいつらは昔からの親友のように、すっかり打ち解けているようだ。俺は、まるで俺が邪魔をしたように言われて、少し気分が悪かったが、特にこちらが攻撃されている訳でもない。単なる偶然、気にしないでおこう。