東京電力は25日、福島第1原発から出た高濃度の汚染水を浄化するシステムのうち、放射性物質の除去後に塩分を取り除く淡水化装置が正常に作動したことを確認できたと発表した。27日にも試運転状態だった米キュリオン社のセシウム吸着装置の調整が終わるためシステム全体が本格稼働できる見通しが立った。月内に処理済みの淡水を原子炉へ再注入する循環注水冷却システムの稼働を目指す。
東電は当初、原子炉の冷却用に海水を注入したため、発生した高濃度汚染水は塩分濃度が高い。処理した水から塩分を除去せずに原子炉へ入れると損傷につながる恐れがある。【杉埜水脈】
毎日新聞 2011年6月26日 東京朝刊