水瓶座時代の年代計算(v0.9)

[1]プラトン年

春分点、すなわち、昼と夜の長さが同じになる春分の日の太陽の位置は、毎年少しずつずれる。現在は、魚座の領域にある。太陽は日々に恒星天上のその位置を変え、四月には魚座、五月には牡羊座というふうに移動し、次の年の春分の日には再び魚座の位置に来る。ただし、この時、全く前年と同じ位置ではなく、微妙に位置がずれていく、そして約2,000年ほどでおよそ30度その位置がずれ、26,000年ほどで春分点はすべての星座を巡って戻ってくる。春分点がどこにあるかで各2,000年間、これはプラトン年と呼ばれているが、その各時代のバックグラウンドが決まる。現在、時代はちょうど魚座から水瓶座へと変わっているところである。しかし、プラトン年が正確には何年か、正確にいつから水瓶座になるかは、いくつか説がある。簡単に概略を紹介し、注を付ける。また、現在の歳差運動の計算による星座表も載せた。

1)スワミ・スリ・ユクテスワ師の(ヒンズー教に基づく)計算

499年〜:魚座
2,499年〜:水瓶座

プラトン年は2,000年、太陽には対になる星があり、その周りを24,000年で回っている。さらに、対の星の周りを回りながら宇宙大中心ヴィシュヌナビーの周りを回っていて、この大中心はブラッマ(宇宙磁気)の座と呼ばれる。ブラッマの座に最も近い位置に来たとき(これは秋分点が牡羊座にあり、春分点が天秤座にあるとき)、精神的徳性ダルマは最高に発達する。逆にブラッマから最も遠い位置に来るとき、精神的徳性ダルマは最低となり、人類は形而上の存在を何も理解できなくなる。 

(注)ヒンズー教では、24,000年を12等分に分割するのではなく、1,200、2,400、3,600、4,800の4種類8期間に区切っている。スリ・ユクテスワ師の計算はこのヒンズー教の暦での計算で、上記の数字はそれを黄道十二宮に換算したものである。牡羊座の始点を天文学に合わせて、恒星レヴァティにとっている。彼以前のヒンズー教ではいわゆるプラトン年の2,000年は地球年ではないとし、ダイヴァ年と呼び、1ダイヴァ年は12×30=360地球年になると考えられていた。

  • ヒンズー教の天宮図  
  • 星図 BC1502 
  • 星図 AD 499 
  • 星図 AD2499 
  • 2)シュタイナー博士「神智学の門前にて」

    〜紀元前3,000年:双子座
    紀元前3,000年〜紀元前800年頃:牡牛座
    紀元前800年〜1,400年頃:牡羊座
    1,400年〜:魚座
    プラトン年は2,160年、春分点が一周するのは25,920年である。プラトン年については1日の呼吸数18×60(分)×24(時間)に等しい。

  • 星図 BC2907 
  • 星図 BC 747 
  • 星図 AD1413 
  • 星図 AD3573 
  • 3)エリザベート・ムルデル女史「星空への旅」

    〜紀元前4,000年:双子座
    紀元前4,000年〜紀元前2,100年頃:牡牛座
    紀元前2,100年〜100年頃:牡羊座
    100年〜2,200年頃:魚座
    2,200年〜4,400年頃:水瓶座

    エジプト文化は紀元2,900年頃になってから始まった。また魚座の特徴は、コペルニクスやケプラー、ガリレオなどの発見旅行が始まった15世紀になってからである。春分点の移動は地球の歳差運動(首振り運動)によるものである。

    (注)ムルデル女史はオランダのヴァルドルフ学校の教師である。シュタイナー博士の話と一致していない理由は記載されていないが、おそらく十二等分せずに、獣帯の大きさ、すなわち星座の領域で計算しているのだろう。

  • 星図 BC4000 
  • 星図 BC2100 
  • 星図 AD 100 
  • 星図 AD2200 
  • 星図 AD4400 
  • 4)西川隆範氏の著作

    紀元前7,227年〜紀元前5,067年:蟹座
    紀元前5,067年〜紀元前2,907年:双子座
    紀元前2,907年〜紀元前747年:牡牛座
    紀元前747年〜1,413年:牡羊座
    1,413年〜3,573年:魚座

    占星学では、25,868年で春分点が一周という説もある。獣帯は大きさが異なるので、水瓶座の領域に入るのは2,373年である。

    (注)1年までの精度で述べているが、牡羊座の年数が2,159年になっており、計算間違いがあると思われる。

  • 星図 BC2907 
  • 星図 BC 747 
  • 星図 AD1413 
  • 星図 AD3573 
  • 5)マイヤー氏の著作

    1844年〜:魚座から水瓶座への過度期が始まる。
    1937年2月3日午前11時20分(中央ヨーロッパ標準時間)〜:水瓶座時代に突入。過度期の後半の92年間が始まる。革命的な事件、発明、発見が次々と起こり、多方面の急速な発達が日常茶飯事になる。おびただしい災難がそれに伴って現れる。新時代の教師はこの過度期の境に近い時期に生まれる。
    2029年2月3日午前11時20分〜:本格的な黄金時代に突入。

    太陽系は銀河の中心太陽の周りを一周しながら、また円運動をして、25,860年でいわゆる十二獣帯を一周している。どの位置にいるかで銀河の中心太陽からの放射線の強い影響を受ける。プラトン年は2,155年。
    水瓶座の性格:黄金の時代、真の生き方がもたらされる、すべてのものが非常に高度な段階に引き上げられ、摂理に基づいて、人間の内部の霊の発達が促進される。すべての秩序は作り直され、高度な段階へ進む。
    最初の影響:信仰心の乏しい科学者が自分たちの有利な地位や権力を背景にして、新時代を巧みに利用する。一般大衆は宗教によって精神が浸食される。宗教に固執する者が狂信的妄想に陥る。
    過度期の184(185)年間は、雨後の竹の子のようにあらゆる種類の宗教が出現し、人々は破滅的な進行に呪縛される。殺人、自殺、あらゆる形態の搾取、誤った教義への帰依から生じる精神的奴隷化が日常茶飯事になる。こうして人々は宗教的影響を強く受ける。自称救世主、偽預言者が大衆に向かって自己宣伝を行い、供物の催促と新しい信者の獲得に血眼になる。
    マイヤー氏の友人ギドー氏によると、銀河の中心からの放射線の影響は、劇の背景のようであると述べられている。同じ劇でも、配役などは同一でも背景が変わると違ったものになる、そういうものである。個人の運命を左右するようなものではない。

    (注)現在も活躍している著者の本には、かなり細かい数字が並んでいる。184または185年の過度期があるとしており、実際に水瓶座の強い放射線に太陽系がさらされるのは2,029年からであるとしている。春分点の移動による影響については、銀河の中心からの影響は太陽系からのその距離が重要である点で、スリ・ユクテスワ師と同じ根拠に基づいていると言える。原文のドイツ語では、太陽系の移動についてかなりあいまいな述べ方をしているようで、英語による解釈がいくつかある。上記の内容は最新版の英語訳に基づいている。

  • 星図 BC 219 
  • 星図 AD1937 
  • 星図 AD4092 
  • [2]歳差運動による影響

    春分点の移動とその影響を考えるにあたっては、移動のしくみと影響を二つに分けて考えると考察しやすい。歳差運動と太陽系の円運動について、どういう説明が可能かを試みた。
    歳差運動は現在のところ太陽の引力の影響によるという説明がされている。コマが重力の影響を受けて歳差運動をするのと同じ原理である。歳差運動は牡牛座のアルデバランや乙女座のスピカの高度変化から実証されたと言われる。紀元前290年のアルデバランの緯度は8度45分であったが、現在は16度である。現在の星座の計算はすべてこれに基づいて行われている。歳差運動により春分点は移動し、十二獣帯を順に移動することになる。地軸の向きはそれに応じて移動し、さらに南半球と北半球とでは対称的な移動が起こる。ただし、ここには一つ大きな問題があると思われる。すなわち、歳差運動の方向は地球の自転や公転と反対方向になるからである。これは力学的にあり得るのだろうか?
    次に春分点の移動による地球への影響を考える。春分点が移動すると、十二獣帯の高度(南中時の高さ)もそれに応じて変化する。これとは異なり、太陽の恒星天上の位置は、1年を通じて変化するが、各獣帯の高度は変化しない。たとえば、現在は双子座の高度が一番高く、射手座の高度が一番低い。これは春分点がどこにあるかから計算できるわけである。春分点が移動することに関連してプラトン年を通じて地球へ一定の影響が与えられるとすれば、この獣帯の高度によるものであると考えられる。高度が変化することにより星と地球の電離層や地磁気の向きなどの関係が変化するため、各獣帯からの放射線の影響も変化すると考えられる。春分点に位置する獣帯からの放射線は常に地球の真横からやってくることになる。
    獣帯による影響は、獣帯の中のどの星によるものか、という点が問題である。獣帯を構成している星々は地球からの距離がそれぞれ異なり、全く関連がない。果たして獣帯からそういう影響があるのか、という根本的な問題もある。プラトン年は一定なので影響を持つ星はほぼ30度ずつ離れて分布していることになるが、これは偶然ということはないだろうが、偶然以外にそういう星が配置している可能性はない。これも歳差運動と獣帯の影響を関連させるときの論理的な未解決問題である。

    [3]太陽系の回転運動による影響

    ヒンズー教などのように、太陽系が他の中心の周りを回っていると考え、プラトン年における影響を考える見方もある。銀河の面と平行な面で回転することで銀河の中心からの距離が変化する。銀河の中心の強力な磁気と宇宙線からは強力な放射線が出ているので、その影響は同心円状の分布をすると考えられる。従って銀河中心に近い同心円の中に入ったときと、遠い同心円の中に入るときとでは異なる影響がある。マイヤー氏では魚座の強力な光線から逃れるというような記述があり、このことかも知れない。我々の銀河の中心は射手座α星の方向にあるが、ヒンズー教では、最も遠い位置の時は春分点は牡羊座の始点に来たときであるとしていて、これでは銀河の中心も牡羊座の始点方向になり、観測と一致しない。
    また、単に円運動するだけでは地軸の方向は変化するが、春分点が十二獣帯を移動していくしくみが説明できない。しかし、次のような可能性がある。銀河の周りを多くの星系は同じ速さで回っている微分回転をしている。すなわち内側の星系の方が外側よりも角速度が速い。このことから局所的には銀河の回転方向と反対の渦が生じる可能性がある。さらに、こういう局所的な回転は他にもいろいろな理由が考えられる。太陽系がそれに巻き込まれた場合、地球ではなく、太陽系自体がそのまま円運動をするので、円運動の中心に対して地軸はいつも同じ角度で回ることになり、一周すると銀河の中心、太陽そして地軸は同じ位置関係、角度関係になる。この円運動を地球中心に考えると、ちょうど歳差運動のように見える。しかも回転の方向は観測と同じように自転と逆向きになることもあり得る。そして歳差運動として観測するとちょうど円運動とこの歳差運動は全く同期していることになる。つまり円運動のどの位置にいるか、銀河の中心からの影響の同心円の中にいるかは、春分点の位置で判断できることになる。また、このとき、十二獣帯のうち、互いに二つずつは同じ同心円に入ることになる。違いは同心円の輪を外側へ向かうか内側へ向かうかだけである。ヒンズー教の天宮図は、はっきりとこの対称性を示している。ただし、ここでも問題は、十二等分しているという点である。この点については、太陽系が円運動をしている中心に大きな質量があり、その星からの影響を仮定することもできる。実はこれが一番論理的に矛盾がない。もちろんこの中心自体が銀河の中心であるということはあり得ない。銀河は非常に大きく、ブラックホールがあると推測されている中心までの距離だけでも少なくとも25,000光年以上はあり、太陽系は秒速200kmでこの銀河を回っていて、一周するにはおよそ2億年ほどかかる。

    [4]1年を通じての獣帯の影響

    1年という期間で獣帯の影響を考えた場合、占星術と現在の太陽の位置は一致していない。つまり、春分の日は、占星術では牡羊座の始まりであるが、現在は太陽は魚座の領域にある。ムルデル女史だけでなく、占星術の解説書によれば、これは占星術が確立したのが、ギリシャ文化期で春分点が牡羊座にあったからといわれている。占星術では、獣帯そのものの影響ではなく、春分の日からの太陽の移動位置で判断する。さらに、マイヤー氏の著作でも、1年における獣帯の影響は、占星術のものを利用すべきであるという記述がある。つまり、春分の日を牡羊座の始点として一年を十二等分して考える。一方、シュタイナー博士の考えに基づく農業従事者が作成している農事暦では、獣帯そのものの影響があると考え、星座の領域と実際の位置を計算に利用している。星座は昔は線でつないで考えていたが、現在では恒星天の領域を示すのに使われるので、各星座によりその大きさは異なるものになっている。従って、ある星座は他の星座よりも大きく、月や太陽はより長い間その領域にいるということになる。星座の領域からの影響を考える場合には、前述のようにどの星の影響かということを明確にする必要があるだろう。また、占星術のように春分の日を始点として十二等分する場合には獣帯そのものの影響ではなく、銀河の中心からの影響と考えられるが、太陽系が逆方向に円運動をしているとすると、春分点の日の地球と太陽、銀河の中心の位置関係は春分点の位置により異なる。すなわち、実際の獣帯により各月の性格を判断する必要があることになり、占星術と異なる。そのため春分の日を牡羊座の始点として考える根拠が説明不可である。これを銀河の中心からでなく、太陽系が円運動しているその中心にある巨大な質量による影響と考えると、容易に説明がつく。つまり、春分点の位置に関係なく、春分の日の地球と中心質量との距離は一定になるからである。