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お盆までの全員入居「困難」 宮城、仮設用地確保できず

2011年6月25日3時0分

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 東日本大震災の仮設住宅をめぐり、宮城県は24日、県内4市町で用地確保のめどがたたないとして、8月中旬までの完成は困難と国土交通省に報告した。確保できていない土地は約4千戸分残っているという。菅直人首相は「お盆までに希望者全員入居」との目標を掲げていたが、実現は極めて困難になった。

 津波による浸水被害を受けていないまとまった土地がほとんど残っていないことが主な原因。国交省と県は、地元以外の内陸の市町村での建設を打診してきたが、地元を離れたくないとの住民の意向が強く、自治体からの合意が得られなかったという。

 国交省と厚生労働省は、夏場の避難所生活が長期化することを避けるため、ホテルや旅館に移ってもらう取り組みに力を入れる方針だ。

 国交省によると、岩手、宮城、福島などで必要とされる仮設住宅は約5万戸。24日現在で3万2千戸がすでに完成している。

 宮城県では、必要とされる約2万3千戸のうち完成したのは約1万4千戸で、残る約9千戸のうち、石巻市、気仙沼市、女川町、南三陸町で計4千戸分について、用地確保は難しくなっている。

 南三陸町の不足分については、8月中旬までの完成を目指してなお調整を続けるが、残る3市町については、目標達成はほぼ不可能な情勢だ。

 必要な約7500戸のうち約2千戸の用地が取得できていない石巻市の担当者は「地域のつながりを維持するため、市内で暮らしたいという住民の希望がある。8月いっぱいの完成が当面の目標」。約1千戸分を探す気仙沼市の担当者は「数十戸を建てられるまとまった土地が残っていない。お盆には間に合わない」と語った。

 現在、仮設住宅は発注から完成まで5週間程度かかることが多く、入居までにさらに1週間ほどかかっている。7月上旬までに発注しなければ8月中旬には間に合わない。

 岩手県では7月中に1万3800戸が全戸完成する見込み。福島県は原発事故の影響で必要戸数の確定が難しいが、当面必要な1万4千〜1万5千戸について7月末までの完成をめざすという。(坂田達郎、中村靖三郎)

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