2011年5月1日 20時17分 更新:5月1日 23時39分
ソニーグループのゲーム機「プレイステーション3」などのインターネット配信サービスで最大7700万人の個人情報が流出した恐れがある問題で、ソニーは1日、東京都内の本社で初めて会見し、流出の原因について「サイバーテロ攻撃」とし、米連邦捜査局(FBI)に捜査を依頼したことを明らかにした。また、ネット上でゲームや音楽、映像を購入する際に使うクレジットカードの登録は約1000万枚に上ることも明らかにした。
会見では、平井一夫ソニー副社長(ゲーム事業を展開するソニー・コンピュータエンタテインメント社長)が「利用者に多大なる迷惑をかけ、深くおわび申し上げる」と陳謝した。停止中のサービスは不正侵入対策を強化した上で順次再開し、5月中の全面再開を目指す。再開にあたり、全利用者にパスワードの変更を要請する一方、おわびとして一部のゲームの無料提供などを実施する。
また、平井副社長らは、米カリフォルニア州サンディエゴ市にあるデータセンターのシステムに先月17~19日、不正侵入があったと説明。ゲームなどのデータを保管するサーバーが脆弱(ぜいじゃく)だったとして、「管理体制が甘かったと認めざるを得ない」(神戸司郎広報センター長)と陳謝した。
ソニーは先月20日からサービスを停止し、26日に利用者の氏名や住所などが漏えいした可能性が判明したという。流出件数は「確認中で断定的な数字を示すことはできない」と述べるにとどめた。
クレジットカードの番号や有効期限は「漏えいした証拠もないが、していないともいえない」と流出した恐れが排除できないとした。ただ、「(カード情報は)暗号処理されており、不正使用の形跡はない」と説明。利用者がカードの再発行を希望する場合の手数料負担を検討していることも明らかにした。
また、再発防止策として、攻撃を受けたシステムを他地域のデータセンターへ移し、不正侵入の監視機能やデータ保護などを強化する。【竹地広憲】
・最大7700万人の個人情報(氏名、住所、生年月日、メールアドレス、パスワード、オンラインID)が漏えいしたとみられる
・クレジットカード番号と有効期限の漏えいは確認できていないが、可能性がある。最大約1000万枚
・全利用者にパスワードの変更を要請
・停止中のサービスは近く段階的に再開し、5月中に全面再開
・利用者へのおわびとして、無料ダウンロードでゲームなどを提供
・再発防止策として、システムを他地域のデータセンターへ移管
・不正アクセスの監視機能やデータ保護などを強化
・不正アクセスの捜査をFBIに依頼