秩父宮妃作の茶器が盗難　御殿場の記念公園

　故秩父宮ご夫妻の元別邸を整備した御殿場市東田中の「秩父宮記念公園」で、秩父宮妃の勢津子さまが生前に作ったとみられる茶器が盗まれていたことが分かった。

　同公園と御殿場署によると、茶器は高さ約８・６センチ、直径約１０センチで、３本脚の下部にウサギのデザインがあった。勢津子さまが好んだ動物をモチーフにしていることなどから、別邸内にあった窯で焼いたらしい。

　当時の生活を再現した母屋内の洋間のテーブルに置かれていたが、清掃していた女性職員が２２日正午ごろ、盗難に気付いた。職員が最後に見たのは１９日昼ごろ。２０日は休園日だった。

　洋間は立ち入り禁止で、入園者は廊下から見学する仕組み。盗難が分かるまで、計１１００人の入園者があった。同署には２３日に被害届を提出した。

　故秩父宮さまは天皇陛下の叔父。別邸はご夫妻が１９４１（昭和１６）年から約１０年間を過ごした。後に同市に寄付され、２００３年から公園として開放されている。