全国朝鮮高級学校校長会の慎吉雄(シン・ギルン)会長は23日、文部科学省が朝鮮学校への授業料無償化適用の審査を停止して生徒が不利益を受けたとして、国を相手にした損害賠償訴訟を準備していることを明らかにした。慎会長は東日本大震災後に初めて同省に審査再開を要望。遅くとも7月までに審査が再開されなければ提訴に踏み切るという。
朝鮮学校への適用審査は、北朝鮮による韓国砲撃を受けて昨年11月に停止され、3月の震災もあり同省の事務手続きが進んでいない。全国の朝鮮高級学校10校で今春は約700人が卒業し、今年度は約1700人が在籍している。
慎会長は「解決できない時には近々法廷闘争になると思う」と述べる一方、「日本にいる高校生がみんな受給しているのに(朝鮮学校の)生徒に傷は負わせられない。日本の良心を見せていただきたい」と審査再開を訴えた。
毎日新聞 2011年6月24日 0時21分