中日新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 速報ニュース一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

臓器売買容疑で医師ら5人逮捕 組員が仲介

2011年6月23日 22時59分

 腎不全を患った医師が、暴力団組員側に報酬を支払い、移植手術を受けようとしたとして、警視庁組織犯罪対策四課は23日、臓器移植法違反(臓器売買の禁止)などの疑いで、東京都江戸川区南小岩、「堀内クリニック」院長堀内利信(55)、仲介役で指定暴力団住吉会系組員の葛飾区高砂、無職滝野和久(50)の両容疑者ら男女5人を逮捕した。

 国内での臓器売買事件では、2006年の宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の例があるが、医師と暴力団の関与が明るみに出たのは初めて。

 堀内容疑者は、滝野容疑者側との金銭トラブルから移植手術を受けず、別のルートで江戸川区の20代の男性と養子縁組をして昨年7月、宇和島徳洲会病院で、この男性の腎臓を移植する手術を受けた。同課はこのルートでも臓器提供者(ドナー)や仲介者との間で金銭授受がなかったか調べている。

 他に逮捕されたのは、堀内容疑者の妻で会社役員則子(48)、元住吉会系組員の江戸川区南小岩、無職坂上文彦(48)、葛飾区高砂、飲食店員佐々木ひとみ(37)の3容疑者。

 逮捕容疑では、堀内容疑者は09年10月〜昨年4月、坂上容疑者との虚偽の養子縁組を江戸川区役所に届け、親族同士の生体腎移植を装って腎臓の提供を受ける約束をし、見返りに1千万円を支払ったとされる。

 同課によると、則子容疑者が知人の佐々木容疑者に相談し、話を持ち掛けられた滝野容疑者が臓器売買の交渉を仲介していた。5人とも容疑を認めているが、佐々木容疑者は「お金はもらっていない」と供述している。

 堀内容疑者は昨年6月、板橋区の病院で腎臓の移植手術を受けることが決まったが、滝野容疑者側が1千万円の追加報酬を要求してきたためトラブルとなり、交渉が決裂した。

 臓器移植法は、移植のために臓器を提供して報酬を得たり、要求したりすることを禁じている。あっせんも違反になり、5年以下の懲役か500万円以下の罰金、または両方が科せられる。

(中日新聞)

 

この記事を印刷する

PR情報



おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ