金曜日のギモン、今週のテーマは「スマートフォン」です。
急速に普及が進むスマートフォンですが、「最新の機械はどうも苦手」とおっしゃる方も多いはず。
きょうは、スマートフォンが普通の携帯電話と比べてどうスゴイのか?ギモン調査しました。
スマートフォン。
日本での登場から3年が経ち、今や街のあちこちで目にするようになりました。

そこで、中高年の皆さんにインタビュー。
スマートフォン、何が便利かご存じですか?
【女性・60歳代】
「主人が買ったけど、10回以上お店に聞きに行って、それ見ててやめてん。『そんなんやったらいらんわ』言うて…」
【女性・60歳代】
「ここ(画面)に、手形がいっぱいつくやろなと思うねん」
【男性・50歳代】
「俺持ってんで。何が気になんの?(Q.どういうことに活用を?)普通の電話やん」
【女性・60歳代】
「機能が分からないから、便利なのかそうじゃないのかも、ちょっと分からない…」
スマートフォンのどこがすごいのか知りたい!
そんな中高年の期待を背負ってギモン隊が向かったのは、スマートフォンだけを展示する携帯電話会社のショールーム。
従来の携帯電話とスマートフォン、いったい何が違うのでしょうか?
【NTTドコモ関西支社・徳嵩隆二さん】
「今までの携帯電話が『電話にパソコンの機能が付いたもの』。スマートフォンは『パソコンに電話機能が付いたもの』とイメージしてほしい」
パソコンを買ったあとで、文章を作るソフトやインターネットを見るソフトを入れるように、いろんな機能をスマートフォンに入れていくことで、自分だけの1台が仕上がります。
こうしたソフトを、スマートフォンでは「アプリ」と呼びます。
世界一売れたスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」では30万種類以上、日本の携帯電話会社の主力商品「Android(アンドロイド)」では、25万種類を超えるアプリがあります。
楽しいゲームも、豊富に取り揃えてあるそうです。
【NTTドコモ・徳嵩さん】
「レストランを探すアプリ、楽器を演奏できるアプリ、語学・資格の勉強に役立つアプリといった、様々なものがある」
一見すると操作が難しそうですが、本で言えばページをめくる、パソコンで言えばマウスで動かしてクリックするイメージです。
ボタンの操作を覚える必要はなく、指で動かした通りに画面が動くので、慣れればむしろ簡単だという人が多いそうです。
【NTTドコモ・徳嵩さん】
「スマートフォンが出た当初は、新しいものが好きな方や、機械に強い方というのがお客さまのほとんどだったが、これから出てくるスマートフォンは、より幅広いお客さまに使っていただきたいということで、使い勝手も進化しています」
最新機種では、3D撮影ができるカメラを搭載するものから、薄さが7.9mmなのに、携帯電話でおなじみの電子マネーやワンセグテレビを備えたものまで。
さらに、お好みのアプリも後から足せるなんて…。
スマートフォンって、なんだか楽しそうです。
大阪府河南町に、「スマートフォンで人生がバラ色になった」という人がいるらしいのですが…。
スマートフォンを、いったい何に活用しているのでしょうか。
【主婦・坂口慶子さん】
「手話の勉強のために活用している。分からない単語は検索で調べることができる。動画もあるしイラストもある」
坂口さんが手話の勉強を始めたのは、7年前。
手で話ができることに、すっかり魅了されたのですが、最初は苦労の連続でした。
【坂口さん】
「手話サークルに行って、覚えてもすぐ忘れ、行って覚えては忘れって感じで、全然上達できなくて…」
坂口さんは、今年2月にスマートフォンを購入。
試しにインターネットで検索してみたところ、手話のサイトが充実していることに驚いたと言います。
【坂口さん】
「それからいつでもどこでも、分からないと思ったらすぐ見た。以前は自信が無くて、手話の会話は1回ずつで終わっていた。それがポンポンポンポンと…。グンと楽しくなった」
坂口さんが通っている手話サークルをのぞいてみました。
【坂口さん(手話)】
「私の体重は…う〜ん…(笑)」
健常者も耳の不自由な人も、一緒になって手話を勉強します。
「スポーツジム」という言葉を手話でどう表すか?という話題になったところで、スマートフォンの登場です。
【手話サークル会長】
「イラストで分かる?説明も載ってる?へえ〜っ」
みなさん、すっかり夢中になっていますね。
【参加者】
「これはすごくいいと思います。テレビゲームみたいに使えて、いいと思います」
【別の参加者】
「単語をポンと言われても意味が分からないとき、意味が分かっても手話が表せないとき、これを見たらすごく便利です」
耳が不自由な人でも、世の中のすべての手話を理解しているわけではなく、新しい言葉に出会えば、「手話辞典」で調べます。
言葉を絵と文章で教えてくれるスマートフォンがあれば、重たい手話辞典を持ち歩く必要もなくなります。
スマートフォンは、頼もしい存在になりそうですね。
スマートフォンの高機能を支える、豊富なアプリ。
実は、世界中の誰もが、作って公開することができるのです。
中国・山東省の青島では、意外なある人物が、アプリの開発を行っています。
その開発現場に潜入すると…1人のプログラマーの姿が。
パソコンの画面には、難しそうな文字や記号が並んでいます。
【のりんむら君】
「全部独学です。基本的には、やってほしいことをリストのように書いていくだけなので…」
ハンドルネーム・のりんむら君、なんと13歳です。
兵庫県で生まれ、小学2年生のときに中国へ渡りました。
のりんむら君は、10歳頃から本格的にプログラミングを始め、その後、日本の中学生のための国語の学習アプリなどを開発し、今はその改良に取り組んでいる最中です。
【のりんむら君】
「“高い”は形容詞なので、“形容詞”を押すと正解が出る。開発のきっかけは、お母さんが欲しいものを買ってくれなかったから。自分で作ってみればタダじゃないかと。自分で作ったものが動いたというのが、楽しいというよりうれしい」
図らずもきっかけを作ったお母さんは、どう思っているのでしょうか?
【母・なみさん】
「夢中になると、深夜1時でも2時でも、ず〜っとパソコンの前に座っている。『やることはちゃんとやってから、残った時間で遊びなさい』と言っているが…」
【のりんむら君】
「もうちょっと遊ばせてほしい。四六時中、パソコンの前に座っていたい」
のりんむら君にとっては楽しい「遊び」のようですが、近い将来、世界中が驚くアプリを、完成させるかも知れません。
しかし、誰でもアプリを作って公開できるということは、悪意を持った人でもアプリを作れてしまうということ。
海外では、個人情報を勝手にあちこちへ送信するウイルスなどが見つかっています。

【NTTドコモ・徳嵩さん】
「ウイルスの問題は課題と思っている。脅威はあるが、今のところ国内では大きな被害の話は聞いていない。ただ、いつ発生するか分からないこと、非常に重要なことなので、通信会社やメーカーが一丸となって取り組んでいる」
まずは、「怪しげなアプリは取り込まない」「セキュリティー機能は常に最新の状態にしておく」といった、パソコンと同じような注意が必要です。
パソコンに似ているけれど、もっと気軽に使えて大きな可能性を秘めたスマートフォン。
食わず嫌いせずに、ちょっとだけ、興味を持ってみませんか?
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