食中毒:男児2人が死亡 同系列の焼き肉店で食事

2011年5月1日 21時6分 更新:5月1日 23時44分

 福井、富山両県で同系列の焼き肉店で食事した男児2人が相次いで死亡していたことが分かった。2人からは病原性大腸菌「O111」が検出され、うち1人は生肉料理を食べたことが確認されている。死亡した2人を含め同系列の3店で食事した計48人が食中毒症状を訴え、うち19人が重症で、両県が原因を調べている。

 厚生労働省や両県によると、食中毒が発生したのは焼き肉チェーン店「焼肉酒家えびす」の砺波店(富山県砺波市)と高岡駅南店(同県高岡市)、福井渕店(福井市)。

 福井渕店で食事をした未就学男児が4月21日、下痢や腹痛を訴えて入院。溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症し同27日に死亡した。男児の家族には症状がなく、福井県は男児が何を食べたかなどを調べている。県警は業務上過失致死傷の可能性があるとして1日、同店に立ち入り、肉の仕入れ・保管状況などについて従業員から事情を聴いた。

 また、同21日に砺波店で家族と食事した10歳未満の男児が同24日に嘔吐(おうと)などの症状を訴えて入院し、同29日にHUSで死亡した。生肉料理のユッケなどを食べており、富山県は店に残っていた肉を回収して調査するとともに、同店を27日から3日間の営業停止処分にした。

 同チェーンは北陸3県と神奈川県に計20店ある。経営する「フーズ・フォーラス」(本社・金沢市)によると、ユッケ用の肉は、全店が東京都内の同じ業者から仕入れているが、「生食用」を示す表示はなかった。同社は取材に「業者から『ユッケに使える肉だ』との提案を受けていた」と説明している。

 重症19人のうち11人からO111かO157が検出された。【安藤大介、岩嶋悟】

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