6月21日の火曜日、スマックダウンの撮影のため
ボルチモアから一人でレンタカーを運転して
ペンシルバニア州ハーシーに行った。

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借りたのはフォード・トーラス。
で、正直かなり驚いた。
トーラスといえば90年代の半ばごろ
いつも「質の悪い車」と感じていたし
アメ車の粗悪代表みたいな、そんな感覚があった。

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ところがどうして、今回借りてみると
実に素晴らしい「質感」なのである。

ビッグ3が苦境に立たされたのは誰でも知っていることだが、
アメリカ車はここにきて急によくなっている。

逆に言うと日本車の質は落ちている。
かつて日本車は故障の少なさに定評があったが、
最近のConsumer Reports誌などにあるリライアビリティーの部分を見ると
いまの日本車の質がいかに落ちてしまったか、よくわかる。

日産のベルサなんかもうひどいもの。
トヨタも車種によるが、もう「並の車」になってしまった感がある。

で、これは車に限る話ではないが、品物に大切なのは
数値とかよりも、数字に表すことのできない「質感」なんじゃないかと私は思う。

私がメルセデス党なのは質感が気に入っているからである。

で、その質感という面において、最近のアメリカ車の多くは凄くよくなったと思うのである。
苦境に立たされて目を覚ましたビッグ3はこれまで、いかに安く作って高く売るかだけを
考えていた感じなのが「いい製品作り」を考えるようになったんだと思う。
特にGMグループのビュイックなんか、本当に魅力ある車のラインナップになってきた。

こうなる円高ドル安にあえぐ日本の自動車メーカーは、更なるピンチに陥るのではないかと思う。
最近の日本車はコストカットばかりに重点が置かれ「質感」が落ちているということを
感じているのは私だけなのだろうか。

おっと忘れてた。ヨシ・タツの話。
コメント欄にヨシ・タツについて書いて欲しいとのコメントがあったが、
そのハーシーのスマックダウンで面白いバックステージシーンがあった。

図太いろうそくが何本も立った仏壇のようなセットアップ。
そこにタイソン・キッドがやってくる。キッドはじっと眺めているのだが
すぐにヨシ・タツがやってきて「お前はあっちにいけ」と追い払う。
よく見ると真ん中にいるのはヨシ・タツの人形。

ヨシ・タツはまるで神仏を拝むかのごとく人形を拝み、
そしてハーシー・チョコレートをお供えとして置くのであった。

このシーン、うまく説明できないが、やたら面白かった。
ひょっとしたらヨシ・タツ、ブレークするかもしれない…と感じさせるほど
いい味を出していた。

これまでヨシ・タツ選手のことを書かなかったのは
プロレスの天才みたいなTAJIRI選手と比較されたらかわいそうだなと思っていた部分から。
でも今回のこのシーンを見て「おっ?いけるかもしれないぞ」と思ったのである。

彼のテーマミュージック、チャッチャカチャカチャカチャッチャカチャカチャカというのが
「どうでもいいじゃん」「どうでもいいじゃん」とかぶっていたが、
ここにきて「なかなかやるじゃん」「なかなかやるじゃん」に替わりつつある。