名古屋グランパスは浦和に追い付かれ、引き分けで勝ち点20。柏が田中の2得点の活躍などで甲府に4−1と快勝し、勝ち点28で首位を堅持した。田中は3試合連続ゴールで通算8得点とした。川崎は後半ロスタイムの小林のゴールで追い付き、鹿島と2−2で引き分けた。川崎は8試合連続負けなしで勝ち点24。磐田は最下位の福岡に勝ち、同19に伸ばした。福岡は開幕から13試合連続白星なし。新潟は試合終了直前にC大阪に追い付かれ、9試合連続勝利なしとなった。
◆名古屋1−1浦和
ロスタイム表示の6分が過ぎていた。グランパス陣内での笛に闘莉王は「終わりかと思った」。1−0で会心の逃げ切り。しかし現実は違った。千代反田のハンドでPKの判定だった。
「触ってない。ハンドじゃない」。必死の訴えは実らず、千代反田は、前半に流血して包帯を巻いた頭を抱えて悔しがった。勝ち点3が1に変わった試合後も怒りは収まらず、審判団に詰め寄り、増川が体を抱きかかえて制止したほどだった。
闘莉王が移籍後初めてボランチに入る布陣で戦い、磯村の3試合連続ゴールで先制。後半19分には、楢崎が決定的なシュートを防いだ際、左手を負傷して退場。守護神を欠く一大事も乗り越えて、勝ち点3をつかみ取る寸前だった。
ストイコビッチ監督は、オブラートに包むことなく、痛烈に批判した。
「(判定は)ゲームの一部と理解しているが、今回は本当にひどい。ひどすぎる。黒いウエアをつけた人(主審)が敵のプレッシャーに負けてしまった」
2008年に監督就任以来、どんな不可解な判定も受け入れてきたが「勝ち点を盗まれたような形。初めてと思うが、(Jリーグに)説明を求める」とクラブを通じて質問状を提出することを明かした。
15日間で5試合の過密日程。4勝1分けで一気に上位戦線に加わる勢いだったが、思いもよらないブレーキがかかり、指揮官は「MVPは磯村と思っていたが、私の間違い。レフェリーだった」と最後まで舌鋒(ぜっぽう)を緩めなかった。 (木本邦彦)
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