雄武町沖のオホーツク海で、幅10~30メートルの黄色っぽい帯が約1キロにわたって伸びているのを、巡回中の第1管区海上保安本部千歳航空基地の航空機が発見した。花粉とみられ、同基地は「通常なら赤潮と判断するところ。機長以下搭乗員も初めて見る光景だった」と話している。
同基地によると、同基地所属の中型機「おおわし」(ボンバルディアDHC8)が10日午後0時50分ごろ、雄武町沖約5キロの海上で確認した。同様の帯は8日に同町沿岸や稚内沿岸でも見つかっている。
日本気象協会道支社は、今回発見された帯について「花粉の大きいマツ類ではないか」と推測している。昨夏の道内の気温が平年より高かったため、今年の花粉飛散量が多いのに加え、5月の低温も影響して6月に入っても花粉が飛んでいるという。
また、道立衛生研究所によると、5月下旬以降、道路や車両に黄色いマツの花粉が帯状に飛散している事例が各地で相次いでいる。同研究所は「マツ花粉はシラカバ花粉のようなアレルギー誘引物質が少ないので、健康被害などの心配はいらない」と話している。
【円谷美晶、渡部宏人、鈴木勝一】
毎日新聞 2011年6月14日 22時06分