大阪市の平松邦夫市長は、市が保有する関西電力の株式の配当金について、再生可能なエネルギー開発や節電対策に充当する方針を固めた。市は出資比率が9.37%の筆頭株主で、毎年約50億円の配当金を得ている。市は「脱原発」を目指し、近く「エネルギー政策室」(仮称)を設ける予定。配当金を財源として、早期に具体的な施策を打ち出したい考えだ。
市財政局によると、市は現在、関電株を約8374万株(額面500円)保有。配当率は05年度以降、毎年12%で推移しており、配当金は年間約50億円に上る。配当時期は11月と6月の2回で、今月末に約25億円の期末配当が予定されている。
地方財政上、株式配当金は地方税と同じ扱いで、すべての経費に使える「一般財源」にあたる。市はこれまで、配当金をさまざまな施策に充当してきたが、今後は原則、エネルギー関連に使う方針だ。
具体的な使途としては、▽民間施設に太陽光発電設備を設置する場合の補助費▽節電に役立つLED街路灯の設置費用▽空気中の二酸化炭素からメタノールを生産、新エネルギーとして使う大阪市大の「人工光合成」研究の費用--などを検討。平松市長は取材に対し、「どの事業にどれくらいの配当金が使われるのか、見える形で示したい」と話している。【小林慎】
毎日新聞 2011年6月25日 15時00分