東京の内科クリニックの医師が、自分に移植する腎臓を売買しようとしたとして逮捕された事件で、この医師は、腎臓の提供者探しを暴力団員に依頼する前に、報酬の金額や支払い方法、それに提供者との養子縁組の段取りなどをみずから綿密に計画していた疑いがあることが分かりました。
東京・江戸川区で内科クリニックを経営する医師の堀内利信容疑者(55)は、知り合いの暴力団員、滝野和久容疑者(50)に1000万円を支払って自分に移植する腎臓の提供者探しを依頼したとして、臓器移植法違反などの疑いで逮捕されました。警視庁は、25日午前、堀内医師ら5人の身柄を検察庁に送りました。警視庁によりますと、堀内医師は、おととし、滝野容疑者に提供者探しを依頼しましたが、報酬の金額や支払い方法、それに提供者との養子縁組の段取りなどは、みずから綿密に計画していた疑いがあることが分かりました。計画の具体化には妻の則子容疑者(48)も加わり、このうち1000万円の報酬については、提供者を探すときと血液検査などを終えて提供者が決まったとき、それに手術が成功したときの3段階に分けて支払うと滝野容疑者に説明していたということです。警視庁は、医師が、移植を急ぐため、あらかじめ臓器売買の段取りを詳細に決めていたとみて調べています。