2011年6月25日19時9分
東京電力福島第一原発から半径20キロ以内の警戒区域への一時帰宅で、25日から希望者は防護服なしでも参加できるようになった。暑さ対策で、福島県浪江町では参加した340人のうち4人が私服だった。
同町の小学校教員の女性(49)は黒い長袖ジャージーを着て、ナイロン製の上着を着た父親(78)と2人で一時帰宅した。町が発表している自宅近くの放射線量が比較的低かったため、「避難している福島市と変わらない」と防護服を着なかった。「それでも汗をかいた。もっと暑くなると、防護服を着た作業は大変」と話した。大熊町の一時帰宅でも、5人ほどが着用しなかったという。
原子力災害現地対策本部によると、長袖と長ズボンで肌が露出しないことが条件。帽子、マスク、手袋、靴カバーは今まで通りに着用しなくてはいけない。これまでに一時帰宅に参加した約70人が、暑さなどで体調不良を訴えていた。
日本で起きた原発事故に、世界で最も敏感に反応した国がドイツだ。原発の運転延長を決めたばかりだったメルケル政権は、2022年までの全廃を決めた。脱原発へと百八十度かじを切った背景は?