シュートを放つ闘莉王(左)を笑顔で見つめる楢崎(中央後方)=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスは24日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで25日の浦和戦(豊田ス)に向けて練習した。GK楢崎正剛(35)は、「同じ相手に勝ち点6はやれない」と、前回対戦で大敗した浦和にリベンジを果たし、6月最後の試合を勝利で締めくくる。
楢崎はいつもどおり、じっくりとGK練習を重ねた。フィールドプレーヤーの軽めの調整を終えたDF闘莉王が、試合のメンバーを外れた選手のシュート練習に乱入し、楢崎をやじる光景もいつもの試合前日だった。
東日本大震災による中断で変則日程だが、J1は2巡目に入る。4月25日の前回対戦で0−3と大敗した浦和に対して、楢崎は「同じ相手に2回負けて勝ち点を6も与えることには抵抗がある。そうでないとタイトルには近づかない」と静かに闘志を燃やしている。
その点には、負けず嫌いなストイコビッチ監督も2008年の就任以来こだわっているという。J1初優勝を飾った昨年はホームとアウェーの2戦ともに白星を献上したチームは川崎と鹿島のみ。それ以外は最低でも勝ち点1は奪い取った。
浦和戦はMFダニルソンが累積警告で出場停止。楢崎は「彼の穴埋めは誰にもできないので全員でカバーすればいい」。痛手ではあるが、闘莉王、ダニルソン、ケネディら昨年のJリーグベストイレブンを次々とけがで欠いたシーズン序盤に比べると、チーム状態は格段に良くなっている。
15日間で5試合を戦う過密日程の6月が浦和戦で終わる。「最後というわけではないが、6月という近い目標を立ててやってきた。その意味では成果が出ている」。浦和戦に勝てば6月の勝ち点は「13」に積み上がる。巻き返しという意味では大きな意味を持つ。
昨季王者の歯車がようやくかみ合いだした。それでも楢崎はさらにギアを入れ直す。「今はまだ失った勝ち点を取り返しているだけ。これからです」。連覇という大きな目標に向かって、まだ満足してはいられない。 (伊東朋子)
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