(cache) LIBIDOS　-催眠、洗脳、MC(Mind Control)-　ブログ小悪魔リンス　キャンパスリグレット　序章③

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» 2011 . 07

小悪魔リンス　キャンパスリグレット　序章③

「和泉若葉・・・。」
その晩、自室に帰り、ベッドに寝そべって呟いてみた。俺は大学に入って、一人暮らしを始めていた。あの入学式の日以来、彼女の事が気になってしょうがない。まだ、あまり男友達も居ないみたいだし、思い切って声をかけてみようか。でも一体、何て切り出したらいいのだ。俺は冷蔵庫から缶ビールを取り出して、一気に、内容量の半分くらいを飲み干す。

大体、彼女は、自分がそんなにモテるとは、思っていないのではないだろうか。服装もそうだし、性格も優柔不断でなんとなく自信のない感じである。学校の様子では、何でも横の二人に決めてもらっているようだった。あの容姿なのだから、もててない筈は無いのだが、奥手な性格のせいで、男性経験もほとんどないのではないか。

「思い切って告白してみようか・・・。」
その考えは後になって思い返すと、絶望的に手順が間違っていた事が分かる。しかし、当時の俺は、大学に受かったり、一人暮らしを始めたりして、少し気が大きくなっていた。また、自分が他人から、どのように見られているかについて、よく把握していなかった。

俺は初めて、ラブレターというものを書いていた。こういうものは、どう書けばいいのだろう。花のように美しい君に・・・いや、こんな陳腐な表現は、いくらなんでもNGだろう。もっと、簡潔に自己紹介をして、気持ちを伝えよう。２時間ほどかけて、原稿用紙一枚分くらいの文章ができあがった。自分でも随分、時間をかけたと思う。明日、もっとおしゃれなレターセットを買いにいこう。その日の夜はドキドキして、よく眠れなかった。そこで俺はまた、旅をしてみる。若葉との楽しいキャンパスライフ。黄金の４年間。そういったものを空想してみる。次に気が付いた時には、夜が明けていた。

さて、彼女はどんな反応をするだろうか。もちろんいきなり、好意的な感じにはならないだろう。でも、ちょっとは照れたりしてくれるのだろうか。とりあえず現状、背景でしかない俺の存在を、少しでも意識してくれればと思う。それと四六時中、いつもそばにいるあの二人の女の事も気になる。状況からして、あの二人の目の前でしか、告白するチャンスは無い。きっとびっくりするだろうが、せめて若葉を茶化したりして、場を盛り上げてくれないだろうか。俺は期待と不安で、胸を一杯にしながら、告白のチャンスを待った。

専門授業が終わった後の休憩時間、彼女たちは引き続き、この校舎で授業があるので、ロビーで休憩していた。俺は次、別の校舎なので、本来なら早めに移動しなければならない。今だ。ここしか手紙を渡すチャンスは無い。
俺は思い切って、団欒をしている三人組に近づいていった。
大輔「あ、あ、あの・・・。和泉さん・・。これ・・これ・・。」
思った以上にろれつが回らない。今日学校に来る前、あれだけ練習したのに！
大輔「あ、あの・・よかったら、これ、読んでくださいっ！」
少し大声で声を絞り出す事で、なんとか言う事ができた。その時、この３人組みだけでなく、周りの生徒たちの視線も感じることができた。