2011年4月28日 12時56分 更新:4月28日 13時42分
海江田万里経済産業相は28日の閣議後会見で、電力不足対策の柱である東京電力と東北電力管内の今夏の最大消費電力の削減目標について、企業、家庭とも昨年比で一律に15%に引き下げると正式表明した。大企業や工場など大口需要家を対象にした電気事業法に基づく使用制限令の発動は維持する。政府は5月の連休明けに正式決定する方針。
東日本大震災の影響で電力供給力の低下に対応するため、政府は8日にまとめた節電対策で、大口需要家に対して25%、小口が20%、家庭は15~20%程度削減する目標を提示。だが、東電が火力発電所の復旧などで供給力を上積みできる見通しとなったため、経済活動への影響を和らげる狙いがある。ただ、日本経団連は、25%減の目標を維持する方針で、引き下げにより節電意識が緩めば、不測の大規模停電につながりかねないことから、海江田経産相は「引き続き、節電に努めてほしい」と訴えた。
また、東北電力の供給力が十分に見込めないため、海江田経産相は「東電から東北電力への支援が必要だ」と述べ、電力融通を検討していることも明らかにした。
一方、海江田経産相は東電が決めた役員報酬の一律50%削減について、「まだカットの仕方が足りないのでは。特に高い報酬を得ていれば、さらなるカットは当然」と述べた。
また、「今後のエネルギー政策に関する有識者会議」を5月に設置することも発表。原子力政策を中心にエネルギー全般について協議する。【立山清也】