ラバウルからのたより

PNGラバウルへ異動となった
センタースタッフの沢井から
送られてくる報告を掲載しています。
=お読み頂く前に、ご理解願います。=
 この便りは、私的立場からお送りしています。言語能力が不十分であるため、
 情報が完全ではなく、違っていたり、誤解していることが多々あるかもしれません。
 また配慮が足らないことも多いかと思います。その点をまずご理解頂いて、
 お読み下さいますようお願いします。
                     沢 井 勝 之

2008/3/4

第60便 移動本屋船

 この国は本屋があまりない。
東ニューブリテン州の中ではココポに2軒程あるが、日本の事務用品屋みたいなところに数冊あるのと、病院の近くに定価の3倍位で数百冊位売っているところしか私は見たことがない。ポートモレスビーに行けば少しはあるであろうがとても飛行機代を使ってまでも買う価値はなさそうだ。
 オイスカセンターでは、研修生や職員のレベルアップを図るために是非本をそろえたいと考え、図書の充実を計画した。
 個人的にはパプアニューギニアの地図を再度手に入れたい。前回日本に行くとき空港で購入した地図は日本国内の各センターに全て置いてきて、入国するとき買えばいいと考えていたが、とても入国時に買う時間が無く、今日に至っている。またセンターとしては農業教材となる本を揃えたいが、一向に手に入らない。年度も終わりに近づくが前に進まず苦慮していた。
 そこに、ラバウルの港に本を売る船、移動本屋が入るとのニュースが飛び込んできた。当初、行きやすい水曜日の訪問を考えていたが、欲しい本が無くなる可能性があるとのことで、オープンの初日、2月23日の土曜日に行く。
 すごい人出、ロープで仕切られた蛇行する列に2時間並ぶ。万博並みだ。直射日光も厳しくつらい待ち時間となる。
 この船はDOULOSという名前であり団体で、キリスト教団体が主催し世界各国を回っているようだ。中で働くのはいろいろな国から集まった青年達。日本の青年も2年契約で5名ほど乗船しているとのこと。待ちくたびれた人々が並んでいる列の前で踊りや芝居を見せてくれ、気が利く。ようやく中にはいる。日本の小規模な本屋位の本の量だ。幼児向けの本、キリスト教関係の本が大きな面積を占める。専門書や目当ての農業関係の本は少ししか無かったが、それでもこの国では珍しい本と言える。これは読みたい。という本をスタッフに選ばせ、購入した。
 翌2月24日の日曜日も出かけたが、前日の1、5倍の人出。3時間以上待つ状況であったため、あきらめ乗船せず帰ってくる。
 水曜日に再び行く。今度は是非本屋、船を見たいとの要望から研修生の半数を連れて行く。前回は専門書をターゲットに購入したため、一般書を求める。翌木曜日は残り半分の生徒が行くが私は参加しなかった。
 本が少ないPNGではありがたい船だ。この国では教科書は備品であり、毎年同一学年に貸し出せる学校はまだいい学校だ。農村の学校の先生は使い古した教本を手に持ち、読み上げ、または板書に書くという授業をする。生徒達は必死にノートに書き写したり、聞いて勉強している。全国一斉テストもない。これだけ交通が不便だととても出来ない。
 オイスカセンターでは、入学する生徒の能力を前もって書類では判断できない状況にある。総合大学でも同じだろう。必然的に授業料を高くし入学者を制限することとなる。結局お金のある家庭でないと高いレベルの教育を受けられない仕組みとなっている。親は高い教育を子供にさせたく借金の山を築く結果となる。オイスカセンターのスタッフでさえ、子供の授業料分の費用を前借りし、10ヶ月かけて払い戻しているのが現実。またオイスカセンター自体、農村で生きる青年を対象に入学させたいが為、授業料をあまり高く出来ないと考えている。
 再び、DOULOSに話を戻す。2年間一緒に生活するとどの国の青年も船内で仲良くなり、チームワークが良い印象を受けた。
 その青年6名。台湾2、韓国、アメリカ、ソロモン、モンゴルの青年が、3月1日にセンターを訪問してくれた。センター敷地を見学した後、教会でオイスカ研修生達と交流する。DOULOSの青年達はキリスト教の教えを入れての劇や楽器演奏を見せてくれ、研修生にとっても楽しい夕べを過ごす。立ち寄った港で交流、布教活動を続けているようだ。また帰船後オイスカをアピールしてくれたらしく3月3日に再び6名が訪問。1日に来た1名が引率し、新しくシンガポール、台湾、韓国、マレーシアの青年達を連れてきた。日本の青年は来なかった。オイスカのスタッフが敷地を隈無く案内。センターが行っている生命の連鎖農法に興味を持ち、管理がきれいに行き届いていることに感心する。しっかりとセンターのパンフレットや20周年記念時の新聞、またオイスカのアニュアルレポートの在庫が無く2006年版を一冊だけ渡し、オイスカをアピールする。皆楽しんで帰って行った。DOULOS船は4日の日にラバウルを発ちポートモレスビーに行き、ソロモンやフィリピンを航行するようである。今度ラバウルに来るのは10年後とのことだ。
(第60便 移動本屋船 記3月4日)

DOULOS
青空教室
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  平成20年3月4日
        沢 井 勝 之

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