2011年4月30日 20時15分
【カイロ斎藤義彦】リビアの最高指導者カダフィ大佐は30日、国営テレビで演説、北大西洋条約機構(NATO)主導の多国籍軍と「停戦の用意がある」と表明した。しかし、退陣や国外退去は拒否した。カダフィ政府軍は同日、包囲している北西部ミスラタを砲撃し、15人が死亡した。
大佐は「平和への門は開かれている」と述べた。AP通信によると、NATOの担当者は「言葉ではなく行動を見せるべきだ」として、停戦は市民への攻撃中止が前提との考えを示し、大佐の提案を拒否した。多国籍軍は同日、トリポリの政府施設などを爆撃した。
一方、カダフィ政府軍は29日、反体制派が占拠する西部ナルートとチュニジアとの国境検問所を攻撃し、チュニジア領内のデヒバトを砲撃した。チュニジア軍とも一時交戦したが、その後カダフィ政府軍は撤退した。チュニジア政府はリビアの大使を呼び抗議した。