福島第1原発:校庭表土の除去作業 放射線対策で郡山市

2011年4月27日 11時52分 更新:4月27日 12時3分

小学校のグラウンドで始まった表土の除去作業=福島県郡山市の市立薫小学校で2011年4月27日午前9時41分、須賀川理撮影
小学校のグラウンドで始まった表土の除去作業=福島県郡山市の市立薫小学校で2011年4月27日午前9時41分、須賀川理撮影

 福島県郡山市は27日、福島第1原発事故の放射線量を軽減する目的で、市内小学校の校庭などで表土の除去作業を開始した。放射線対策として土壌改良するのは同市が初めて。連休明けまでに、市が独自に設定した基準値を超える小中学校、保育所計28カ所の校庭、園庭の表土除去を完了させる。

 この日は午前9時から、同市鶴見坦(つるみだん)の市立薫(かおる)小学校と鶴見坦保育所の2カ所で作業があった。同小は、文部科学省の調査で暫定基準値(毎時3.8マイクロシーベルト)を上回り、校庭の使用が制限されている。作業員たちが約7000平方メートルの校庭に散水後、6台の重機で表土を削り、スコップなどで校庭の土を深さ約3センチ除去。残土はダンプカーにシートをかぶせて市内の埋め立て処分場に運んだ。同校では通常通り授業があり、児童たちは窓から作業を見守っていた。

 同市の基準値は、地表から高さ1センチで小中学校が毎時3.8マイクロシーベルト超、保育所が同3.0マイクロシーベルト超。事前に市が実施した試験では、表土を3センチ除去した場合、放射線量は半分以下になった。

 当初は週末からの作業開始を予定していたが、保護者から早期着手の要望が強く、前倒しした。原正夫市長は「国や県から指示はないが、待っていられない。子供たちの安全を考え、市独自で除去することを決断した」と話した。【坂本智尚】

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