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'11/6/24

医師がうその養子縁組発案 臓器売買事件

 東京都内の医師と暴力団組員らが関わった疑いがある臓器売買事件で、警視庁に臓器移植法違反容疑で逮捕されたクリニック院長堀内利信ほりうち・としのぶ容疑者(55)が、親族間の生体腎移植を装うための虚偽の養子縁組を発案、暴力団組員の滝野和久たきの・かずひさ容疑者(50)らに持ち掛けていたことが24日、捜査関係者への取材で分かった。

 警視庁組織犯罪対策4課は、堀内容疑者が腎不全の症状悪化で、腎臓移植を強く希望していたが、臓器提供者(ドナー)不足で見通しが立たないことに焦りを募らせ、事件を主導した疑いがあるとみて調べている。

 また、堀内容疑者は昨年1月、ドナー候補だった元組員坂上文彦さかがみ・ふみひこ容疑者(48)とうその養子縁組をしたが、5月末に坂上容疑者からの移植の話が破談になった。直後の6月、今度は別ルートで20代男性と養子縁組をした上で、翌7月に宇和島徳洲会病院(愛媛県)で腎臓移植の手術を受けた。

 組対4課は2度目の養子縁組と移植手術の間隔が約1カ月と極端に短いことなどから、20代男性との養子縁組や臓器提供の経緯を今後詳しく捜査、金銭の授受などがなかったかを調べる。

 宇和島徳洲会病院によると、堀内容疑者が腎臓の移植手術を受ける際、事前調査で坂上容疑者やドナーの20代男性と養子縁組を重ねていたことが問題視された。

 同病院内の倫理委員会が2回開かれ、20代男性との養子縁組については「移植の対価が支払われた可能性」などを重点的に審査。堀内容疑者は倫理委の面接で、20代男性と5年ほど前から日常的な交流があったことを示すため、男性と一緒に撮った写真などを提出し、最終的に移植手術が認められたという。




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