1968年、ジョンソン大統領は「猥褻とポルノに関する諮問委員会」を設置した。
 この諮問委員会はこの諮問委員会は19名の委員と20人のスタッフとから成り、2年間の時間と200万ドルの費用をかけて報告をまとめた。

 『日本大百科全書』には「報告に基づいてポルノグラフィーの販売・陳列・配布の禁止に関する法律をすべて撤廃した」とあり、『世界大百科事典』でも「成人に対するポルノグラフィーの販売、陳列、配付の禁止に関する法律をすべて撤廃するように勧告した。デンマーク、スウェーデン、イスラエル、イギリスなどの研究も同様な結論に達し、日本以外の先進諸国は1960〜70年代にポルノグラフィーを解禁した。」と勧告・研究がポルノ解禁につながったような書きぶりであるが、我妻洋『社会心理学入門』(講談社学術文庫、1987)では、次のように書いてある。

1970年、委員会は700ページに及ぶ膨大な報告書をニクソン大統領に提出し、「成人についてはポルノをほぼ全面的に解禁すべきである」とのべた。ニクソン大統領は激怒して、この報告書をはねつけた。(p.104)


 「はねつけた」報告書に基づいて「法律をすべて撤廃」することなどありそうにないが、本当のところはどうなのか?
 だいたいジョンソン大統領が設置した諮問委員会が、何故ニクソン大統領に答申しているのか? アメリカ合衆国大統領にはリコールはなく任期は決まっており、任期内に答申の提出が行われるのが当然であり普通でもあるのに。

 以下では、諮問委員会が提出した1巻の要約(これだけで700ページある)と9巻の研究報告書(Technical report)が「闇に葬り去られた顛末」を簡単に紹介する。



 『世界大百科事典』(平凡社)の「ポルノグラフィー」の項では、このCommission on Obscenity and Pornography(猥褻とポルノに関する諮問委員会)が設置に至った経緯が次のように記されている。

「ポルノグラフィーを取り締まるためには,それが反社会的行動を誘発して有害であることを証明しなければならぬという世論が1960年代に高まった。そこで,アメリカではジョンソン大統領の諮問をうけて,19名の権威者と20名のスタッフが〈猥褻とポルノグラフィーに関する委員会〉をつくり,68年から2年間に200万ドルを費やして実証的研究を行ったが……」
 
 しかし実際には、
「わいせつ文書及びポルノグラフィーの流通の実態はもはや放置しえない段階に至っており、連邦政府はそうした文書や書物が国民、特に青少年にとって有害な影響を及ぼしているのかどうか、またそれらをより効果的に取り締まる方法があるのかということについて、早急に検討を始めるべきである」との決議案が連邦議会で採択され、これに基づき諮問委員会の設置を大統領に求める法案もまた可決されたことによる。

 1950年代末から60年代にかけては、これまで「わいせつ」とされ検閲されてきた文学作品が勝訴していった時代であった。たとえば1930年代から再三にわたって検閲・没収・出版者の逮捕にさらされてきたD・H・ロレンス『チャタレイ夫人の恋人』は1959年に、発送中の書籍を没収した郵政省が裁判の結果敗訴し、結局この年のベストセラーリストの2位となる売上げをあげた。1934年にパリで出版されて以来、アメリカ国内では禁書扱いだったヘンリー・ミラー『北回帰線』は1961年に無削除版が出版、多くの書店経営者が逮捕され発行元のグローブ・プレス社は60もの訴訟にさらされたが、1964年に最高裁の判決によりこの小説の合法性が確定した。同年には1820年以来発禁扱いであった、最初の近代的ポルノグラフィーされるジョン・クレランド『ファニー・ヒル』が出版され、当局はすぐさま没収する手段に出たが、これも裁判が行われ、1966年には最高裁判決により合法であるとの決着がついた。1965年に出版されたウィリアム・バロウズ『裸のランチ』が1966年に勝訴したのを境に書籍についてのこうした取り締まりは鳴りをひそめ、性表現の日常化と氾濫の時代が幕を開けた。
Allyn, David, Make Love, Not War – The Sexual Revolution: An Unfettered History. New York 2000,

 これに対して「猥褻とポルノに関する諮問委員会」の設置はもともと、「より効果的に取り締まる」ことを狙ったものであり、実のところを目指すというよりむしろ、訴訟を通じてすでに達成されつつあった「ポルノ解禁」に対する反動の意味が強かったと見るべきであろう。
 この設置意図からして、「ポルノは無害である」との諮問委員会の答申は受け入れ難いものであり、後に連邦議会は、ニクソン大統領とともに激しい言葉で非難し、答申の受諾を拒否することになる。
 もともと政府の指示に基づき政府予算で作成された諮問委員会報告書であるにも関わらず、そのイラストレイデッド版の編者が「わいせつ物郵送謀議」で逮捕され有罪判決をうけるといった事件まで起こる始末であった。
Michael Hemmingson(2004). "An Interview with Earl Kemp of Greenleaf Classics" in
Lunch, L., & Parfrey, A. (2004). Sin-a-rama: Sleaze sex paperbacks of the sixties. Los Angeles, Calif: Feral House.

 諮問委員会の設置にまで、時間を戻そう。
 ジョンソン大統領は、この諮問委員会の設置にあまり乗り気でなかったらしい。ポルノの規制にせよ解禁にせよ、いずれの結論が出ても、それを巡る論争や政治的揉め事が持ち上がることが予想されたからだ。
 このためジョンソン大統領は結論を引き伸したい動機があり、任期内に答申提出を求めることすらしなかった、と諮問委員会で影響力検討小委員会(effect panel)の委員長をつとめたLarsenは述懐している。
Larsen O. N.(1975). The Commission on Obscenity and Pornography: Form, Function, and Failure. in Komarovsky, M. (ed.) Sociology and public policy: The case of Presidential commissions. New York: Elsevier.

 ともあれ1968年1月には18名の委員が任命されることとなった。法学者・裁判官6が名、宗教関係者4名、それに社会学者が4名、精神科医が2名が入っていた。
 議会が予算を承認し、1968年7月にインディアナ大学の性化学研究所で最初の会合がもたれた。憲法学者でミネソタ大学の法学部長だったウィリアム・ロックハートが議長に選出された。
 委員会には4つの小委員会(panel)が設置され、同時並行で議論は進められることになった。
(1)わいせつ文書やポルノグラフィーの取引、流通の実態を調査するtraffic and distribution panel
(2)わいせつ文書やポルノグラフィーの影響の有無を検討するeffect panel
(3)性教育をはじめとする社会政策について検討するpositive-approaches panel
(4)法律上の諸問題を検討するlegal panel
 これら小委員会の報告を元に答申がまとめられた。答申には10項目あったが、いずれも委員全員の一致をみた者ではなく、多数委員の意見として採択されたものであった。

 答申の中で最も強調されたことは、大規模な性教育の実施であった。
 これに対してポルノグラフィーについての法的規制に関しては、「ポスのであろうが何であろうが、成人が読みたいものを読み、見たいものを見るという個人の自由は何人も鑑賞することができない」「そうした自由を制限する法律は、国法であろうと州法であろうと直ちに廃止されなければならない」と提言した。
 その理由として、
(1)これまでの研究成果をみるかぎり、ポルノを見たり読んだりすることが犯罪や非行、性的逸脱、情動障害といった社会問題及び個人レベルでの不適応の主たる原因とはみなされないこと
(2)成人の間では、ポルノは娯楽や情報源として利用されている実態があること
(3)ポルノの法的規制が実効をあげていないこと
(4)世論調査の結果、国民の多数はポルノの法的規制に賛成でなかったこと
があげられた。

 この答申が最終的に連邦議会と大統領とに手渡されたのは1970年9月30日だった。
 10月13日、上院は60対5という大差で答申の受諾を拒否することを決議し、「諮問委員会は議会が求めたことについて適切な回答をしなかった。そのうえ、答申内容も十分な研究の裏付けを得たものではなかった」と批判した。
 10月24日、ニクソン大統領もまた「答申内容を仔細に検討した結果、これは国民の道徳心を堕落させるものであり、私としては決して受け入れることができないものである」「諮問委員会は本来の任務を遂行しなかったと言わざるを得ない」というコメントを発表した。



文献 bibliography

猥褻とポルノに関する諮問委員会 報告書
(要約)
Barnes, C., & United States. (1970). The Report of the Commission on Obscenity and Pornography. New York: Bantam Books.


(研究報告書)
United States. Commission on Obscenity and Pornography. (1970-1971). Technical report of the commission on obscenity and pornography 9 vols.
 v. 1. Preliminary studies --
 v. 2. Legal analysis --
 v. 3. The marketplace: the industry --
 v. 4. The marketplace: empirical studies --
 v. 5. Societal control mechanisms --
 v. 6. National survey --
 v. 7. Erotica and antisocial behavior --
 v. 8. Erotica and social behavior --
 v. 9. The consumer and the community.

(イラストレイテッド版)
United States., & Kemp, E. (1970). The illustrated presidential report of the Commission on Obscenity and Pornography. A Greenleaf classic, GP555. San Diego, Calif: Greenleaf Classics.


Komarovsky, M. ed.(1975) Sociology and public policy: The case of Presidential commissions. New York: Elsevier.
Sociology and Public Policy: The Case of Presidential CommissionsSociology and Public Policy: The Case of Presidential Commissions
(1975/09)
Mirra Komarovsky

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影響力検討小委員会(Effect Panel)の委員長Otto N. Larsenの述懐を含む


Lunch, L., & Parfrey, A. (2004). Sin-a-rama: Sleaze sex paperbacks of the sixties. Los Angeles, Calif: Feral House.
Sin-a-rama: Sleaze Sex Paperbacks Of The SixtiesSin-a-rama: Sleaze Sex Paperbacks Of The Sixties
(2004/11)
Brittany A. Daley、 他

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逮捕されたイラストレイテッド版編者Earl Kempのインタビューを含む

三井宏隆(1990).「社会科学と社会政策 : ある大統領諮問委員会の顛末」『哲學 』90, 165-197.


その他
チャタレイ夫人の恋人 (新潮文庫)チャタレイ夫人の恋人 (新潮文庫)
(1996/12)
D.H. ロレンス

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北回帰線 (新潮文庫)北回帰線 (新潮文庫)
(1969/01)
ヘンリー ミラー

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ファニー・ヒル (河出文庫)ファニー・ヒル (河出文庫)
(1997/08)
ジョン クレランド

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裸のランチ (河出文庫)裸のランチ (河出文庫)
(2003/08/07)
ウィリアム・バロウズ

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Make Love, Not War: The Sexual Revolution: An Unfettered HistoryMake Love, Not War: The Sexual Revolution: An Unfettered History
(2001/04/30)
David Allyn

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抜粋

ポルノグラフィー(ぽるのぐらふぃー)
pornography
人間の性または性的興奮の誘発を目的とする小説、絵画、映画、写真などの総称で、略してポルノともいい、伝統的な好色文学とは区別して現代的、西洋的なものについていうことが多い。西洋では18世紀にジョン・クレランドJohn Cleland(1709―89)の『ファニー・ヒル』(1748〜49)、マルキ・ド・サドの『ジュスチーヌ』(1791)などが出てサドやカサノーバの快楽主義が流行し、ポルノグラフィーの黄金時代といわれたが、もっぱら一部の貴族や大ブルジョアのものであった。19世紀になり、印刷技術の発達と、中産階級が読書の能力と経済力をもつようになって市場が広がり、また写真が発明されるなどして、『蚤(のみ)の自伝』(1887)、『インドのビーナス』(1889)、『フロッシー』(1897)、『わが秘密の生涯』(1885ころ)などのほか、雑誌も『パール』『ブードア』など数多く発刊されておびただしいポルノグラフィーが氾濫(はんらん)したが、良風秩序を害するというので検閲制度も設けられるに至った。20世紀に入り、検閲は依然として行われたが、1960年代にアメリカでは、大統領ジョンソンの諮問を受けた19名の有識者の報告に基づいて、成人に対するポルノグラフィーの販売・陳列・配布の禁止に関する法律をすべて撤廃し、ついでデンマーク、スウェーデン、イスラエル、イギリスその他の諸国も1970年代にそれぞれ解禁した。(後略)
[ 日本大百科全書(小学館) ]




ポルノグラフィー
pornography
一般に,性的行為のリアルな描写を主眼とする文学,映画,写真,絵画などの総称。略してポルノporno ともいい,伝統的な好色文学などと区別して近・現代的なものを指すことが多い。語源はギリシア語の pornographos で〈娼婦 porn* について書かれたもの graphos〉を意味する。それはやがて,英語でいう obscene(猥褻(わいせつ))な文学のことになった。obscene の原義は,〈scene(舞台)からはずれたもの〉つまり舞台では見せられないもののことであるという。表に出せるものに対して,裏のものをポルノグラフィーというわけである。とすれば,〈裏本〉〈裏ビデオ〉などという現代日本におけるいい方もポルノグラフィーにふさわしいことになる。
 しかし両者を分ける絶対的な規準はない。両者は検閲によって分けられるが,この検閲は時代と社会によって相対的に動いてゆくものである。したがってポルノグラフィーは,時代が定める検閲の境界と読者層との関係のうちにとらえられるべきなのである。検閲と読者層という面からポルノグラフィーを眺めると,その歴史は19世紀以前と,19世紀以降の二つに大きく分けることができるだろう。18世紀は過渡期である。この世紀は〈ポルノグラフィーの黄金時代〉ともいわれている。たしかに快楽主義が流行し,サドやカサノーバが性のユートピアを追い求めた。J. クレランドの《ファニー・ヒル》(1749),サドの《ジュスティーヌ》に対抗して書かれたレティフ・ド・ラ・ブルトンヌの《アンティ・ジュスティーヌ》(1798)などのポルノグラフィーの傑作がこの時代に書かれている。それにもかかわらず,ポルノグラフィーが社会的な問題となるのは19世紀になってからである。なぜなら,18世紀までは,ポルノグラフィーはもっぱら一部の貴族や大ブルジョアのものだったからである。
 19世紀になって,中産階級の上層部が本を読む能力と経済力をもつようになったとき,ポルノグラフィーの検閲が問題になってくる。たとえば,《ファニー・ヒル》は出版されたときは,なんの規制も受けなかったが,1820年にアメリカでこの本を売っていた書籍商が処罰された。ニューヨーク州でこの本が解禁になったのは1963年であった。皮肉なことに,1964年になって,イギリスでこの本の処分をめぐって裁判があり,没収破棄の判決が出された。これからもわかるように,検閲に関しては,19世紀から20世紀の60年代まで連続した見方がつづいていたのである。
 19世紀には複製技術の発達と市場の拡大によって,おびただしいポルノグラフィーがあふれた。また,写真の発明もいち早く利用され,19世紀半ばにはポルノ写真がかなり出回りはじめた。ビクトリア朝のイギリスの中産階級の間で特にポルノグラフィーが栄えたのは,この時代が表と裏を厳しく分けていたせいであった。ビクトリア朝の人々は,表では性的なものがまったく存在しないかのようにふるまっていた。特に女性や子どもは性的なものに触れないように守られていた。一般の女性は性的なことに無知で,子どものように無邪気であるのがいいとされていた。性的な言葉は家庭では使うことが禁じられ,〈脚 leg〉という言葉さえ無作法であるとされていた。表と裏を分ける指標の一つは陰毛であった。ビクトリア朝の芸術展にはおびただしいヌードが出品され,ひじょうにエロティックなものもあったが,陰毛を描かないという規則によってポルノグラフィーと区別されていた。現代においても,陰毛が見えるか見えないかが猥褻の規準となっているのも,われわれがビクトリア朝以来の性的道徳のパースペクティブの中にいることを示している。
 あるものをないようなふりをして,表面から隠すというビクトリア朝の偽善的な道徳は,逆にすべてを裏側に押しこんだために,裏側の世界が巨大にふくれあがった。表面はまじめなビクトリア朝の紳士は,裏で娼婦とポルノグラフィーを愛好したのであった。I. ブロッホの《イギリスの性生活》(1912)によれば,19世紀では,1820‐40年,1860‐80年に特にポルノグラフィーが多く出版された。これははじめの時期は,ブルックス,ダンコンブ,次の時代に W. ダグデールという出版者が活躍したせいであったという。また,イギリスでのポルノグラフィーの需要が多かったので,パリやブリュッセルで印刷されて輸入されたものも大量にあった。《蚤の自伝》(1887),《インドのビーナス》(1889),《ローラ・ミドルトン》(1890),《フロッシー》(1897)といった本のほかに,ポルノ雑誌もたくさん出された。《パール》(1879‐82),《ブードア》(1883)などが有名である。ビクトリア朝の時代相をよく物語っている自伝的ポルノグラフィーの代表として,《わが秘密の生涯》(1885ころ,匿名),F. ハリス《わが生涯と恋》(1925‐29)をあげておこう。なお,19世紀はポルノグラフィックな芸術においても多産な世紀であった。A. ビアズリー,F. ロップス,F. von バイロスなどの作品がすぐれている。
 20世紀に入っても,ビクトリア朝的検閲のある部分はそのままであった。1928年に D. H. ロレンスの《チャタレー夫人の恋人》がイタリアで出版されたとき,イギリスは国内での発売を禁止した。ポルノ産業は20世紀にますます大きくなった。現代の一つの特徴は,文学や芸術が表と裏の境界を意識的に利用してポルノグラフィックな想像力を刺激・消費しようとしていることである。ビクトリア朝からつづいたポルノの検閲は,1960年代に一部が解禁され,80年代にはさらに新しい段階にさしかかっている。
         海野 弘

[特徴と社会への影響]  W. アレンによると,猥褻性が美学的概念なのに対して,ポルノグラフィーは道徳的概念であるという。ポルノグラフィーは,偽善や上品ぶる感情の内面を暴露したものにほかならない。以下,その現代的意味について,アメリカを中心に記述する。
 P. C. クロンハウゼン夫妻は,ポルノグラフィーの特徴をとらえるのに次の12項目を挙げている。全体の構成,誘惑,破瓜(はか),近親相姦,性行動を放任・奨励する両親,涜聖行為,淫(みだ)らな言葉,精力絶倫型男性,色情狂型女性,性の象徴としての黒人や東洋人,同性愛,鞭打ち。ポルノグラフィーの構成は,不道徳な影響を及ぼすような強烈なエロティック場面の連続で作られており,エロティックでない,気を散らす部分がない。ハード・コア・ポルノグラフィーは性交をあからさまに描いたものであり,ソフト・コア・ポルノグラフィーは性交シーンの偽装,フレンジー・ポルノグラフィーは異常性愛を扱ったもの,と分類されている。ポルノグラフィーの目的は,人間生活の基本的現実を描写するよりも,むしろ読者を性的に興奮させるために,エロティックな心像をひきおこさせることにあり,心理的催淫剤の役割をつとめる点にある。
 ポルノグラフィーを取り締まるためには,それが反社会的行動を誘発して有害であることを証明しなければならぬという世論が1960年代に高まった。そこで,アメリカではジョンソン大統領の諮問をうけて,19名の権威者と20名のスタッフが〈猥褻とポルノグラフィーに関する委員会〉をつくり,68年から2年間に200万ドルを費やして実証的研究を行ったが,その報告書の中で委員会は〈性への興味はごくあたりまえの,健康で善良なものであり,ポルノグラフィー問題の大部分は人々が性に対して率直でおおらかな態度をとりえないことが原因をなしている〉と述べ,成人に対するポルノグラフィーの販売,陳列,配付の禁止に関する法律をすべて撤廃するように勧告した。デンマーク,スウェーデン,イスラエル,イギリスなどの研究も同様な結論に達し,日本以外の先進諸国は1960〜70年代にポルノグラフィーを解禁した。ポルノグラフィー解禁運動は人間性解放や差別撤廃,精神・言論自由化の運動の一つであるが,国家権力が国民の要求によって解禁に譲歩することによって国家の本質についての問い直しを避け,その要求を無力化した,と考える見方もある。
 ポルノグラフィーの心理的影響も科学的に調査されるようになった。ポルノグラフィーを見ても全員が興奮するとは限らず,研究者によって数値は異なるが,近年の調査によれば,男性の23〜77%,女性の8〜66%が性的興奮を示すにすぎない。その刺激は短時間しか持続せず,抑制によって反応を抑えることもできる。性映画の性的刺激効果は48時間以内に急速に弱まり,性生活に影響を与えない。毎日ポルノグラフィーを見せると興味はしだいに薄れ,1週間後には〈見あきた〉といい出し,3週間後には〈もう見たくない〉という飽和現象が認められる。嫌悪感を抱くかどうかについては,ランニング,割礼,ポルノグラフィー(性交)の各映画を見せて反応を調べると,快適な気分になるのは性交シーンが最高得点であり,不快感は性交シーンが最低得点である。デンマークでは,ポルノグラフィーが広まるとともに性犯罪が激減し,解禁後は3分の1に減った。アメリカの性犯罪者は,10歳代でポルノグラフィーを見る機会がなかった人に多いという。強姦者は,性をタブー視する家庭に育ち,その18%はエロティックな物品を持っていて親に叱られた経験者である。
 性的な文書をポルノグラフィーだと考える傾向は,性行動に罪悪感を抱いている人ほど強い。欧米のポルノグラフィーには性交シーンを悪魔がのぞき見しているなどの形で罪悪感がつきまとっていることが多いが,日本の浮世絵春画や春本には罪悪感がみられない。これは,宗教や民俗のちがいによると思われる。
    小林 司





1968年、ジョンソン大統領は「ワイセツとポルノに関する諮問委員会」を設置してそれにポルノ解禁問題をはかった。この諮問委員会は19名の委員と20人のスタッフとから成り、2年間の時間と200万ドルの費用をかけて、あらゆる種類のポルノの実態と、その社会に及ぼす影響を調査した。委員会の依頼を受けたノルウェーの心理学者カチンスキー(Katchinskey)は、ポルノが解禁になったデンマークにおいて、のぞき見とか幼児への性的な悪ふざけのような性犯罪は年々めだって減少したのに対して、強姦やサディズム的行為はぜんぜん変化しなかったことを認めた。つまり、ポルノ映画とかポルノ雑誌を鑑賞することは、ある種の性行動の代償にはなっても、他の性行為の代償にはならなかったわけである。ただし、ポルノに刺激されて性犯罪が増えたと言う事実は、まったく認められなかった。カチンスキーはこの点をはっきりと報告書に書いた。1970年、委員会は700ページに及ぶ膨大な報告書をニクソン大統領に提出し、「成人についてはポルノをほぼ全面的に解禁すべきである」とのべた。ニクソン大統領は激怒して、この報告書をはねつけた。(我妻洋『社会心理学入門』(講談社学術文庫,1987)上pp.103-104)

社会心理学入門〈上〉 (講談社学術文庫)社会心理学入門〈上〉 (講談社学術文庫)
(1987/10)
我妻 洋

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 この記事の末尾につけたリストは、内務省が旧出版法(明治26(1893)年制定)に基づき検閲を行い、「安寧秩序妨害(禁安)」「風俗壊乱(禁風)」に当たるとして発売禁止処分にした図書の一覧である。
 国立国会図書館蔵書検索・申込システムで、
(1)請求記号が特501-で始まるもの(内務省から米軍が接収し、1976年から1978年までに米国議会図書館から返還されたもの)
(2)同じく請求記号が特500-で始まるもの(昭和12(1937)年以降、内務省から移管された帝国図書館蔵のもの)
を抽出してマージして作成した。
 ただし押収した図書を保管していた内務省保管書庫は、関東大震災により焼失しているため、(1)(2)とも大正12(1923)年秋以降に処分を受けたもののみで、それ以前のものは残っていない。

発禁書点数推移


 発禁書は、「アカ」(マルクス主義に限らず労働運動等にも)と「エロ」(井原西鶴、ゾラから性科学まで)と「宗教」に限らない(後述の「日本十進分類ごとの発禁書点数」を参照)。他にも


幕末・明治・大正回顧八十年史. 第3輯(東洋文化協会、昭和8.4)

http://opac.ndl.go.jp/recordid/000000695287/jpn

(禁止理由)「御写真等粗末ナル」こと (安寧秩序妨害(禁安))


小学生の読む陸軍読本(金の星社、昭和8.10)
http://opac.ndl.go.jp/recordid/000000694736/jpn

(禁止理由)軍事機密が載っている (安寧秩序妨害(禁安))


といったものもある。もちろん、いわゆる「エログロ」もあるのだが、



犯罪図鑑 江戸川乱歩全集付録(平凡社、昭和7.5)

http://opac.ndl.go.jp/recordid/000000695311/jpn

(禁止理由)「拷問ソノ他変態性欲等ノ残忍ナル絵画写真ヲ収録」 (風俗壊乱(禁風))


……平凡社の気が利き過ぎた付録。


女優ナナ エミール・ゾラ原作(三興社、昭和3.9)
http://opac.ndl.go.jp/recordid/000000790039/jpn

(禁止理由)「風俗上有害ナリト認メラル性的場面ノ露骨ナル描写」 (風俗壊乱(禁風))


……どんなすごい小説かと思う。『ナナ』には、やたらと邦訳があるが、手に入りやすいものを挙げておく。

ナナ (新潮文庫)ナナ (新潮文庫)
(2006/12)
ゾラ

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日本十進分類ごとの発禁書点数
(点数上位30、多い順)

日本十進分類ニホンジュッシンブンルイ(NDC) 発禁点数ハッキンテンスウ レイ
363 社会主義シャカイシュギ 236 社会運動に投ぜんとする青年に与ふ/ 山川均〔等〕述
共産党宣言/カール・マルクス,フリードリツヒ・エンゲルス共著 ; デ・リヤザノフ編評註 ; 大田黒研究所訳編
一切を挙げて赤露の挑戦に備へよ/赤尾敏著
913.6 小説ショウセツ 物語モノガタリ 近代キンダイ 172 男女の秘密/山本春雄作
「女重役」と女共産党員発表号/SMG-171号作
江戸川乱歩選集. 第6巻(「黒蜥蜴クロトカゲ収録シュウロク
169 その他の宗教 新興宗教 115 記紀真釈/出口王仁三郎著
教のかがみ/清水英範著 ; 日の本教会本部編
生命の実相 : 生長の家聖典. 信の巻/谷口雅春著
366 労働経済 労働問題 103 労働組合読本/荒畑寒村著
失業と失業に対する闘争/ 「インタナシヨナル」編輯部訳編
弥次喜多労働組合の巻
310 政治 67 ロシア共産党第十五回報告演説/スターリン〔著〕 ; 秋田篤訳
日本愛国革新本義/橘孝三郎著
興亜聖戦の輿望/足立陽太郎著
155 国体論 詔勅 47 左傾ニ関シ国事御願/島安兵衛著
皇道の栞/有留弘泰編
大日本忠孝訓/中島竜三著
911.5 39 日本プロレタリア詩集. 1929年版/日本プロレタリア作家同盟編
罰当りは生きてゐる : 岡本潤詩集
帝国情緒 : 詩集/鈴木政輝著
148 相法 易占 33 二十八宿詳解 : 吉凶速断/高島易断所本部神宮館編
恋の辻占 : 都々逸独占い
家相の見方 : 家業繁栄子孫長久/松田定象編著
210.7 日本史ニホンシ 昭和時代 33 上海事変に就て/内藤順太郎編
五・一五事件軍法会議記録
2・26事件を語る/黒木正麿著
319.1  外交 国際問題 日本ニホン 29 満蒙論 : 満蒙の経済的価値と日本のとるべき態度/室伏高信著
聯盟脱退と国民の覚悟/竹林芙蓉著
英国打倒欧洲参戦の主張 /野依秀市著
367.6 性問題 29 カーマスートラ(性愛の学/印度学会訳編
男女生殖器図解全書/花柳隠士著
正しい性教育/ジー・デー・オールズ著 ; 湯浅与三訳
304 論文集 評論集 講演集 27 金持の父と子へ/武藤重太郎著
デパートの白魔 : 本当にあった事/週刊朝日編輯局編
銃後の叫び/林喜一著
315 政党 政治結社 27 農民の無産政党の国際的形勢/オイゲン・ウァルガ著 ; 大西俊夫訳
全国大衆年鑑. 1931/浅沼稲次郎編
日本共産党公判闘争傍聴記
194 キリストキョウ 信仰録 説教集 24 基督教道話/前田元二著
聖書より見たる日本/中田重治著
約束の地/バツクストン著 ; 米田豊訳
911.16 和歌 24 おいらはプロレタリア : 歌集
花明山 : 第1歌集 /出口王仁三郎著
奥戸足百・影山正治両君獄中吟詠歌集出版後援会要綱並作品抜抄
611.9 農村・農民問題  23 農村と青年運動/三宅正一著
農民の福音 ノウミン ノ フクイン 赤羽一著
農村調査の要点
491 基礎医学 22 性慾の実際と其善用/久保川南柯著
結婚愛/マリー・ストープス著 ; 矢口達訳
正しい性生活/H.W.ロング著 ; 性科学研究所訳
238 ソビエト連邦 19 労農ロシアの社会主義的建設 : 社会主義への道/ブハーリン原著 ; 河上肇,大橋積共訳
世界を震撼させた十日間/ジヨン・リード著 ; 樋口弘,佐々元十共訳
ロシヤ大革命史. 第3巻/ロシヤ国立図書出版所編 ; 南蛮書房編輯部訳
915.9 記録・報告文学 19 噫!忠烈加納部隊/伊藤実著
妙法の御名を叫びて死闘四十時間 : 秋尾伍長血戦記/倉沢樹一郎編
独立機関銃隊いまだ猛射中なり /坂口一郎著
198 キリスト教 各教派 教会史 18 苦難の福音/中田重治講演 ; 大江信筆記
天よりのラジオ/ジョン・トマス著 ; 蔦田二雄訳
救世軍亡国論/小俣洋平著
289.1 個人伝記コジンデンキ 日本人 18 労働者・農民の代議士山本宣治は議会に於て如何に闘争したか?/政治的自由獲得労農同盟編
東郷元帥写真帖/大日本偉勲顕彰会編纂部〔編〕
軍神杉本五郎中佐/中桶武夫著
368 社会病理 18 特殊部落一千年史 : 水平運動の境界標/高橋貞樹著
全国水平社第十二回大会詳報
動く愛国団体 : 新日本国民同盟等の改造断行請願運動
312.1 政治史・事情 日本ニホン 16 不逞不臣の暴状輔弼の重責を汚す放蕩無頼の現内閣
政党及び憲政史/田中康夫著
軍部の系派・動向/小林住男著
384 社会・家庭生活の習俗 16 猥褻と科学 /〔宮武〕外骨編
春画王の告白/堀伊八著
芸者生活打明け話
598 家庭衛生 15 性愛技巧と初夜の誘導/羽太鋭治著
不感症と早漏の素人療法/隠士菊翁著
夫婦道心得帖 : 通俗医学/艸楽園主人著
912 戯曲 15 菊池寛戯曲全集. 第1巻(「特殊部落の夜」所収)
戯曲資本論/阪本勝著
鍬と銃 : 反戦小脚本集/コツプ日本プロレタリア演劇同盟レパアトリイ委員会編
170 神道 12 全村ノ祀神法ヲ統一シ教化方針ヲ確立セヨ/尾家天霊著
月読基礎学生業書/石井藤吉著
宇宙神秘ト信仰 : 大和民族之使命 /青木茂著
913.5 小説 物語 近世 12 梅ごよみ・春告鳥/為永春水著 ; 博文館編輯局校訂
西鶴全集/石川巌編
ねさめくさ/悟道軒書
311 政治学 政治思想 11 帝国主義と戦争問題/コムミンテルン編 ; 町田鶴哉訳
フアシズム論/パシユカニー,エルコリ著 ; 吉野次郎,万里信一郎共訳
ヒットラーは何を求るか/イ・オ・ロリマー著
908 叢書 全集 選集 11 恋百態/河森萍花訳
巴里・上海エロ大市場/尖端軟派文学研究会編
世界猟奇全集



 ローマ・カトリック教会では、トリエント公会議の後に禁書目録の作成の方法を定め、1564年に規範となるべき禁書目録Index librorum prohibitorum を作成した。禁書目録は1948年まで作成され(ただし追加は続き、例えばアンドレ・ジイドは1952年、サルトルは1959年に禁書目録に追加されている)、1966年6月14日の教理省宣言および同年11月15日の同省教令まで、教会法としての効力を持ち続けた。
 禁止される事項は、読むことはもちろんのこと、出版 、閲読 、保持 、販売 、翻訳 、他人へその存在を教えることなどを及んでいた。もっとも、禁書目録に載ったものだけが禁じられた書ではなく、他にも多くの書物が、自然法および旧教会法典(1917)の一般規定(第1399条)によって禁じられていた。
 また、1966年の通告には,禁書目録は、教会法的効力を有しないにせよ、自然法が要求しているとおりに,信仰と道徳を危険にさらす出版物を避けることを、信徒の良心に教えるという範囲で、その道徳的影響力を保っているとつけ加えられている。

 1948年版の禁書目録は次のURLで閲覧できる
INDEX LIBRORVM PROHIBITORVM -- 1948
http://www.cvm.qc.ca/gconti/905/BABEL/Index%20Librorum%20Prohibitorum-1948.htm


 この記事の最後に、1948年版の禁書目録を元に集計した禁書点数順のリストをつけた。
 ヴォルテールが37冊(Voltaire名義で30、本名François-Marie Arouetで7)と最も多いが、以下、ジャン・ド・ラノワ(Launoius (Launoy), Ioannes)が27冊、グレゴリオ・レティ(Leti, Gregorio)が22冊、ジョゼフ・トゥルメル(Turmel, Joseph)が21冊、ルナン(Renan, Ernest)が19冊と続く。
 しかし日本でそれほど知られない人物も多いので、やり方を切り替えて、有名そうな者を拾い上げて紹介することにした。

 以下のリストは、禁書目録からの抜粋を、禁書とされた年代順に並べてあるが、同じ著者の複数の作品が禁書になることももちろんあり、この場合は代表作っぽい方を選んだ。
 全著作(Opera omnia)、全小説(Omnes fabulae amatoriae)が禁書という者も少なくないが、この場合も代表作を紹介する。


ホッブス
Hobbes, Thomas / Opera omnia. 1649

リヴァイアサン〈1〉 (岩波文庫)リヴァイアサン〈1〉 (岩波文庫)
(1992/02)
T. ホッブズ

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エラスムス
Ungepauerus, Erasmus / Commentarius super decretales; opus posthumum. 1661

デカルト
Descartes, Renatus / Meditationes de prima philosophia, in quibus Dei existentia et animae humanae a corpore distinctio demonstratur. Donec corrig. 1663

省察 (ちくま学芸文庫)省察 (ちくま学芸文庫)
(2006/03)
ルネ デカルト

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ベーコン
Baco, Franciscus / De dignitate et augmentis scientiarum libri IX. Donec corrig. 1668

学問の進歩 (岩波文庫 青 617-1)学問の進歩 (岩波文庫 青 617-1)
(1974/01/16)
ベーコン

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モンテーニュ
Montaigne, Michel de / Les essais. 1676

エセー〈1〉エセー〈1〉
(2005/10)
Michel de Montaigne、 他

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スピノザ
Spinoza, Benedictus de / Tractatus theologico-politicus, continens dissertationes aliquot, quibus ostenditur libertatem philosophandi non tantum salva pietate et reipublicae pace posse concedi, sed eandem nisi cum pace reipublicae ipsaque pietate tolli non posse. 1679

神学・政治論 上巻―聖書の批判と言論の自由神学・政治論 上巻―聖書の批判と言論の自由
(1944/06)
スピノザ

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ミルトン
Miltonus, Ioannes / Literae pseudo-senatus anglicani, Cromwellii reliquorumque perduellium nomine ac iussu conscriptae. 1694

ラ・フォンティーヌ

La Fontaine, Jean de / Contes et nouvelles en vers. 1703

ラ・フォンテーヌ寓話ラ・フォンテーヌ寓話
(1997/10)
ラ・フォンテーヌ

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マールブランシュ
Malebranche, Nicolas / Entretiens sur la métaphysique et sur la religion. 1712

形而上学と宗教についての対話形而上学と宗教についての対話
(2005/03)
ニコラ マルブランシュ

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ロック
Locke, John / An essay concerning humane understanding. 1734

人間知性論 1 (岩波文庫 白 7-1)人間知性論 1 (岩波文庫 白 7-1)
(1972/10/16)
ジョン・ロック

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スウェーデルボリ
Swedenborgius, Emanuel / Principia rerum naturalium sive novorum tentaminum phaenomena mundi elementaris philosophice explicandi. 1738

バークリー
Berkeley, George / Alciphron, or the minute philosopher. 1742

デフォー
Defoe, Daniel / History (Political) of the devil, as well ancient as modern. 1743

モンテスキュー

Montesquieu, Charles de Secondat de / Esprit (De L') des loix ou du rapport que les loix doivent avoir avec la constitution de chaque gouvernement, les moeurs, le climat, la religion, le commerce. 1751

法の精神〈上〉 (岩波文庫)法の精神〈上〉 (岩波文庫)
(1989/08/16)
野田 良之、モンテスキュー 他

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ヴォルテール

Voltaire, François-Marie Arouet / Lettres philosophiques. 1752

哲学書簡 (岩波文庫 赤 518-2)哲学書簡 (岩波文庫 赤 518-2)
(1980/09/16)
ヴォルテール

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エルベシウス
Helvétius, Claude-Adrien / Esprit (De l'). 1759

ヒューム
Hume, David / Opera omnia. 1761

人性論 (中公クラシックス)人性論 (中公クラシックス)
(2010/07)
ヒューム

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ルソー
Rousseau, Jean-Jacques / Emile, ou de l'éducation. 1762

エミール〈上〉 (岩波文庫)エミール〈上〉 (岩波文庫)
(1962/05/16)
ルソー

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ダランベール
D'Alembert, Jean Le Rond / Mélanges de littérature, d'histoire et de philosophie, nouvelle édition, augmentée de plusieurs notes sur la traduction de quelques morceaux de Tacite. Donec corrig. 1767

ラ・メトリ
La Mettrie, Julien Offray de / Oeuvres philosophiques. Sive in unum collecta, sive separata. 1769

人間機械論 (岩波文庫 青 620-1)人間機械論 (岩波文庫 青 620-1)
(1957/01)
ド・ラ・メトリ

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ドルバック

D'Holbach, Paul Thyry / Système de la nature, ou des lois du monde physique et du monde moral. 1770

ドルバック 自然の体系〈1〉ドルバック 自然の体系〈1〉
(1999/10)
ポール=アンリ・ティリ ドルバック

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ギボン

Gibbon, Edward / The history of the decline and fall of the roman empire. 1783

ローマ帝国衰亡史〈1〉五賢帝時代とローマ帝国衰亡の兆し (ちくま学芸文庫)ローマ帝国衰亡史〈1〉五賢帝時代とローマ帝国衰亡の兆し (ちくま学芸文庫)
(1995/12)
エドワード ギボン

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パスカル
Pascal, Blaise / Pensées, avec les notes de m. Voltaire. 1789

パンセ (中公文庫)パンセ (中公文庫)
(1973/12)
パスカル

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ディドロ
Diderot, Denis / Jacques le fataliste et son maître. 1804
運命論者ジャックとその主人運命論者ジャックとその主人
(2006/12)
ドニ ディドロ

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スターン
Sterne, Laurence / A sentimental journey through France and Italy. 1819

センチメンタル・ジャーニー (岩波文庫 赤 212-4)センチメンタル・ジャーニー (岩波文庫 赤 212-4)
(1952/10/25)
スターン

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コンドルセ
Condorcet, Marie-Jean-Antoine-Nicolas de / Esquisse d'un tableau historique des progrès de l'esprit humain; ouvrage posthume. 1827

人間精神進歩史 第1部 (岩波文庫 青 702-2)人間精神進歩史 第1部 (岩波文庫 青 702-2)
(1951/03)
コンドルセ

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カント
Kant, Immanuel / Kritik der reinen Vernunft. 1827

純粋理性批判 (上) (平凡社ライブラリー (527))純粋理性批判 (上) (平凡社ライブラリー (527))
(2005/02)
イマヌエル・カント

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スタンダール
Stendhal, Henri Beyle de / Omnes fabulae amatoriae. 1828

赤と黒 (上) (新潮文庫)赤と黒 (上) (新潮文庫)
(1957/02)
スタンダール

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カサノヴァ
Casanova de Seingalt, Jacques / Mémoires écrits par lui-même. 1834

カザノヴァ回想録 (1) (岩波文庫)カザノヴァ回想録 (1) (岩波文庫)
(1988)
ジャコモ・カサノヴァ、岸田 国士 他

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コンディヤック
Condillac, Etienne de / Cours d'étude pour l'instruction du prince de Parme. 1836

ハイネ
Heine, Heinrich / Reisebilder. 1836

『旅の絵』より (ハイネ散文作品集)『旅の絵』より (ハイネ散文作品集)
(1990/11)
ハインリッヒ ハイネ、木庭 宏 他

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バルザック
Balzac, Honoré de / Omnes fabulae amatoriae. 1841

ゴリオ爺さん (新潮文庫)ゴリオ爺さん (新潮文庫)
(1972/04)
バルザック

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J.S.ミル
Mill, John Stuart / Principles of political economy with some of their applications to social philosophy. 1856

経済学原理〈第1〉 (1959年) (岩波文庫)経済学原理〈第1〉 (1959年) (岩波文庫)
(1959)
J.S.ミル

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小デュマ
Dumas, Alexandre (filius) / Omnes fabulae amatoriae. 1863

椿姫 (新潮文庫)椿姫 (新潮文庫)
(1950/12)
デュマ・フィス

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大デュマ
Dumas, Alexandre (pater) / Omnes fabulae amatoriae. 1863

三銃士 上 (角川文庫)三銃士 上 (角川文庫)
(2009/10/24)
アレクサンドル・デュマ

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ルナン
Renan, Ernest / Vie de Jésus. 1863

イエスの生涯イエスの生涯
(2000/08)
エルネスト ルナン

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フローベル
Flaubert, Gustave / Madame Bovary. 1864

ボヴァリー夫人 (新潮文庫)ボヴァリー夫人 (新潮文庫)
(1997/05)
フローベール

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ユーゴー
Hugo, Victor / Les misérables. 1864

レ・ミゼラブル 全4冊 (岩波文庫)レ・ミゼラブル 全4冊 (岩波文庫)
(2003/09/09)
ヴィクトル ユーゴー

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ラルース
Larousse, Pierre / Grand dictionnaire universel du XIXe siècle. 1873
(ラルース大百科事典)

Etude Nouvelle Sur Denis Diderot L'Encyclopediste Du XVIII Siecle: Extrait Inedit Du Grand Dictionnaire Universel Du XIX Siecle (1871)Etude Nouvelle Sur Denis Diderot L'Encyclopediste Du XVIII Siecle: Extrait Inedit Du Grand Dictionnaire Universel Du XIX Siecle (1871)
(2009/11)
Pierre Larousse

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ゾラ
Zola, Emile / Opera omnia. 1894

ナナ (新潮文庫)ナナ (新潮文庫)
(2006/12)
ゾラ

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ダヌンツィオ
D'Annunzio, Gabriele / Omnia opera dramatica. 1911

死の勝利―薔薇小説〈3〉 (薔薇小説 3)死の勝利―薔薇小説〈3〉 (薔薇小説 3)
(2010/11)
ガブリエーレ ダヌンツィオ

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ベルグソン
Bergson, Henri / L'évolution créatrice. 1914

創造的進化 (ちくま学芸文庫)創造的進化 (ちくま学芸文庫)
(2010/09/08)
アンリ・ベルクソン

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メーテルリンク
Maeterlinck, Maurice / Opera omnia. 1914

青い鳥 (岩波少年文庫)青い鳥 (岩波少年文庫)
(2004/12/16)
モーリス メーテルリンク

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アナトール・フランス
France, Anatole / Opera omnia. 1922

舞姫タイス (白水Uブックス―海外小説の誘惑 (145))舞姫タイス (白水Uブックス―海外小説の誘惑 (145))
(2003/07)
アナトール・フランス

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クローチェ
Croce, Benedetto / Storia d'Europa nel secolo decimonono. 1932