藤本(右)、玉田(左)らC大阪戦の先発メンバーとリカバーメニューをこなす阿部(中)=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスは23日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで、25日の浦和戦(豊田ス)に向けて調整した。22日のC大阪戦(金鳥ス)の先発メンバーは軽めのメニューで疲労回復に努めた。DF阿部翔平(27)はチーム全員が守備の意識を持つことで、2試合連続ロスタイムに失点している悪い流れを断ち切ることを誓った。
過密日程の終盤にもかかわらず、リカバーメニューをこなすメンバーは明るい雰囲気だった。阿部はいつもどおりの静かな笑顔を浮かべながら、その輪の中にいた。
前回の浦和との対戦(4月24日、埼玉)は阿部にとって転機となった。東日本大震災による中断中に右足首をねんざしたが、公式戦再開となった4月6日のACLのFCソウル戦に何とか復帰した。ACL1次リーグの3戦を2勝1分けと波に乗り、意気込んで迎えたJ1再開初戦が浦和戦。0−3と完敗し、翌戦から2試合連続で先発を外れた。「去年優勝したからといってそんなに甘くないと警告を受けたようだった」。今は冷静に振り返ることができる。
3−2と勝ったC大阪戦から中2日。15日で5試合という連戦はひとまずこの浦和戦で終わる。2試合連続で後半ロスタイムでの失点が続いているが、最近6試合を4勝2分けと結果を出し、上昇気流に乗りつつある。
次戦は中盤の底(アンカー)として守備範囲の広いMFダニルソンが累積警告で出場停止。守備でも強さを発揮していたMF中村もけがで離脱している。しかし阿部は悲観していない。「終盤の苦しい時間帯に4バックはもちろん中盤やFW3枚も含めた全体で守る」。中盤での単純なミスが減ってきた分、攻撃陣は好調。失点さえ防げば勝てるという自信もある。
「前回負けている分、今回は絶対勝つ」。同じ相手に2回水を差されるわけにはいかない。因縁の浦和に勝って過酷な6月の連戦を締めくくる。 (伊東朋子)
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