今日は、ちょっと怪しげエントリーです。 農林水産省は、福島第1原発から半径20キロの警戒区域の外側に向日葵と菜の花を植えて、放射性セシウムなどで汚染された土壌の浄化効果の調査に乗り出した。 これは、向日葵と菜の花に、セシウムやストロンチウムを吸収する性質があるからで、その効果を確認して来年の作付に生かせるようにということらしい。 この案は、3月23日のエントリー『放射線を防ぎ経済を活性化する「菜の花・ヤザワ作戦」 』で提案した案と同じであり、その効果がどれほどのものになるのか非常に注目している。 尤も、民間レベルではとっくに、向日葵を植えよう運動が各地で動き始めており、「福島ひまわりプロジェクト」として、種まきが行われている。 ただし、向日葵も菜の花も、土中からセシウムやストロンチウムを吸収・除去するだけで、放射性物質そのものが無くなるわけじゃない。吸収された放射性物質は、葉や根、および菜種の皮などに蓄積されるから、向日葵や菜の花を刈り取って、最終的に処理する必要がある。 チェルノブイリにほど近いナロジチで行われている、「ナロジチ再生・菜の花プロジェクト」でも、放射性セシウムを吸収した菜の花の種の皮は、最終的に濃縮・少量化して、低レベル廃棄物として管理しているから、福島に植えられる向日葵や菜の花も同様に廃棄物処理が必要になる。 おそらくは、焼却後の灰を固めたあと、封印して放射性廃棄物として地中に埋めるのではないかと思うけれど、それ以外に微生物を使っての放射線除去方法も研究がすすめられている。 これは、環境微生物学博士の高嶋康豪氏が所長を務める高嶋開発工学総合研究所で研究されているもので、耐放射性細菌の微生物触媒などを使って、土中の放射線量を減らそうというもの。 実は、この細菌による土壌浄化実験を福島県伊達郡川俣町のサトーファームで行っているのだけれど、目覚ましい効果が上がっているようだ。 実験地である伊達郡川俣町山木屋地区は、福島第一原発から北西40k m程にあり、現在は計画避難区域に指定されている。 4月29日時点での、この地区のセシウム134とセシウム137の地表面での蓄積量は航空機モニタリング結果から、およそ1,000,000Bq/平方メートルとみられている。 実験は、5月6日から10日にかけて行われたのだけれど、文部科学省が行っている、モニタリングカーを用いた固定測定点で、実験地のある川俣町山木屋の空間線量率は、5月6日時点で3.5uSv/h、5月10日時点では、2.9uSv/hとなっている。 5月6日の実験開始直前に、試験地でGM計数管サーベイメーター、いわゆるガイガーカウンターで計測したところ、空間線量で1000CPM、土壌線量で、1400〜1500CPMあることを確認したのち、15m四方の試験区に対して、次の作業を行った。 1)複合発酵固形バイオ 40kg散布 上記は、5月6日の1日の間に行われた作業なのだけれど、3)のトラクターによる耕耘後には土壌線量が1300〜1500CPMだったところ、5)の複合発酵固形バイオ後には、早くも、土壌線量は600〜900CPMにまで降下している。 そして、翌7日には再び1)〜3)の作業を行い、8日に1)、2)、4)の作業を行ったのち、土壌線量を測定したところ、帆放射線量は更に低下して、450〜700CPMにまで下がっている。 ※7日、8日の散布量はそれぞれ6日のものと異なる 最終的には実験終了の5月10日時点で、何も処置しなかった実験区の隣の地面の線量は1300〜1600CPMと変化がなかったのに対して、微生物を撒いた実験区は450〜800CPMと1/3近くにまで線量が減ったという結果となった。 そして、表面線量もさることながら、実験区となにもしなかったところの土に含まれる放射性物質をそれぞれ分析したところ、放射性物質の現象は更に顕著になっていて、何もしていなかった土は約32000Bq/Kgの放射性セシウムが含まれていたのに対して、実験区の土はなんと70Bq/Kgにまで減っている。 どういうメカニズムで微生物が放射性物質を喰ったのか分からないけれど、結果を見る限り驚くべき浄化能力というほかない。 ただし、高嶋開発工学総合研究所によれば、採取した土サンプルは、それぞれ表面5cmから採取したそうなのだれど、実験区は15cm程度耕耘しているから、放射性物質の比較を正確に行うためには、耕耘した深さまでのサンプルを採取しなければならず、今回の結果は条件補正の必要がある、としているけれど、仮に、70Bqが10倍だったとしても、32000Bqに対して2%程。条件の違いを差し引いても、相当な能力があるものと思われる。 本当にこれくらいの能力があるのなら、福島県の小中学校の校庭から剥がした表土に、この微生物を撒いてしまうのはどうか。 郡山市の小学校で剥がした表土は、その処分先が決まらず、校庭の隅に固められているというし、学校の校庭には、流石に向日葵や菜の花は植えられないだろうから、駄目モトで試してみる価値はあるように思う。 実験的に微生物の力で校庭の土の放射能除去を試してみてもよいのではないかと思う。 うまくして、本当に校庭の放射性物質が微生物で除去されるようなら、他の学校も次々と真似するだろうし、福島県の耕作地にも広がってゆくだろうと思われる。 向日葵と菜の花と微生物。全く自然の力には驚くほかない。 農林水産省は、福島第1原発から半径20キロの警戒区域の外側で放射線量の高い計画的避難区域を中心に、放射性物質を吸収するとされるヒマワリや菜種を植える実験に乗り出す。放射性セシウムなどに汚染された土壌を浄化する効果を調べ、農地の再生につなげたい考えだ。 来年の作付けに研究成果を生かせるよう、早ければ今月中にも実験を始める。具体的な地域や時期は調整中としている。放射性物質が付着した農地の表面の土を取り除くことで農作物への影響をどの程度軽減できるか、なども合わせて調べる。 セシウムは肥料のカリウムと似た特性を持つとされ、ヒマワリは内部に取り込む吸収力が高いとされる。また、菜種はチェルノブイリ原発事故の汚染地域で土壌浄化対策として栽培されているが、日本での実験では吸収力が弱いとの結果もあるため、吸収力が高い品種がないか調査する。 セシウムを吸わせた植物の処理方法や、ほかに吸収力が高い作物があるかも研究する。まず、計画的避難区域と同区域を除く原発20〜30キロ圏の緊急時避難準備区域内で実験。数十アールの農地ごとにヒマワリなどを植え、土壌浄化効果などを調べる。 農水省では、篠原孝副大臣が先月下旬、チェルノブイリ事故現場の西約70キロの地域で行われている菜種の栽培地や、菜種をバイオ燃料に加工する施設などを視察した。計画的避難区域となった福島県飯舘村からの希望もあることから、日本でも作物を燃料として活用することを検討する。 篠原副大臣は「ヒマワリや菜種を植えれば、畑が荒れるのを防ぐのにも役立つ。福島にたくさんの花を咲かせたい」と話している。 (共同) URL:http://www.chunichi.co.jp/s/article/2011051401000140.html |
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お土には件の浄化以外にも、病気や精神の浄化作用もあるようです。 |
白なまず 2011/05/15 06:51 |
中々「あやしげ」で面白いのですが, 今の政府では |
ちび・むぎ・みみ・はな 2011/05/15 12:35 |
面白いですねー。放射線ももともと自然界に存在するものであることを考えると、中和するものも自然界に用意されているのかも・・・。 |
グー 2011/05/17 07:40 |
広島、長崎は暖かいから微生物が活発でチェルノブイリは寒いから微生物の動きが遅いと思う。放射能物質を安全レベルになる事業になりうる。 |
こー 2011/05/19 12:11 |
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