2011年6月26日
関西広域連合 「琵琶湖の水守りたい」 関電に協定要請、即決
関西電力に原子力安全協定の締結を提案することを参加7府県知事の総意で決めた関西広域連合。協定の必要性を最初に訴えた滋賀県の嘉田由紀子知事は、「放射能の汚染から関西1400万人が飲む琵琶湖の水を守りたい」と述べた。原発と隣接する府県とともに、電力の大消費地の府県も参加する広域連合として、原発との関係をどう考えるのか。これまで立地県以外は、発言はしても権限のない状態だっただけに、関電側の対応も含め、今後の展開が注目される。
この日、広域連合委員会の会場となった大阪市北区のホテルの一室は、大勢の報道陣も詰めかけて満席になり、熱気であふれた。
安全協定の必要性について嘉田知事が「放射能の汚染から琵琶湖の水を守りたい」と口火を切ると、京都府の山田啓二知事や、鳥取県の平井伸治知事らが「大賛成」「(協定は)エネルギー問題に直接かかわるということだ」と次々に声を上げ、7府県知事全員の賛成で、協定締結を来月にも正式に要望することが決まった。
「安全協定の締結は、事前資料にも一切盛り込まれていなかったのに」と、想定外の即決に、大阪府の担当者は驚きを隠さない。
自然エネルギーへの対応や、関電の一律15%程度の削減要請をめぐり、関電側と激しく対決姿勢を取ってきた橋下徹知事も「関電は関西の電力会社。(原発の)立地県が一番大事なのは分かるが、広域連合との協定も必要だ」と強調した。
広域連合には、原発に隣接する京都府や滋賀県だけでなく、大消費地の大阪府なども含まれる。
井戸敏三連合長は「広域連合は(電力の)消費地と供給地を抱えている。原発の立地場所に近い府県と他の府県とのすみ分けも必要になってくる」と指摘し、広域連合の協定は、電力確保策や新エネルギーの開発、節電など包括的な内容になるとの見通しを示した。再稼働への同意権などは、今後の課題として残された。
すでに京都府として単独で、関電に協定締結を申し入れている山田知事は、府県と広域連合がそれぞれ協定を結ぶことについて「地方自治体と関電が話し合う基盤を何重にも作っていくのが効果的」と訴えた。
一方、広域連合議会の全員協議会に非公開で参加した関電の八木誠社長は、報道陣から広域連合が安全協定の締結を求めることで一致したことを知らされると「協定の話は(協議会では)まったくなかった」と一瞬、戸惑いの表情を浮かべ、今後の対応については「国の動きをみながら検討したい」と淡々と述べた。
【写真説明】関西広域連合委員会で議論する橋下徹大阪府知事、山田啓二京都府知事、嘉田由紀子滋賀県知事(左から)=25日午後、大阪市北区(志儀駒貴撮影)
(2011年6月26日 07:20)
Category:社会
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