国際【外信コラム】ソウルからヨボセヨ 今度は「アリラン」戦争2011.6.25 02:37

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【外信コラム】
ソウルからヨボセヨ 今度は「アリラン」戦争

2011.6.25 02:37

 韓国を代表するメロディーは「アリラン」で、内外の行事などは決まってこの曲が演奏される。一般的には「アーリラン、アーリラン、アーラーリーヨー、アーリラン峠を越えゆく…」という歌詞で知られるが、元は古くからの郷土民謡で「江原道アリラン」とか「珍島アリラン」「密陽アリラン」…など地域バージョンがある。

 中朝国境の中国・朝鮮族自治州の延辺にも「延辺アリラン」があるらしく、中国政府が最近、これを「国家無形文化遺産」に指定したとのニュースが韓国に伝えられ、波紋を広げている。「韓国(朝鮮)人の伝統的心情が込められた民族文化を中国が奪おうとしている」というのだ。

 韓中間ではこれまで、古代国家・高句麗の歴史をめぐって「中国史か韓国史か」で“歴史戦争”があり、民俗行事の「端午(たんご)祭り」でも元祖争いがあった。お互いに急速な経済発展、国力増大などで民族的に意気上がっているため、ある種の民族衝突が起きているのだ。

 「アリラン」は別れの情緒でどこかもの悲しい。だから1988年ソウル五輪の閉幕式での演奏などなかなか感動的だった。今回、中国の措置は少数民族の文化保護策みたいな意味なのだろう。とすると韓国としてはむしろうれしい話ではないのか。(黒田勝弘)

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